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05話 時はふたたび戻る 剣と崖との狭間で

 ようやく事前の設定なんか説明し終えたので、一話の続きに戻ります。

 それから、俺達は急速に聖女エルフィリア様と仲良くなっていった。

 何故か、とくに俺はエルフィリア様に気に入られたらしい。

 俺の見張り番の夜には、エルフィリア様は夜中に必ず来て、故郷の話をしたりなんかもした。


 もっともメッシーナさんは懸念して、俺に彼女に特別な感情は持たないよう再三注意してきた。

 俺も兄ジョゼフの件があるため、恋愛感情になりそうな心は鋼の自制心でおさえてきた。

 しかし、そんな努力も水の泡だった。


 『いい女にはヤバイ男がついている』


 そんな言葉があるのに、何でエルフィリア様とのつき合いを拒絶できなかったんだろうな。

 いつの間にか、エルフィリア様のことは勇者パーティーの連中に知られてしまっていた。


 そしてサイコパス勇者の目には、俺がエルフィリア様とイチャついているように見えたらしい。

 この夜、崖際に立たされ、勇者パーティー全員に囲まれ地獄へ追放の危機。

 されどそこにエルフィリア様がきて、俺を助けに来てくれたかと思いきや。


 「心から愛します。シーザを!」


 と、ブッ飛んだセリフを言って勇者様をさらに激怒させた。

 勇者は空へ高く高くジャンプしたあと。

 天の(いかづち)にも等しい【勇者獄殺剣】を俺に振り下ろしてきた!



 「ダメだ、死んだぁーーっ!!」


 ドンッ


 (エルフィリア様?)


 いつの間にかエルフィリア様が俺を背に、勇者シェインの前に立ち塞がった。


 「万敵防ぐ女神の盾よ。わが前に! 【白の障壁ホワイテッド・ウォール】!!」


 するとエルフィリア様の前に白い光の障壁が現れ、シェインの剣を受けとめた!

 二つのS級スキルはぶつかり響き合う!


 「エ……ルフィリアァァ! その下民をかばうか!!」


 エルフィリア様はシェインの剣を受け止めつつ、小さな声で後ろの俺に言った。


 「飛びなさい、シーザ」


 「はい?」


 今、エルフィリア様らしくない言葉が出たような?

 そう思ったのも一瞬。それどころじゃないことをしてきた。

 エルフィリア様は、背負っているリュックで俺をグイグイ押して(何でそれ背負っているの?)、俺を崖から突き落とそうとしてきたのだ!


 「わっ、わああっ! エ、エルフィリア様、やめて!」


 前はシェインの勇者獄殺剣。されど、俺の真後ろは絶壁の崖!

 なのに、エルフィリア様はかまわずグイグイ押し込んでくる!!

 と、シェインはいきなり剣をひいた。


 「………ちっ、やむを得ん。このままではそなたも落ちる」


 そして剣をおろし、そのまま後ずさった。

 それに合わせ、エルフィリア様も俺を押すのをやめた。

 

 「……助かった……のか?」


 「バカですね。油断させてドン!、というよくある手ですよ。シーザ。あなたの生存ルートはただ一つ」


 エルフィリア様はクルリ俺に向き合うと、飛びかかってキスをしてきた!?


 (何が起こった!?)


 口元の柔らかい感触に腰から力が抜ける俺。


 「なっ!? エルフィリア、そなた!!」

 「エ、エルフィリア様がそんな!? あんな下民と!!」

 「ぐわああああっ、呪われろ愚民んんんん!!!」


 シェインと勇者パーティーどもの悲鳴が響くなか。

 またしてもエルフィリア様は俺を崖に押し込んだ!

 

 「うっ、わああああああ?!!!」


 一瞬、体が浮き上がるような感触を覚えると。

 エルフィリア様に抱きつかれながら、体は急降下してゆく。


 (エルフィリア様ってば、俺の死神!!?)



 「エルフィリアァァーーッ 何故(なぜ)だぁぁぁぁぁっ!!!」



 勇者シェインの叫びが響き渡る中。


 俺達は抱き合いながら、深く深く崖から落ちていった――――




 



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