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旧作✿現在非公開中  作者: 元・深 夜 現・雪闇影
1章
23/116

気持ちの問題

 

 ダニエルが帝都に帰って数日、ルカとモーガンは、まだフリューネ家の邸宅に滞在していた。

 レティシアは初日以降モーガンとは、たまに顔を合わせる程度だったが、ルカがいるとモーガンはそそくさと逃げていくことが多かった。


 先程も散歩の途中でレティシア達は、モーガンと会ったが彼はルカがいるの確認すると、避けるように逃げてしまった。


「父さんは俺が怖いんだよ、口に出さないだけで…俺が6歳の頃からずっとあんな感じ…、母さんが妊娠してからは、常に俺の反感を買わないように立ち回ってるし…弟が産まれてからは、屋敷内で俺が弟と会わないようにしてるよ。

 俺だって正当な理由もなく、弟を殺したりなんてしないのにな」


 っと散歩の帰り道、一歩先を歩くルカが呆れるようにそれでいて、どこか寂しそうな雰囲気をさせながらレティシアにそう話した。


(まぁ親子の形なんてそれぞれだし…無条件で愛が芽生えるわけでも続くもんでもないしね…)


 レティシアはそう思い、空へと視線を移す…


(この世界では、お母様に恵まれた…こんな子供ぽくない私でも愛してくれる…でも多分、過去のお母さん達も、私がおなかにいた頃は、愛そうとしてくれてたのかもね……)


 まだ冷たい風がレティシアを優しく包み込むように吹くと、微かに風に乗って花たちの香りをレティシアは、感じた。



「なーに辛気くさい顔してんだよ」


 そう言いながらルカがレティシアを抱き上げるとレティシアはルカの首に腕を回し、彼をギュッと抱きしめる。

 ルカはそのままレティシアの背中をポンポンっとたたきながら、そのまま散歩から帰った。



 ◇◇◇



 ダニエルがレティシアの部屋を尋ねてきた日から、レティシアはいろいろと考えたが、考えがまとまらずにいる。


(お父様はお金には困ってる…でも初日のあれ以来、帰る日までお母様にお金の要求をしていない……石が壊れやすく壊れる可能性があると分かっててお母様に渡した事…そして私に接触しようとしていた事…)


「はぁー…」


 レティシアは本を広げながら深いため息が漏れる。


(仮にもし、付与術が指輪にかけられていたのならば、指輪を外した時点で効果はない。一度魔力を流すか身に付けるのが付与の発動条件…あの石に魔力が込められていたのなら付与の発動条件は整うけど、でもそれなら、その時に何かしらの効果を発動していた事になる…けどあの後もお母様に異常は見受けられない…)


 レティシアは、あれから付与術の本を手当り次第に読んではいるものの、ここでは欲しい情報が手に入らない、過去の記憶を探しても見つからない…レティシアが頭をガシガシかくと。

 ルカは、そんなレティシアの手を掴んで辞めさせると、変わりに頭を頭を撫でた。


「あんまり、考えてイライラすると肌に悪いんだよ小さなレディー」


『分かってるよ…でも考えても分からないんだよ…』


 そうルカに言われたレティシアは、視線を本からルカへと移してそう答えた。


「…そっか…」


『ねぇ、ルカ』


「んー?」


『ところで結局ルカは、なんの頭領なのか教えてくれないの?』


「…はぁ……前にも言ったけど、まだ言えないんだよ…レティシアが俺を専属騎士にしてくれたら話すよ」


『…秘密は秘密のままね……わかったわ、ありがとう』


(無条件で教えてくれるわけじゃないって事ね。

 そういえば、この世界にもギルドはあったよね? なら情報ギルドとかもないかしら?)


『所でギルドってあるじゃない? どんな感じか聞いてもいい?』


「…あぁ…依頼主と仕事を請負う人の中間に居るのがギルドだよ。

 主に魔物の討伐とか護衛をする依頼が多いけど、雑用も多いよ。そもそも帝国の管轄じゃないから騎士団がいる貴族は、魔物の大量発生の時や手が足りない時以外あんまり使わない。

 使う事が多いのは、騎士団が居ない所や庶民が多いかな?」


『…帝国の管轄じゃないなら、情報を専門に取り扱ってる所もあるのね…』


 そうレティシアは呟きながら顎に手を置き考える


「お前、何考えてる?」


『いや? 別にたいした事じゃないよ?』


 レティシアはコテンッと首を傾げてそう言うと、ルカは眉をひそめた。


「言ってみろよ」


『何も教えてくれないルカに対して、これ以上私も言う必要ないと思うけど? お父様なら帝都に帰ったし』


「んじゃ、他に誰に言うんだよ」


 やや不機嫌そうにルカがそう言うと、レティシア本に視線を戻して話を続けた。


『それこそルカには関係ない。ルカは今回私の護衛をしただけ、ギルドなら依頼は完了したし依頼主のアレコレを聞くもんでもないでしょ』


「…レティシアが怒っても何も教えられない」


『うん? 別にそれは気にしてないし、私は怒ってなんかない、私そこまで器が小さくないよ?』


「じゃ!」


『関係ないと思ったから言う必要性を感じないだけ、ルカの事は信用してるけど、だからと言って無条件で自分の情報だけを相手に渡すほど、私も無防備な人じゃないの』


「……」


 そう言ってレティシアは本を閉じ、少しだけ早いが食堂へと向かう事にした。


「…秘密を言ったら…俺が聞いた事には、ちゃんと答えてくれるのか?」


 ルカは弱々しく呟くようにそう言うが、レティシアはそれを気にしなかった。


『それもない、必要だと思えば話すし不要だと感じたら言わないよ』


 レティシアはそこから立ち上がると『鍵、閉めてね』っとルカに鍵を手渡し一人で書庫を後にした。


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