※ ルカ side 3
(ッ…痛ってぇ……)
頭に裂けるような激しい痛みを感じて少しずつ目を開ける。
(死にぞこなったのか…)
朦朧とする意識でまだ生きてる事を確認すると、自分を自嘲するかのように自然と乾いた笑いが口から漏れ出した。
目の前がどんどん絶望で黒く塗りつぶされて。
耐え切れず、瞼を閉じて再び意識を手放してした。
…
……
誰だかわからない子供達の夢を見て、懐かしい気持ちになり悲しみが押し寄せた。
そーっと瞼を開けると、頬を伝う涙の感覚に自分が泣いていたのがわかる。
そして、その涙が先程の夢が夢じゃなくて、彼等の記憶なんだと言う事実を教えてくれる。
彼等は、守りたかったのだ愛しいあの子達を…。
彼等は、守りたかったのだあの子達が愛した大地を……。
彼は、彼に約束をした、必ず守り続ける事を………。
ふぅーっと息を吐き、思い出したばかりの感覚で力を行使すると、繋がれていた手足は自由を取り戻す。
流れ出した血を拭い、手足が無事に動く事を確認していると、男が部屋に戻ってきたが、男が声を上げる前に生命力を吸い取る魔法を使う。
そして彼から吸い取った生命力で自分の体を回復していく、すると男はそのまま倒れ込むようにして動かなくなった。
(まだ加減が出来ないな)
そう思いながら男が入ってきた扉からでる、今度は外に向かって歩みを進める。
建物内に、友人の存在を感じ、彼がまだ建物内に居るのがわかったが、それでも構わなかった。
建物の外に出て、背中越しに建物内にいる人達を建物事、闇へと閉じ込め…そして闇に沈めた。
振り返ることもなくその足で家に帰ると屋敷で働く人々と一緒に父さんと祖父が出迎えた。
「「「おかえりなさいませ、ルカ様」」」
「「「継承、おめでとうございます」」」
っと胸に手を当て片膝を着いて出迎えられたが手をひらひらとさせ。
「そんなのいらないから、仕事の話をしようか」
っと一言だけ伝えた。
父さんは俺の方を見ると脅えて、ただ小さくなり震えていたのが逆に滑稽で、彼に近づきそっと耳元で。
『オプスブルの人間なら他者に弱みを見せるな』
っと呟いて祖父と共に書斎へと向かう。
(祖父が俺の力が目覚めたって感じ取ったんだろうな)
六歳の誕生日の翌日。
望まれていなくとも、俺は完全にオプスの頭領をついだ。
知らなかったことが不思議なくらい、家に帰ると色々と知っていた…それを考えれば、拐かされた時に男が言っていた、オプスブルの後継者だから知ってる! っと、言っていた事もその通りだなっと納得した。
フリューネ家の事を守らなければいけないことも理解してる
ヴァルトアールとの繋がりも思い出した。
だが理解していても、その昔に感じたであろう気持ちまで理解ができない。
″ 約束したから ″
理由はただそれだけだ。
父さんが書斎に入ってきて、震える手で祖父がフリューネに行ってる間の報告書を出し、俺はその報告書を手に取り確認する。
その間祖父は、フリューネ家であった出来事を話し一通り聞き終えたあと。
「もういい、疲れた下がれ」
っと告げれば二人共頭を下げて部屋から出ていった。
椅子にもたれかかると、全身の力が抜ける…。
父さんとも祖父ともこんな関係性を望んでたわけじゃない。
鼻がジーンッと熱を持ち腕を目に当て天を仰ぐ。
抑えきれない程に涙が溢れた。




