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旧作✿現在非公開中  作者: 元・深 夜 現・雪闇影
2章
36/116

レティシアと手紙

 

 いつものように、アンナと過ごしていると、レティシアの部屋へ箱を持ってアルノエが訪ねてきた。


「今日は寒いので、体があったまるお茶をお入れしますね!」


 っとアルノエがやってきて事が嬉しかったようで、アンナは嬉しそうにいつものようにお茶の準備をしていると。


「アンナさん、申し訳ないのですが。お茶の方を入れ終わりましたら、本日は私とレティシア様の二人にしていただけませんか?」


 っといつもと違いアルノエは、アンナに退室を求めた。

 それに対し驚いた様子でアンナが聞き返す。


「えっ? ど、どういう事でしょうか…?」


「すみません。レティシア様と少々大切なお話がありますので、アンナさんには、退室をお願いしたいのです。食堂の方へは私が責任をもって、レティシア様をお連れいたしますので、アンナさんは心配をしなくとも大丈夫です。なので他のお仕事へとお戻りください」


「あ、はい…わ、分かりました」


 アンナは、お茶を入れ終わると、残念そうに肩を落としたながらも一礼しレティシアの部屋を出て行った。



 アンナに初めて退室を求めたアルノエの事を「どうしたんだろう?」っとレティシアが不思議そうに思っていると、アルノエがレティシアの近くまでやってきて話し出した。


「レティシア様、失礼しました。少しだけ団長達とも話をし相談したのですが、今回ダニエル様の滞在期間中お出かけしませんか?」


 レティシアは、考えてもいなかったことを突然言われ今度は「どういう事?」っと首を傾げると。


「ルカ様がいらっしゃらないので遠くへは行けませんが、街に行ったりと少しだけ屋敷の外にも外出してみたら、いい気晴らしにもなるのではないかと、私なりに思いまして…どうでしょうか?」


 っと提案され、今度はレティシアの顔がぱぁーっと笑顔になる。


「いいよ! ばしょ、アルノエがきめて!」


「かしこまりました。エディット様にも後程、私の方からお話しいたします」


「ありがとう!」


(今世で、生まれて初めて外に行くのかぁー! 今からワクワクする!)


 レティシアの嬉しそうに喜ぶ姿をみたアルノエは、ここまで喜ぶと思ってなかったようで、後悔した表情をし気まずそうな様子だった。


「あのー…それで…伝える順番が逆になってしまったようなのですが…」


 アルノエは、言い淀みながら入ってきた時に持っていた、箱をレティシアに手渡した。


「そちら、ルカ様がレティシア様へと…お贈りになられたものです…」


 そう言われレティシアは、さらに嬉しくなり急いで箱をあけると…中に封筒と短剣が入っていた。

 レティシアはゆっくり封筒に手を伸ばし、手に取ると。

 封筒から手紙を取り出してゆっくり開く…そこには綺麗な字が綺麗に並んでいた。

 レティシアは、そっと字に触れながら静かにそれを読んだ。


『 レティシア、君に謝らなければならい。

 どうしても外せない用事があり、君の元へ行くことが出来ない事を、どうか許してほしい。

 その代わりじゃないが、レティシアの護衛は、俺の希望で信頼してるアルノエに任せる事にした。

 レティシアも、彼の事は信用して大丈夫だ。

 彼にはテレパシーの事も伝えてあるから、何かあったら彼に伝えるといい。

 後で彼から他の二人も紹介させる。


 それから宝石と本以外で、レティシアが欲しがりそうなものがわからなくて、誕生日のお祝いに短剣を贈る事にした。

 本当なら、魔力を注げば大きさを変えられる短剣にしようと思ったけど、レティシアは付与術が使えるから、好きに出来るように普通のにしたよ。


 少し早いけどお誕生日おめでとうレティシア。


 遠くからでも、いつも君の無事と幸せを願ってる。


 ルカ・オプスブル 』


(あー…ルカ…本当に来れないだね…それでもこうして祝ってくれるのは、誕生日を忘れてなかったって事だよね)


 手紙の字を指で触りながら、ルカの嬉しさと彼にあえない寂しさでレティシアの視界が歪む…。

 泣いてはダメだと、思えば思うほど泣きそうになりレティシアは下唇を噛んだ。

 そして気持ちを落ち着かせるように、レティシアは大きく息を吸いゆっくりと吐き出すと話し出した。


『アルノエ、ルカからのプレゼントを持ってきてくれてありがとう。テレパシーの事も聞いていたのね』


 まだ眼に薄らと涙を浮かべてるレティシアがテレパシーを使い言うと、アルノエは申し訳なさそうな顔をしながらレティシアに頭をさげた。


「はい、存じておりました。ですが、ルカ様から直接レティシア様に報告すると言われましたので、このように話しかけられるまでこちらから申し上げられず、大変申し訳ございません」


『良いよ。あと堅苦しいのなしでね、常にそばにいる人が堅苦しいと息が詰まるから』


「かしこまりました。あ、いえ、はい…」


 堅苦しいのが嫌だと伝えた後すぐ、堅苦しい返事をしてしまった事が恥ずかしいのか、耳が赤く染ったアルノエを見てレティシアは笑ってしまう。

 その様子にほっとしたような表情でアルノエが見ていた。


(ルカ…ありがとう……どうか無事に帰ってきてね)


 ルカが来れないことを残念に思いながらも、レティシアは彼の無事を祈るのであった。


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