エピソード1~鏡の前にいる俺は美少女でした~
「あんた誰って…何言ってんの母さん?」
「本当に頭おかしくなっちゃったの?」
「さっきから意味不明な事言ってて真面目に怖いんだけど…」
母さんは数秒黙った後、苛立った様子でこう俺に言った。
「意味不明な事を言ってるのは貴方のほうよ!」
「母さん?私は貴方の母親じゃないわ!」
「私の息子みたいな立ち振る舞いしないでよ!」
母さんのこんなに怒鳴った声初めて聞いた…
母さんには本当に俺が別の誰かに見えているのか?
「何言ってんだよ!いきなり大きな声出して…」
「夏樹だよ! 香乃宮 夏樹!」
「自分の息子の顔も忘れちまったのか!?」
俺もこれ以上、母の冗談に付き合いきれず、真面目な顔で反論した。
すると母は「もう疲れた」と言わんばかりの顔で、ため息混じりにこういった。
「貴方が夏樹? 冗談もいい加減にしてよ」
「だって貴方…どこからどう見たって、『女の子』じゃない!」
は? 今この人なんて言った?
女の子? 俺が?えっ意味わかんない 意味わかんない。
どう見たら俺が女の子に見えんだよ!
目まで逝っちまったか?
「俺が女の子に見えるだって?」
「母さんこそ、冗談いい加減にしてくれよ!」
ごめん母さん。理解不能だ。本当に意味がわからない。
俺が初めて声を荒げると、とうとう母の堪忍袋の緒が切れたらしい。
さっきよりも大きく、近所に聞こえるのではないかと言うくらいの声で最後の怒鳴り声を上げた。
「そこまで言うなら鏡で自分の顔を見てこればいいじゃない!」
この怒鳴り声で母の言っている事が冗談では無いのだなと確信した。
母の顔は本気で物事を言っている顔だった。
本当に母の言っている通り、自分の顔が変わっているのだとしたら?
急に怖くなって、半信半疑ながらも、俺は洗面台の鏡の前へと走った。
鏡の前に映っていたそいつは俺ではない事は明らかだった。
そしてどこからどう見ても男ですらなかった。
俺は鏡の前に映っているその少女に一目惚れだった。16歳ぐらいだろうか。
二次元にしか興味のない俺が三次元の女の子を見て初めて可愛いと思えた。
ショートボブのよく似合う優しそうなその少女が俺であるという事を、現実として受け入れる事が出来なかった。
「嘘だろ…これが俺?」
脳が追いつかない。
訳がわからない。
これが俺?いやいや、そんな事あるはずがない。
きっと疲れてるんだ。多分、美少女ゲームのやり過ぎだ。
脳が勝手な妄想を描いてるんだ。
一回、目を閉じて深呼吸しよう
これは夢か何かだ。あり得るはずがない。
深呼吸して目を開けた。
鏡の前に映っていたのは俺ではなく、その少女だった。
一旦、鏡の前の少女を見つめてみた。
顔の可愛さばかりに気を取られていたが、肌も雪の様に白くて、すごく綺麗だった。
腕も細くて、足はすらっとしていて美しかった。
俺は自分の腕と見比べてみた。
俺の腕も雪の様に白かった。
えっマジで?
俺の肌 白っ!えっ完全に女子の肌じゃん!
ヤバイ やばい ヤバイ やばい!!!
自分の肌が白くなっている? なら…
俺は重大な事に気付いてしまった!
おっぱい揉めんじゃね?
俺は即座に鏡の前の少女の胸を見た。
結構、胸あるじゃん!
Dカップくらいだろうか…
次に俺は自分の胸を見た。
ある!2つの膨らみが!
だから体が重く感じたのか…
パジャマ一枚しか着てないからわかる!
この女の子の見た目からしたら結構でかい方だぞ!
俺は多分、人生で一番興奮していたんだと思う。
おっぱいを直で揉みたいという、知的好奇心は止められるはずがなかった。
俺はパジャマの下から自分のおっぱいをそっと触った。
や、やわらかいっ!
指が埋もれる様なこの感じ!
お前らすまない!俺はまた一歩大人の階段を登っちまったぜ…
急に涙が出てきた…
彼女なんて出来ないだろうと思ってたけど、まさかおっぱいが揉めるなんて…
ありがたやー ありがたやー
あと30分ぐらい揉めそうだよ…
おっと こんな事をしている場合では無かった。
恐るべし俺の胸!
次に俺は試しに左手を挙げてみた。
鏡の前の少女も左手を挙げた。
口を大きく開いてみた。
鏡の前の少女も大きく口を開けた。
その後も何度も何度も手や足 顔などを動かした。
その少女は俺のやった動きと全て同じ動きをした。
俺のやっている動きに連動している!?
そこまでやってやっと脳が追いついて来た。
だがこんな事って…
でも、そう考えざるを得なかった。
その少女が自分であるという事を。
本当はもっと先まで書く予定だったが、結構長くなってしまったのでここまでにしときます。
次は1週間後ぐらいになりそうです。学校に行くところまでやりたいな…
アンチコメでもいいんでコメント下さい。