第12.5話 ヒロイン候補(元)
若干、下ネタ入ります。
「――そういえば、オマエ、パーティ入ったんだって?」
銭湯に向かっている途中、タイトがそう尋ねてきた。
「うん。オルティス達のパーティ」
「どうやって入ったんだ?」
「……正直に、全部言ったよ。俺は弱くて、何もできないよって。そしたら、まさかのオッケーもらったんだ」
「何回断られたんだ?」
「……四十回くらい」
「たった四十回かよ。それじゃあ、まだまだオレには届かねえな、凡人以下のクソ雑魚さんよ」
「おい、俺今日誕生日だぞ。その言い方はないだろ。てか、なんか奢れや」
「いやぁ、悪いな。また今度盛大に祝ってやるから、それまで死ぬなよ?」
「死なねぇよ。死にたくねぇもん」
俺が死ぬわけがない。
俺には多分、主人公補正があるから、たとえここにいる全員が死のうが、俺だけは生きているだろうな。
そうこうしているうちに、街の銭湯に着いた。
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「マヒト、オマエ……小っせえぇぇ!」
俺のムスコを見たタイトが、大きく口を開いてそう言った。
「うう、うるせぇよ!じろじろ見んな!」
俺は慌ててムスコを手で覆い隠す。
「マヒト、それはヤバいぜ」
「お前だって別にでかくはねぇだろ!?」
そう。そうやって人のことをバカにする奴は大体――、
「――え、でか」
タイトの股には、随分と立派なものがついていた。
「いや、オレは普通だから」
「おおお、俺にはまだ他の奴らが――」
俺にはまだ友達がいるのだ。今日は仲間だってできた。
タイトは……確かにまあまあな大きさだったが、ファールやウドルはそこまで……、
「でか……。え、なんでそんなみんなしてでかいもん持ってんだよ!小さい頃からトレーニングでもしてんのか!?」
「は?これがオレ達の普通だ。オマエが小さすぎるだけ……ブフッ」
「笑ってんじゃねぇよ!
俺はな、戦闘モードになると結構でかくなるんだよ。
だから、通常モードは気にしてねぇんだよ!」
「だってよ。みんな、どう思う?」
タイトがそう言って、後ろで身体を洗っていたオルティスやアゼル、ファールを見た。
「マヒト、嘘はいいから。オレ達はもうわかってる。……無理すんな」
ウドルが笑いを堪えながらそう言った。
「大事なのはテクニックだらね。……うん」
気まずそうな顔でファールがそう言った。
「縦よりも横って言うしな。……ああ」
ニヤけながらアゼルがそう言った。
「量も大事だぜ。……だぜ」
申し訳なさそうな顔で、オルティスがそう言った。
「全員、最後に心配そうな顔になるのやめろよ!」
何なんだこいつら。
全員外国人並みのでかさだ。
通常でこれはいくらなんでもおかしい。
「――あ、そういえば、セラも来るらしいぜ」
湯船に浸かっていると、隣にいたタイトがそう言ってきた。
「セラが……?女性陣も来てるのか?」
「ん?ああ、来てるぜ。いやー、覗きてー」
「それな。リリアとかサリーとか絶対いい身体してるぜぇ」
タイトとアゼルがそんな話で盛り上がっている。
「セラ達に殺されるぞ。やめとけ」
殺されるだけじゃない。
警察を呼ばれて俺達が捕まるんだ。
もうあんな目にはあいたくない。
だからタイト、今日は――、
「ん……?なんで、セラに殺されるんだ?」
「は?いや、だってそういうもんだろ」
誰だって異性から裸を見られるのは嫌なはずだ。
俺だって嫌だし。
セラ達が特殊な性癖でも持ってない限りの話だが。
「何言って――」
「――あれ、みんなもう入ってたの?」
浴場の入り口から、そんな声が聞こえた。
あれ、この声聞いたことがある。
というか、聞き慣れた声だ。
……確か、同じ仕事してる奴の声に似て――。
「――なあ、ここって混浴だったっけ?」
俺の隣で湯船に浸かって眠そうにしているオルティスにそう尋ねた。
「何言ってんだ、オマエ。男湯に決まってんだろ」
俺はゆっくりと後ろへ振り返る。
身体が震えている。それもかなり。
タイトやゴブリンと戦った時とは違う、別の震えだ。
見たくない、知りたくない。けど、確認しなければならない。
謎の義務感と使命感が、俺を突き動かしている。
これは間違いだ。
間違いでなければならない。
間違えであってくれ。
「どうしたの?マヒト」
そこには、そこには――、
――大きなイチモツを股の間にぶら下げた、セラの姿があった。
「おい、マヒトが気絶したぞ」
「のぼせたんじゃねえの?」
「おーい、誰か上げてやれ」
「なあ、どうせならここの奴ら全員にコイツの小ささを見せてやろうぜ」
「ははーん。いいな、それ」
この後、俺のムスコの話で一週間盛り上がった。
活動報告に第1章の振り返りや今後のことについて書いています。
よかったら、是非。




