楽園
スポットライトが消えて、暗闇に戻る、黒より黒い場所。
伊吹は瞼を閉じた。
すると、音と風が流れ始め、伊吹はそれを感じた。
鼻で息を吸うと、花の甘い香りを、
肌に触れる優しい風には温もりを、伊吹はそれぞれ感じた。
ゆっくりと瞼を開く伊吹。
目に映る光景に、伊吹も流石に動揺をした。
綺麗な景色全てを並べた様な光景。
色とりどりの花木、
透き通る程に綺麗な水が流れる小川、
果てしなく続く緑の草原、
空にはエメラルドブルーとオレンジが不鮮明な境界線を隔てて広がる。
そして、鮮やかな青さに、白い雲間すらくっきりと見える程に近い惑星が、空をまた彩る。
「これが、楽園、ユートピア。」伊吹は、
言葉に出さずにはいられなかった。
流石に見惚れ、立ち尽くしてしまう伊吹。
伊吹の目は、潤みを増して、涙を垂らすまで、景色達を見つめていた。
どこからか聞こえる、笑い声達。
誰かいる、そう思って、伊吹は声達の方へ向かった。
木々の合間から、少しずつ見え始める人々の姿。
伊吹の歩く速度も徐々に早くなり、人々の方へとやがて駆け出した。
開ける視野。そこには、先程の景色達に加え、
歌を歌い合う人々、踊りを踊り合う人々、
誰かの話を熱心に聞いている人々、話をして笑い合う人々、
それらの老若男女、沢山の人々が居た。
人々を見つめる伊吹に、
近くにいた人が声をかけた。
「やあ、いらっしゃい!ようこそ、楽園へ。」
その声に気づいた人々から、伊吹への挨拶のリレーが始まった。
緩やかに、人々に囲まれる伊吹戸。惑いながら、伊吹も挨拶の対応をした。
しばらくそんな事を続けていると、人々の中から一人の少女が割って入ってきた。
「今日はこの辺で終わりにしよう!全員相手にしてたら疲れちゃうよ。」
その少女は皆を見渡しながら、そう言った。
そして、伊吹の方を向き、伊吹に手を差し出して言った。
「私は煌、宜しくね。」
蒼く澄んだ瞳に、ロングの赤い髪、その相対的な色合いが蒼赤共に際立たせる。
良く通る声に、人々を惹きつける何らかの雰囲気を纏う少女、煌。
伊吹は、その強い印象に、少し苦手さを覚えながら、握手した。
「俺は、伊吹、宜しく。」
煌の写真も載せたいのですが、
スマホ作成なので、やり方が分からず、
申し訳ございません。




