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旧作✿現在非公開中  作者: 元・深 夜 現・雪闇影
1章
6/116

レティシアと大地と精霊

 

 翌朝レティシアは、目が覚めると体内の魔力の状態を確認すると、昨夜ギリギリまで使った魔力が、自然回復している事にホッと胸を撫で下ろした。

 過去に自然に魔力が回復しない病気にかかった人を、レティシアは見たことがあるため自分の体調と魔力の管理は、怠りたくないのである。



<コン・コン・コン>



「 失礼します。 レティシアお嬢様、おはようございます」


 そう言いながらメイドのアンナが入ってきた。

 レティシアは、アンナにニッコリと笑みを返し。


「アンナ…おはよ」


 っと返すとアンナも嬉しそうに微笑む。


「本日は天気がいいので、午後にエディット様がテラスでお茶をするそうですよ〜お嬢様もお庭で遊びたいと思うので、後程行きましょうね」


 っとアンナはカーテンを開けながらレティシアに言った。

 彼女はこの屋敷で働くメイドで、エディットが帝都の貧民街から連れてきたのだと、そしてアンナがどれだけエディットに感謝しているのか大好きなのかレティシアは、熱弁された。


(母は、人たらしなのかもしれない…)


 その時レティシアは、そう思ったが実際人たらしなのかもしれない。

 なぜなら、実際この屋敷で働く使用人の多くは『エディット様大好き!』って人が多い。

 そのためエディットの娘であるレティシアの事も大切にしてくれているので、決して悪いことばかりでは、ない。


 午前中は、大抵こうしてレティシアはアンナに世話や相手してもらう。

 レティシアの世話も専属侍女が付くまでの間、アンナがやりたい! っと買って出たそうだ。



 お昼過ぎごろ、アンナに連れられレティシアが庭に出るとエディットがテラスで優雅にお茶をしてる真っ最中だった。


「エディット様、レティシアお嬢様をご案内してきました」


「行っらっしゃい、レティ。今日も元気そうでよかったわ〜 お庭で遊ぶのね」


 っと嬉しそうに、頬を緩ませながら言うエディットに対して。


「おかあさまも、げんき! にわ、あそぶ!」


 っとレティシアは、しっかり発音できる言葉を選び返事をした。


(赤ちゃん言葉を使うの、まだ恥ずかしいんだよ…それに…赤ちゃん言葉はできたら使いたくわない!! それならこれくらいの会話でいい!)


 庭の芝生にアンナがレティシアを下ろすと、レティシアに一礼し来た道を引き返した。


「エディット様、レティシアお嬢様失礼します」


 っと言ってからお辞儀をし、テラスから下がっていく。

 アンナが任されてるのはここまでの時間だ、この後はリタがエディットの世話の合間にレティシアの世話もする。


 レティシアは地面に座ると目をつぶりながら、大地に意識を向ける。

 彼女は大地との対話をするのだ。


 レティシアは、大地に自分の感情と一緒に魔力を僅かに流すと、大地からマナが返ってくる…そうしてるうちに、ふわふわと幼い精霊達が飛んで集まってくる気配がし、レティシアは目を開けて、彼らにテレパシーで挨拶をすると、彼らも普通に挨拶を返してくれる。


 レティシアは彼らに挨拶が終わると、また目をつむり大地にも意識を向ける、ゆくゆく精霊と契約するなら、大地との対話でマナを扱いやすくするために、必要な事だ。

 だからといって精霊達を蔑ろにしてる訳じゃない。

 目をつむっても彼らの存在を、認識できるのを彼らも認識しているので、レティシアは精霊達から反感を買うことはない。


 彼らのような幼い低級精霊は、視える人が少なく。

 そもそも人間の前にこうして姿を表さない。

 そして彼らは、嘘を述べないし友好的ならいろいろと教えてくれる、プラスの事を言うことの方が多いがそれは、彼らの性格のせいだろう。

 知りたい事があれば聞いてみると、大抵の事は答えてくれる、この時間がとても心地よく過去でも、レティシアが好きだった時間だ。


『今日ね! 花が咲いたんだよ!』

『後でレティシアにも見せてあげたい!』

『みせたい!』

『みせたい!』

『レティシア、すきー!』


 っと嬉しそうに次から次へとこの土地の出来事を聞いてもいないのに報告してくれる、それがまたレティシアは楽しいのだ。


 そして楽しい時間は、過ぎるのも早い。


 リタが近ずいてくる気配をレティシアは背中に感じると。


『ひときた!』『きた! きた!』

『もう時間かぁ〜 レティシア! またお話しようね!』

『しよー! しよー!』


 っと残念そうな声で言いながら精霊達が帰っていく。

 大地からも『またね、レティシア』っとレティシアは、言われた気がした。


「あらあら、レティシアお嬢様、また座ったままで寝ちゃったんですね…ふふふ」


 っと言いながらリタがレティシアを抱き抱えて運んでくれる。

 レティシアはもちろん寝た訳じゃないが、寝たフリをする。

 何してたのか聞かれて返答に困りたくないのだ。


 そうしてるとリタの抱き抱えてる腕も歩みも心地よく、レティシアは気がつくと本当に眠ってしまっていた。


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