表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

第6話 浮気現場目撃!

「..............................いつまで連絡してけぇへんつもりよ!」



 今日はもう12月23日やのにまだ連絡きてへん。刃銀(はがね)が拗ねて出ていったんが10月の最初の方やったから、とっくに2ヶ月超えてる。


 こんなに連絡ないとか付き合いはじめてから初めてやし。


 刃銀が大学入ってきてすぐ、私らのサークル入ってきて。割とすぐの頃から刃銀はずっと私にアプローチしてきてた。

 向こうから連絡してきてたし、付き合う前から含めても、2週間も連絡途絶えることすらなかったのに、今回はもう2ヶ月たった。


 私のこと試すって言ってもさすがにちょっと長すぎるんちゃう?

 私のことなめてるやろ。


 もしかして、クリスマス、私から誘ってくるの待ってるとか? いや、そうやとしたら男らしくないなぁ。

 愛情を試していいのは女の子側だけ。男の子側がそういうことするとか女々しいわ。


 って思ったらムカついてきて、ついつい声に出して怒鳴ってしまった。


咲水(さみ)ちゃん、急に叫んでどうしたんだい?」



 私の怒りの叫びに反応してきたのは、ベッドの横で、上半身裸のままスラックスにベルト通してる男の人。

 さっきまで私の上で下で横で腰振ってた浮気相手の先輩、端月(はしづき)さん。


 腹筋もうっすら割れてて、全体的にスラッとしてるわりには筋肉質でいい感じ。

 この人にさっきまで乱暴に抱かれてたと思ったらちょっと照れる。


 けど、そんなことよりも今は刃銀が連絡してけぇへんことのイラつきが勝ってる。


「私の彼氏が全然連絡してけぇへんって話したじゃないですか!? もう2ヶ月くらい連絡ないし、明日はクリスマスイブですよ!? っていうかあと2時間で24日やし! まだなんも言ってけぇへんとかありえへん! 絶対私から連絡してくるの待ってるんですよ!」



「ん? あれ、そいつとはもう別れたんじゃなかったの?」



 端月さん不思議そうな顔しながら変なこと言ってくる。


「いやいや、別れてませんて。あっちがなんか拗ねて出ていって、私のこと試してるだけ。そのうち反省して帰ってくると思うし」


「反省? よくわからないんだけど、咲水ちゃんが俺と浮気したって話をして、それで彼が別れるって言って出ていったんじゃなかった?」


「それはそうですけど、それはアイツが私のこと試してるだけなんですよ、絶対」



 まぁ刃銀と付き合いのない端月さんにはそういう刃銀の行動とかはわからんか。


「刃銀は私のこと大好きですからね。1回2回浮気したくらい大丈夫なんですよ。でも、悔しいから拗ねて別れるとか言って、私がヨリ戻そうって言ってくるの待ってるんですよ。私がいっつもそういうやり方するから真似してきたんやと思います」


「ふーん、そうなんだ」



 あー、言葉にしたら余計イラついてきた。

 刃銀がヨリを戻そうって言ってきても、しばらくは冷たくしよ。


 あ、そうや!


「今更連絡してきても25日まで無視したろ。そんで25日も予定入ってるって言ったら悲しむやろうし、めっちゃ反省して二度とこんなアホなことせんようなるやろ! いいと思いません!?」


「んー? あー、まぁいいんじゃないかな? あはははは」



 あんまり興味なさそう。いや、もしかして私が他の男と仲いいとこ知って嫉妬してるんかな?

 端月さんも、結構可愛いとこもあるやんか。まぁ可愛さでは刃銀にはかなえへんけど。


 まぁいいや。


「ですよね! 刃銀にちゃんと後悔させな!」


「そろそろ帰ろうか。いつまで裸でいるつもりだい?」



 私は行為の余韻でダラッとしてたのに、端月さんはサクサク帰る準備してる。

 明日も仕事早いからって言ってたけど、最近、えっちの後のいちゃいちゃ時間が短い気がする。気のせいかな?


 まだ終電まで1時間半くらいあるし、ゆっくりしてくれてもいいのに!


「ちょっと待ってくださいよぉ〜」



 端月さんに急かされて、急いで服を着て精算して部屋を出た。





 エレベータで1階に下りてる間、私らは無言やったけど、私は端月さんの腕にしがみついて、頬擦りつけといた。

 そしたら、端月さんは私の頭をワシャワシャってなでてきた。


 刃銀やったら優しく撫でてくるとこ。あれ気持ちいいんよね。身体じゃなくて心が満たされるっていうか。


 しゃーない。仲直りしたら刃銀にもこうやってスリスリしたろ。絶対喜ぶやろなぁ。

 クリスマスに私とデートできんくて絶望して、その後すくい上げたったときの刃銀を想像してたらめっちゃ楽しい気持ちになる。


 けど、そんな気持ちに浸ってたところ、変なうるさいカップルの声に水をさされた。





「もうっ、早いよっ! タッチするのは部屋に入ってからにして!」


「あはは、ごめんごめん、楽しみすぎてさぁ。どの部屋にするかなぁ。あ、こことかキレイそうちゃう?」


「えーっ、何そこ。変態なことする部屋っぽいんだけど!」


「いやいや、そもそもここ自体変態なことするホテルやから!」


「そうじゃなくて! ほら、ここ、壁に手錠掛かってるし、普通じゃないことする部屋なんじゃないの!? もっと普通な部屋にしようよ!」


「あはは、そうかもな。んー、茅種(ちぐさ)がそういうんやったら......じゃあ、こっちは?」


「うーん、わかんないけど、そこでいいと思う!」



 ホテルの出入り口のとこ、部屋を選ぶパネルの前で騒がしいバカップル。

 酒が入ってるんかして、無駄に声おっきい。


 ........................って、あれ?


 カップルと思った男の方......。









「んじゃあここにしようか.............『刃銀!?』............って、うわっ、咲水(さみ)?」


「あ、この人が?」







 刃銀の浮気現場見つけてしもた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この女、頭おかしいビッチですね
[気になる点] 端月さんもどういうつもりなんだろうな。 正直、使い捨てツールとしてもいろいろ駄目な女だから関係続けていても面倒なばかりだし。 露骨に、お前は浮気相手で本命ではないと言われたしな。 [一…
[一言] ワクワクしてきます 更新ありがとうございます
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ