※ ルカ side 5
彼女の前で片膝をつき
「レティシア様、良かったら私にお庭の案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
っと微笑みの仮面を顔に貼っつけながら聞いたら、彼女も笑顔の仮面をつけたまま何も言わない。
エディット様に言われて、やっと頷きそれを確認して彼女を抱きかかえた。
その後、適当にエディット様に対して言葉を交わし庭園に出た。
この庭園は、精霊達から色々聞いて知ってる…いまさら探索することもない。
彼女もなにか考えてそうで、知りたいことでもできたんだろう
そんな彼女の様子を観ながら、ため息が出た。
「俺さ、お前の事がすっげぇー嫌いだ」
そう言うと困惑した瞳が下から覗き込み彼女に抱いていた嫌悪感がさらに増す。
「あんなに俺と父さんを見比べてたのに、やっぱ俺と目を合わせるんだな?」
そう嘲笑うかのように言うと今度は俯き何も言わない。
その態度が余計に癇に障る。
「テレパシー使えんだから、なんか言えよ本当めんどくせぇ」
そう言うと彼女からふつふつと怒りを感じた。
すると彼女は堰を切ったように話し出した。
『玄関ホールでの行為は、はしたない行動だったと自分でも思うし、あなたに不快な思いをさせた事も謝るわ! でも髪の色が漆黒でモーガンより綺麗だと思ったし、ジョルジュやモーガンより瞳が宝石の用に綺麗だと思った。顔も凄く整っていて、将来さらに美形になるのかな? って考えたらつい大人になったあなたを想像するのに、あなたとモーガンを見比べてしまっただけよ。不快な気持ちにさせて本当にごめんなさい』
眼が宝石のように綺麗な事も…。
髪が漆黒で綺麗な事も昔友だと思ってたヤツに言われた…。
その瞬間、俺を深い深い闇が襲う……。
こいつもアイツのように、最後は俺を捨てるんだろうな……。
俺はコイツを護らなければならないのに……。
目の前が真っ暗になり。
意識だけが……。
…… 闇へ …… 闇へと落ちていく ……。
ふっと暖かな感覚を覚えて少しずつ意識が浮上してくる。
その正体に目をやると小さな体で俺を抱きしめてる赤子がいた。
声を出して泣くのを必死に我慢しながら俺に謝る…。
助けられない事を謝る……。
その姿に困惑し慌てて下ろし、泣き止ませようとするが泣き止まない。
泣き止まずその様子を見ていたら困ったようなそれでいて赤ちゃんだもんねしょうがないかぁって感情が湧いてきて彼女の涙を拭う。
確かに胸の中に暖かな光を感じて、俺のために泣いてくれている事がただ嬉しくて、泣きそうになり彼女を抱きしめた。
「…八つ当たりだった…っと思う。…君がとても愛されてたから……でも……もう大丈夫…俺のために…ありがとうレティシア」
そうしっかりと俺の意思で彼女の名前を呼んだ。
守らなきゃ、って思うと少し腕に力が入る。
そして彼女を少しだけ離して、小さな体で俺のために泣いてくれた彼女の頭にキスをした。
(君が少しでも幸せでありますよう)
そう願いを込めて。




