表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深海の復讐者  作者: 神月深夜
1/1

プロローグー前編ー

一応異世界ものですが、プロローグ前後編は異世界ものらしからぬ感じなのでご了承ください

 水。それは人類にとって最も身近な液体であり、すべての生命体にとって必要不可欠な物質である。

だが時に水は、突然として我が身を襲う厄災となり得るだろう。


――――――――


ここは某県某所にある高等学校。程々の都市部に位置し、程々の偏差値で入学できる、極一般的な高等学校である。

 そんな高校の放課後。授業は終わり、皆部活動に励むか、帰路に着く等している最中、彼、碓氷 水都(うすい みなと)は未だ教室に残っていた。無論、居残りである。

 彼はふと窓の外を眺め、プリントの提出が面倒だからか、一雨きそうな空模様だからか大きな溜息をついた。


憂鬱だ。

 最近は滅多に感じることがなくなった感情が再び芽生える。高校に入学してすぐの時は頻繁に感じていた感情。

異性とのお付き合いだとか、部活動だとか、友情だとか…所謂『青春』とやらに無縁なせいなのか。

明るく陽気な感情よりも、暗く陰鬱とした感情を多く持つようになっていたのは確かだった。


「お前さぁ。もっと明るく考えようぜ!いいか?青春ってゆうのはな?あの時は楽しかったー。だとか、俺たちバカみたいなことしてたなー。とか、まぁようは未来から見た過去!つまり、『今』楽しめばそれは自ずと未来のお前から見たら青春になるんだ!」

と、水都の前の席の時田 佑磨(ときた ゆうま)は言 う。


別に青春に興味はなかったが、陰鬱な感情が消えるのならばと、時田の口車に乗せられる事にした水都。


その日からは時田経由ではあるが、クラスのヤツらと打ち解けられたような気がした。心の中が満たされて行くような気がしていた。陰鬱な感情を心の奥底へと押しやることが出来るくらいには……。


だが、楽しかったか?青春だったか?と問われれば未来の彼はきっと答えることは出来ないだろう。

彼の心の中に満ちている幸福感はきっと虚構なのだから……。


水都は考えていたことを取り払うかのように首を左右に振り、プリントの空白部分を埋めて行った。





若干キリが良さげなのでここで前後編分けさせていただきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ