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音楽に酔いしれて

全話でだいたい15話位になります。

挿絵(By みてみん)

伊吹イブ 

 「黄色い線の内側まで下がってお待ち下さい。」アナウンスが響く。

東京都にある、ひばりヶ丘駅。

 

 そのホームの端に、人間には見えない、密かなる異物の者がいた。

 その異物の者は、ただ待っていた。

 誰かが来る事を。

  

 「間もなく1番線に——」アナウンスがまた響く。

 マッシュルームカットでオーロラカラーの髪の、背の高い青年が、スマホを食い入る様に見ながら、エスカレーターから降りてきた。ギターケースを背負っていた。

 その青年は、駅に降りると一番線に向き直り、イヤホンを片耳につけ、スマホで好きなバンドのライブ映像を再生した。


 異物の者は、言った。「今日は、この子か。」


 青年は、バンドの曲に夢中になっていた。

 【急げ急げ急げ急げ!】バンドの曲が盛り上がる。

 「ドアが閉まります。ご注意——」アナウンスが流れる。

 【飛び乗れ飛び乗れ!】バンドの曲が耳に流れ込む。

 青年は心酔するバンドの音に夢中になってしまった。

 気づくと、一歩、足は前に出され、そして二歩目、前に飛び込んだ。


 「あっ、」

 青年は、曲に夢中なあまり、自身が飛び込んでしまった事、そして、飛び込ん先には、何も無いホームの外である事に、飛び込んだ後になって気づいた。しかし、時は既に遅かった。


 青年は、何かにぶつかる感触と、自身の視界が異様な速さで移動する事を、僅かな瞬きとして感じた。青年の意識は暗転し途絶えた。


 異物の者は、空を見上げ、登りゆく青年の魂魄を見つけた。

 

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