※ ルカ side 2
それが大きく変わった出来事がある。
幼き頃から遊び常日頃から、本音を語り合える親友と呼べる友がいた。
四つ上だった事もあり兄のように慕っていた所もある。
だが六歳の誕生日を迎えたその日。
友人一家が俺のために誕生日パーティーを開いてくれるという事で家に招かれた、この三年誰も祝ってなどくれなくなった誕生日。
三年前のあの誕生日から、あの家では誰も俺を人間扱いなどしてくれない。
その事があって舞い上がっていたのかもしれない。
それが油断を生んで俺は、友人一家に拐かされた
拐かされた当初は、悪夢でも見てる気分だった。
だが地下室の中で大の大人から何度も殴られ。
「オプスブル家の秘密を話せ!」
「オプスブル家が使ってる隠れ宿はどこにある!」
「オプスブル家の暗号を言え!」
「城の秘密の通路を言え!」
っと幾度も聞かれれば、拐かされた目的がオプスブル家の情報と、あわよくばヴァルトアール帝国の情報を、引き出そうとしている事だと馬鹿にでもわかる。
殴られて聞かれる度に裏家業など知らない! 自分の家は普通に事業を手広くやってるだけだ! 家に帰らせてほしい! お金なら父さんに言えば払ってくれる! と普通の子供のように、やめて!! 家に帰りたい!!! っと泣き叫んだ。
だが彼らからは、幼くてもオプスブル家の嫡男で将来跡取りになる可能性が一番高いのだから、何も知らない訳がないと思ってる事と、彼らに俺を無事に家に返すという意思がないのだと悟った。
嘘偽りなく、当時の俺は秘密の暗号も隠れ宿の存在もそれこそ城の秘密の通路など知らなかった。
なぜならオプスブル家嫡男だからと言う理由だけで、秘密を簡単に教えてくれる優しい家じゃないからだ。
毎日飲まされる毒だって毎日変わる。
そのため、自分で毒の成分をある程度調べ、薬を調合し最悪の場合に備えなければ、命すら落とす危険すらある。
解毒の魔法が使えれば良いが、俺はそんな魔法は使えない。
拷問の鍛錬だって気を抜けば確実に待ってるのは、死だけだ。
魔獣がいる森に突然掘り出された時も誰も来てくれなかった。
魔法の訓練中に突然毒矢が飛んでくた事もある。
あの家は、そういう家だ…常に心休まる暇さえ与えさせてくれず、常に命を狙ってくる。
それなのに家の秘密は何ひとつ教えてなどくれない。
簡単にお前たちの言う家業を引き継げるならとっくの昔に、父さんが引き継いでるよっと嘲笑うかのように鼻で笑った。
「この…ッ! ガキの癖にバカにしやがってッ!」
っと激高した男がそう言いながら腕を振り上げた次の瞬間、頭に強い衝撃を受け俺は、意識を失った。
◇◇◇
真っ暗な世界で母さんを思い出す。
母さんのおなかの中には新しい命が宿ったと聞いた。
その子が産まれれば、本当に両親から俺は捨てられるんだな…。
俺はやっぱ不要な人間で…存在を許されてないんだな…。
このまま死んだら少しは、楽になるのかな?
身体がどんどん冷えていくのがわかる…。
このまま死んでしまいたいと願う程に俺の心は既にボロボロだった。
『少年。まだ死ぬ事は我が許さんぞ約束が違う』
うるさい…。
『我が愛した者達の子孫を守ると約束したのではないか』
うるさい。
『一度も護らずして死ぬと言うのか?』
うるさい…。
『なぁ少年、このままお前が死ねなら…お前の一族諸共我の所に連れて行くぞ?』
…は?
闇の中で、パッと顔を上げると…そこに何かいる様だ。
見えないけど居る…。
『少年私がいるのがわかるんだな! 相当我の力を引き継いで産まれてきたようだ』
言ってる意味がわからない…。
『少年よ、力の使い方がわかってないようだな』
誰も教えてくれないのにどう分かれっていうんだ…。
『なるほどな…そうか少年…お前の父が引き継いでないから少年にも伝わらなかったのだな…』
だから意味がわからないって…。
『今、死ぬことは、決して許さぬ!!! 生きろ! そして思い出せ! 鍵は開けてやった! 引き継がれた思い達を思い出せ少年! さすれば自然と力の使い方もわかる』




