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旧作✿現在非公開中  作者: 元・深 夜 現・雪闇影
3章
87/116

ラウルからの手紙

 

 レティシアがステラを見送った後、アランは急いでラウルに手紙を書くと、アルノエがその手紙を届けに行った。


 話し合いはそこで終わりとなったが、いっこうにテオドールが部屋に戻ってこないことを不思議に思ったレティシアがその事をルカに聞くと、ルカはエルガドラ城にヴァルトアール帝国から彼の迎えが来ていた事、そして彼がヴァルトアール帝国に帰ったことを話した。


(皇帝陛下もなんだかんだ言っても、やっぱり息子がかわいかったんだね……戦争が起きるかもしれないと思って、すぐにテオの迎えを寄越すんだから……まっ、皇帝陛下の事は、好きになれそうにないけど)


 結局、皇帝陛下はテオドールにエルガドラ王国で何をさせたかったの? っとレティシアは疑問にも思ったが、深く考えたらドロ沼にハマると思い、湧き上がった疑問は頭の隅っこに覆いやる。



「まだテオドールのことが気になるのか?」


 窓の外を眺めていたレティシアにルカがそう声をかけると、レティシアは首を左右に振った。


「違うわ。ただ皇帝陛下も天邪鬼だなぁって思っただけよ」


「天邪鬼か……そうかもしれないな」


 そう言ったルカはどこか安心したような表情をすると、レティシアと同じように外を眺めた。


(守らなければいけない人が減ったんだもの、ルカだって緊張が解けてほっとした表情にもなるわね)


 ルカの顔を盗み見たレティシアはそう思った。


 しばらくするとステラからレティシアの元に、お目当ての人物に気付かれることもなく近づけたと報告があると、レティシアはステラにその人物を見張るように頼んだ。

 だが、ステラと共有した聴覚からは常に不愉快な会話が届きレティシアの顔は、険しくなっていく。


『不愉快としか言えないわね』


 ステラも同じように感じていたようで、そうレティシアに伝える。


『ステラ、見つからないようにね』


『わかったわ、レティシアも何かあったらすぐ呼んでちょうだい』


 その夜、ステラが見張ってる人物が寝るまで、レティシアとステラは不愉快な会話をずっと聞いていたため、胃が少しだけ傷んだ。



 ◇◇◇



 翌日、レティシアたちが泊まっている部屋のドアをノックする音がした。


 レティシアが警戒しながらドアを開けて要件を聞くと、彼はラウルの従者だといい、昨日アランが出した手紙の返事を届けに来たとの事だった。

 レティシアは失礼かと思いつつも、部屋にはまだ防御魔法陣が描かれたままだったため、彼にドアの外で待つように伝えると手紙を受け取った。


 部屋の中では、ルカとアランそしてアルノエが警戒態勢に入っており、レティシアが心配いらないと目配せすると、その警戒を解いた。


「アラン、ラウルからよ」


 レティシアはアランに手紙を渡すと、アランはその場で手紙を広げて目を通し、すぐに机に向かい返事を書いていく。

 書き終わるとそれをラウルの従者に渡した。



 従者はアランから手紙を受け取ると、辺りを警戒しながら足早に宿屋を出ていく。


「今日、この後ならラウルに会えるそうだ。場所はラウルの宿屋を指定してきたよ」


 アランはそう言うと、出かける準備を始める。


「正装をした方がいいかしら?」


「いや? できれば目立たないでほしいと書いてあったから、いつも通りでいいだろ」


「わかったわ」


 そう返事をするとレティシアも出かける準備を始めた。




 ◇◇◇



 レティシアたちが宿屋の外に出て歩き出すと、一定の距離をとって後をつけてくる気配に気がついた。


 ルカは足早に先頭を歩きながら路地に入っていくと、レティシアとアランはルカを見失わないように追う。

 そのままルカは後ろを振り返らずに進むと、今度は路地裏に入っていった。


 その瞬間ルカが魔法を使ってレティシアたちと姿を消す。


 後を追っていた男たちも路地裏に入って来たが、そこにレティシアたちの姿はなく、彼らは「どこに消えた!」っと言いながら辺りを見回すが、そこには誰もいなかった。


 男たちが走ってその場を去ると、浮遊魔法(トリスティク)を使っていたレティシアはゆっくりと地面におりていき、ルカは透明化魔法(インビジブル)の魔法を解除した。


「悪い、助かったよ」


「気にしなくていい。このまま来た道を戻ろう」


「あぁ、急ごう」


 その後、レティシアたちの後を追う気配はなかった。



 レティシアたちがラウルが泊まってる宿屋に着くと、入口付近で待っていた従者に案内されて宿屋の中に入っていく。

 周りに悟られないようにしているが、従者の様子から辺りを警戒しているのがうかがえる。


「こちらでお待ちください」


 そう言われ通された部屋に入ると、そこは本来部屋にあるべき家具などが置かれていない、何もない部屋だった。

 レティシアはすぐに警戒して足元に目を向けると、魔力の気配を読んだ。


(なるほどね……この部屋には転移魔法陣が描かれているのね)


 レティシアがそう思うと足元が光、辺りが眩しくなる。

 ルカはとっさにレティシアを自分の方に引っ張ると、アランにレティシアを任せ、二人を守る姿勢をとった。


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