言えない事…
レティシアはいつも夕飯の後に、エディットとお茶を飲むが、ルカがフリューネ家の屋敷に着いたばかりで、荷物の整理がしたいだろうと思い、レティシアは気を利かせてそのままレティシアの部屋へとやってきた。
部屋に着いたルカは、レティシアの部屋をキョロキョロと見渡した。
「へぇー。思ってたより幼くない部屋なんだね。女の子なのに思ってたよりぬいぐるみ系も少ない」
『あんまり好きじゃないの、ぬいぐるみで遊んだりしないし、でも可愛いものは好きだよ?』
「ふぅ〜ん。少しだけいろいろと確認してもいい?」
『ご自由にどうぞ』
そんなやり取りをした後、ルカはベッドにレティシアを下ろし衣装部屋の中や宝石類を確認していく。
だが宝石を確認していたルカの手が止まると、ルカが怪訝そうな顔をして振り返った。
「ねぇ? なんで偽物の宝石があるの? エディット様は、偽物と本物の区別がつかない様な人じゃないと、俺は思うんだけど?」
っと言いながらレティシアが作ったダミーの宝石を持ってゆらゆら揺らしている
(なんで? そんなに簡単に見分けつかないはずなのに…)
「…」
レティシアが教えるか教えないかで思い悩んでいると、その様子を見てルカは続けた。
「黙ってるって事は、言えないもしくは、まだ言いたくないって事なんだね? 別にいいけど、俺が滞在してる期間だけは、悪いけど本物と偽物を摩り替えたら教えてほしいかなぁ? そうすれば、仮にレティシア以外が摩り替えたらわかるからさ、一応違うものが混じってる事に、気が付いたらレティシアに聞くけど」
そう言ってルカは、レティシアから視線を外しまた宝石類に目を戻す。
ひととおり部屋のソファーやベッドといった家具の裏といった、隅々まで確認し終えると今度は、鞄を広げてレティシアの衣装部屋に自分の服を入れていく。
「あれ? 入れちゃってよかったんだよね?」
『うん。後は他の部屋にしかないしルカも朝は、ここで着替えるんでしょ?』
「あー…、一応レティシアが着替える時、部屋から出て着替えるよ? レディーなんでしょ?」
っといたずらっ子のような笑みでルカが聞いてくる。
『そうよ! 私はレディーよ! だから着替える時だけは、部屋の外に出てってよね!!』
「ぁははは! 可愛いねレティシア」
そう言いながらルカはエディットの前にまで来ると跪いてレティシアの手をとる。
「ねぇ…レティシア…それなら寝る時はどうする? 一緒に寝る…?」
赤い瞳が熱を持ったように揺らめき、魅惑的な瞳で見つめてくる、その姿に耳が染まるのを感じ、レティシアは後ろへと後ずさった。
今度は、その様子に声を出してまるで転がるようにルカが笑う。
『からかわないでよ!!!』
「ぁあ〜! レティシアは本当に面白い、笑いすぎて涙が出てきちゃったよ」
『笑うところじゃないし! こんな子供をからかう事じゃないでしょ!』
「うんうん。そうだね…あははは!」
『ルカなんて知らない! ソファーで寝ればいいよ!!』
「うん。そうするよ、隣に寝たら思い出して笑って寝れなくなりそうだから… もう遅いし、湯を浴びてておいでレティシア」
っとまだ笑いながらレティシアの頭を撫でてから、ルカは部屋を出ていった。
そこへルカと入れ替わるようにアンナが部屋へとやってきた。
レティシアがゆっくり湯を浴びさっぱりした後、ルカが部屋へと戻ってくると、アンナはルカを見ると、静かにお辞儀をし慌てて部屋を出ていった。
ルカはその様子になにか思う事があったのか、そっとレティシアの髪を触りながら冷たい視線を扉の方へと向けながら。
「髪の毛、乾かしてないんだな」
っと言いながらレティシアの髪の毛に視線を戻し、魔法を使って髪の毛を乾かした。
『いつもは、乾かしてくれるんだけどね』
「ふーん? なら俺がいるからじゃない??? 俺が部屋に帰ってきて慌てて出ていったし… まっいいよ、別に俺がやるし! さて…と… そろそろお姫様は寝る時間です。
おやすみ前の子守唄か絵本のご希望はございますか??」
っと首をかしげならかニヤッと笑う。
(そうやってまたからかう…)
『ないよ! ……ねぇルカ…頭領ってどういう事?』
レティシアは、疑問に思ってた事を彼に聞く。
ルカもレティシアが質問をする事をわかってて、あえてレティシアをからかって、その話題が出ないようにしていたのであろう。
『別に言いたくないなら、いいよ? 私もさっき、言わなかったし』
「ごめんね。まだレティシアにもエディット様にも言えないんだ」
そう言うと気まずそうにルカが目を伏せる。
『うん、わかった…、いつか教えてくれるってことでしょ? それなら全然いいよ! おやすみなさい…ルカ』
「うん、いつか言える時が来たらね。おやすみレティシア」
そう言って私は布団に入り、ルカはソファーへ横になった。
( やっぱ教えてくれないか… とりあえず鍛錬は少しの間お休みかな?)
そう考えながら、レティシアは眠りについた




