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旧作✿現在非公開中  作者: 元・深 夜 現・雪闇影
1章
26/116

レティシアは、やっぱ寂しい

 

「ルカ、きれい?!」


『あぁ、上手にかけてるねレティシア』


 まだミミズのようにしか見えない文字を、レティシアは通信魔道具の向こう側にいるルカに見せつつ、褒められた事が嬉しくて、へへへっとレティシアが照れ笑いする。


 今日、今世で初めてレティシアは、通信魔道具を使った。

 その理由は、少しでもこの映像に映る赤目の少年と話したかったからだ。


 テレパシーが使えない事もあり、レティシアは言葉を選びながら話す。


「あれから、おかあさま、へんなところない!」


『あれから、魔力を覗いてもエディット様に異常が無かったんだね?』


「うん! げんき!」


『そっか、それなら良かったよ』


 嬉しそうにレティシアがそう答えると、ルカも安心した表情をする。


「ルカ、つぎごえーできる」


『エディット様が許可したの?』


「うん!」


『そっか……』


「ルカ、うれしくない?」


 少し視線を落としたルカに対し、レティシアが不安そうな表情を浮かべながら聞くと、ルカは眉を下げてどこか寂しそうな眼をした。


『いや…嬉しいよ? ただ…次も呼び出されたからと言って行けるかわからない。一応、次の誕生日って考えてるけど…正直…今の状況じゃわからないんだ…』


「やしき、きていい!」


『…レティシア…嫌だと思うんだけどさ? 赤ちゃん言葉使ってもいいから、もうちょっとなんでそうなったか理由まで話してくれると、俺すごく助かるんだけど』

「いや!」


 ルカが困ったような表情をしながら、レティシアにそう伝えるが、赤ちゃん言葉は使いたくないようで間を置かずにレティシアは断った。


(むりむりむり! 恥ずかしいんだってば! 中身何歳だと思ってるのよ!)


『はぁ……嫌なのは、わかってて俺お願いしてるんだけど……所で何書いてるの?』


 そう聞かれレティシアは、大きく紙に書いていた文字をルカに見せる。



 『 ルカのばーーか 』



『レティシアはすぐ、俺に対してバカって言うよね』


 っとクスクス笑い出すルカの様子を見て、レティシアは距離を感じてまた少しだけ寂しさを感じる


「るか……」


『んー?』


「たいへん?」


『あー…、半月近く留守にしてたからそれなりにね。なんか気になる事でもあった?』


 不安そうなそれでいて、落ち込んだような顔をして聞いてきたレティシアに対し、ルカはそう答えるとレティシアの様子を伺う。


「んーん…」


(時間があったら来てって今のルカには、言えない…)


『…レティシア? やっぱなんかあった? どうした?』


「……ひとり、…ひま」


 やっぱなんかあったのかと、心配そうに聞いてくるルカに対しレティシアは、それだけ答えた。


『…そっか……ねぇ…レティシア……今すぐは無理でも、また会えるよ』


 映像の向こうでルカが優しく微笑むみながらそう言った。

 近くにいたならきっと今頃レティシアの頭を撫でてくれたのだろう…そんないつもの優しい微笑みだった。


「うん…」


 レティシアは、鼻がツーンっと痛くなり視界の端に涙が姿をみせ喉の奥が痛くなるように感じる。


(全部ちゃんと伝えなくても、わかってくれるんだ…嬉しくて泣きそうッ)


 レティシアの様子を見ていたルカは、少し困ったような表情をしつつも、優しい眼でレティシアを見つめると。


『ねぇ。レティシア、暇なら俺に手紙書いてよ。こうして見せてくれるのもいいけど手紙も欲しいかな? そうすれ』「ない。……」


 ルカが全てをいい切る前に、被せるようにレティシアが言う


『……うん。…手紙は書かないんだね……』


「うん…かかない…」


『それはそれは、残念だ…』


 やれやれっと言った表情をしながらも、本当に残念そうにルカが言う。


 ルカの方から扉をノックする音が聞こえると、一瞬ルカは扉の方へと振り返り、またすぐにレティシアの方を見た。


『ごめんレティシアまたね。多分時間的に仕事の話だと思うから切るね』


「うん! またね。ルカ」



 レティシアがそう言い終えるとルカは通信を切った。




 レティシアはさっきまで映ってた場所を眺めてると、また少しだけさみしい気持ちになった。


(一緒にいた時間長かったもんねぇ…やる事全部護衛と一緒って言うより友達とか、お兄ちゃんとずっと一緒って感じだったもん…)


 レティシアはそう思い、ふぅ…っと一息吐き出すと、泣き出しそうになる気持ちを落ち着かせながら、いつもの日課の準備をする。


(永遠に別れたわけじゃない、寂しいからと言っていつもやってる事を、やらない訳にはいかない…)


 ふっと手を止めたレティシアは、また映像が映っていた場所をチラッと一瞬だけ見ると、いつものように宝石に魔力を溜め始めた。


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