表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧作✿現在非公開中  作者: 元・深 夜 現・雪闇影
1章
5/116

レティシアは、宝石に魔力を溜める

 

 ある程度この世についてわかってきた頃からレティシアは、魔法の鍛錬を始めた。

 過去の転生で魔法が使えた時、もともと強い憧れを持っていたため、その頃から魔法の魅力に惹きつけられ、強く心を奪われた、そのため今世でも魔法が使えるとわかると、強欲に魔法に関する知識もレティシアは増やした。


 みんなが寝静まった頃、レティシアは気配を消しながら、周りに人の気配がない事と、魔力を感じない事を確認してから、体を起こしベッドに座るような体勢になり、体をリラックスさせる。


 浮遊魔法を使いプレゼントとして貰った大きめの宝石を、何個かジュエリーボックスから出し手元に運ぶと、レティシアは手元の宝石を確認しながら彼女の周りに結界を張った。


 この結界は防御壁(シールド)や通常の防御結界とは違い、結界外からの攻撃には、めっきり弱い…弱いというか普通に貫通する…なのに中から外へは、魔法遮断も組み合わせてるので外に魔力が漏れでる事はない。

 この結界はレティシアが過去の人生で作った、彼女のオリジナルの魔法遮断結界なのだ。

 そのため結界と言っても、これ一つだけを戦闘や戦場で使用するという事は、レティシアは過去でも絶対にやらなかった。


 だが魔法遮断結界の利点は、中でどんなに魔力を放出しようとも、結界外にいる人の気配や魔力を感知しやすく、レティシアはとても重宝しているのだ。



 レティシアは自分を囲むよう張った結界に問題がないか確認してから、空間消音魔法(サイレント)透明化魔法(インビジブル)そして陰影魔法(シャドウ)を使い。


 宝石を一つだけ握って、他はベッドの上に置く。


 レティシアは、ふぅーっと息を吐き出しながら、彼女の中にある魔力に意識を向けた。

 そして宝石が割れないように、魔力をコントロールしながら宝石の中に魔力を注いでいく。


 宝石に使われる、ダイヤやサファイアなど数多くの鉱石の中には、自分に合った鉱石があり、その鉱石に魔力を溜められる。

 鉱石に注ぐ魔力量が鉱石より多かったら、鉱石は割れて使い物にならないし、かと言って逆に少な過ぎれば、鉱石に魔力が入っていかないため、魔力コントロールが重要になってくる。

 たまたま、プレゼントとして貰った宝石が、レティシアと相性がいい宝石だったため、過去の世界線でやっていたので、今世でも出来るか試したらできた…それなら! ってことで彼女はやっている。


 魔力が軽く反発し合う感覚を感じたら、宝石を変えこの後に使う魔力分だけが残るまで、レティシアはこの作業を続けていく。

 そうすれば自然と魔力を溜められる湖が大きくなる。


 一歩間違えれば魔力が枯渇し最悪の場合、死ぬかもしれないので見極めの判断を間違わないように、レティシアは体内の魔力量も常に把握しながら事を進める。


 魔力量が増えて、さらに魔力コントロールもできて、何なら魔力を見る眼まで養えるのだ。



  ″ やらない ″ と言う選択肢は、レティシアにはなかった。




(そろそろかな…)


 体内の魔力量が残す予定の量になったのを感じたレティシアは、魔力を注ぎ込む事を辞めると心身ともに疲労感を感じ…。


 ふぅーっ と息を吐いた。


 だがレティシアには、まだやらなければいけない事があるので、終わりではない。

「よし!」っとレティシアは気合いを入れ直し、先程魔力を溜めた宝石たちを複製魔法で複製し、複製魔法で作ったダミーをジュエリーボックスへとしまう。

 ダミーは、パッと見で見分けられず、仮にもし身に付けるような事態となった際は、本物と取り換えればいいだけなので、そう簡単にわからないだろうっと思ってレティシアは、そうしている。


 次に先程魔力を込めた宝石に、付与の刻印をする。

 別に、盗られたり売られたからと言ってレティシア以外の人が、中に込められている魔力を使う事ができる訳じゃないので、さほど心配してないが…念には念をだ…。


 そしてレティシアは空間魔法を使い、異世界おなじみのアイテムボックスを取り出すと、そこに先程魔法付与を終えた宝石達を入れた。


(このアイテムボックス…)


 レティシアは空間魔法が使えるなら、この世界でもアイテムボックスが使えるのでは? っと思い付きで試してみたら使えたのだ。

 その時、淡い期待を持ちつつ過去で使っていたアイテムボックスに繋がっていないか、中にアイテムが入ってないか確認したが、繋がってもいなかったし空っぽだった。


( 繋がってると思ったけど、そもそも世界線が違うし、同一人物じゃないからあっちのは、使えないのかもなぁ)



 こうなると知っていたら、レティシアは過去の愛弟子達にレア素材や魔道具を、渡しとけば良かったと公開した。


(ぁあ… そう言えば、お金もあの中に置いてたんだよなぁ…はぁ…)


 っと、ついでにアイテムボックスを金庫の代わりにしてたのを思い出し、レティシアは余計にガックリ肩を落とした。


 アイテムボックスを閉じて初めにかけていた魔法を解くと、レティシアは、クラっと目眩を感じてそのまま後ろへとベッドに倒れ込む。


(今日も疲れた…)


 少し体が重たい貧血のような症状が現れてレティシアを襲うが、これは限界のギリギリまで体内の魔力を使い切った証拠でもあるため、耐えるしかない。


 レティシアの場合、危険だと判断したら今身につけているペンダントに込めている魔力を使えばいい。

 使われてる鉱石が、そんなに魔力を溜め込めるものじゃなかったが、アイテムボックスを開く事ができるだけの魔力が込められてるため、問題ない。


 次第に疲労から睡魔が襲いレティシアは、眠りに落ちた…。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ