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〜プロローグ〜

初投稿です。まだ初心者ですので、是非アドバイスなどをして頂けると幸いです。

基本的に、週末投稿したいと思います。

ここは、地球とは別の世界。


ここは様々な種族が存在している世界。


様々な種族が存在するため、争いが絶えることは無い。


そして今、この世界では戦争が起きていた。


全種族を巻き込む大規模な戦争であった。


この戦争により、各々の種族で多大な被害が出ていた。


そしてもう一つ、影響が出ていた。


それは、種族ごとの被害に比べれば無いに等しい程の小さな歪み。


しかしその歪みは、地球に住むとある男の人生に大きく影響することになる。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜







 俺は今、警察に追われている。指名手配犯としてだ。どうしてかって? それは、俺が殺人現場に運悪く居合わせてしまったからだ。






 三日前、俺は夜中にコンビニに向かっていた。今思えばそこから俺の選択は間違えていたのかもしれない。まあ、無性にラーメンが食べたくなって家から飛び出した俺を止めるのは無理だったと思うけどね。

 コンビニへ向かう途中、口論している男二人がいた。普段なら素通りするのだが、ここは狭い路地。二人を無視して通れるスペースなど無い。回り道して行くにも時間がかかる。夜中だし、そんなに時間はかからないだろうと思い、二人がいなくなるまで待つことにした。




 10分くらい経っただろうか。これなら回り道した方が良かったかもしれない。急がば回れとはよく言ったものだ。そんなことを考えながら、路地を覗いてみる。


 結果から言うと、二人はまだいた。そこは変わっていない。しかし、1人はナイフを取り出していた。しかもそのナイフは、もう1人の男に突き刺さる寸前であった。イヤホンで音楽を聴いていたため、そんなことになっているとは思ってもいなかった。


 イヤホンを外した耳に男の断末魔が聴こえてきた。刺した方の男は、路地の奥へと逃げていく。呆然としていた俺は、我に返った。刺された男の方に急いで駆け寄る。


 「大丈夫ですか!?」


 「う、うぅ……」


 かろうじてまだ、生きてはいるみたいだ。



 ファン ファン ファン ……


 サイレン?しかも、これはパトカーの音か?音はどんどんこっちに近づいて来ている。誰かが呼んだのか?

 いや、そんなはずはない。この路地の近くに民家などは無い。まあ、どのみち呼ばなければならなかったのだ。これはこれで好都合だ。


 ともかく救急車だ。とりあえず電話を掛けようとしたその時、男がいきなり俺の手を掴んだ。そして、自身に刺さっていたナイフを握らせた。そして、そのまま更に深く突き刺さした。

 俺の意思では無い。今、目の前にいる男の意思でこのナイフは動いてる。嫌な感触が伝わってくる。それに対する嫌悪感と男の行動に対する疑問が、俺の頭の中を埋め尽くしていった。





 体感的にはかなり長い時間が経ったような気がする。だが、実際は1分も経ってないのだろう。その間、男の手は俺の手を固く握り締めて離さなかった。男の心臓にはナイフが深く刺さり、その機能は停止している。





 今の俺は、自分でも驚くほど落ち着いている。サイレンの音はすぐそこまで近づいてきている。俺は大して良くも無い頭をフル回転させて、今のこの状況を客観的に考える。


 ここは夜中の狭い路地、1人はナイフで刺されて死んでおり、そのナイフには俺の指紋がべったりと付いている。真犯人である、あの男の存在を知っているのは俺だけだ。周りに目撃者もいない……。頭をフル回転させるまでもなく、これじゃ俺が犯人だな。つまり、さっきまで好都合だと思っていたパトカーは、圧倒的なまでに不都合な存在となった。




 …………。




 これは、とりあえず逃げた方がいいな。どうせ本当のことを話しても、署までご同行願います、って言われるのがオチだ。死体をそのまま放置しておくのは忍びないが、今は致し方ない。俺は脱兎のごとく逃げ出した。











--そして、今に至る。


 あの日からもう3日というべきか、まだ3日というべきか……。この3日で分かったことは日本の警察は優秀だということだけだ。今朝の新聞には、俺の顔写真と「梵 悠斗(そよぎ ゆうと)」という本名や職業が載っていた。ご丁寧に、俺の高校生だったときのイメージまで書いてある。


 なになに?『彼は病弱で内気な性格だったため、人との関わりがあまり無い生徒でした』か。




 ええ、確かに内気でしたよ。けど、病弱なんかでは無かったぞ。むしろ皆勤賞取るくらい健康体だったのだ。え?べ、別に存在感が薄くて、出欠を取るときに忘れられてたわけではないよ?



 いいさ、俺は過去にとらわれない男。大事なのは今だ。しかし、その今の俺が殺人の罪を着せられているとは……。過去の俺も教室の隅で泣いているだろう。




 新聞を読み終えた俺は、周りを見渡す。ここは駅のホームだ。ホームには電車を待つ人が数人居た。5メートルくらい先に、ベビーカーに乗った赤ん坊とその母親が電車を待っていた。




 それだけならば、特に違和感は無いはず…………だった。



 ベビーカーが少しずつ動いていた。




 何故だ?





 ……!そうか、排水のために、ホームの床に勾配があるのか!


 母親は、スマホを見ていて気づいていない。


 このままだと線路に落ちてしまう!


 マズイ、すぐそこまで電車が来ている。



 しかも、よりによって快速列車かよ!?


 俺は走り出していた。やっと気づいた母親がベビーカーに手を伸ばそうとしている。けれど女性の力では、踏ん張りが利かずに一緒に落ちてしまうだろう。俺は母親を突き飛ばし、ベビーカーを掴む。手荒な事をしてしまって、その母親には申し訳なかったが死ぬよりはマシだろう。


 ベビーカーを引き寄せる、その反動で俺の体は前に出る。空中で俺はなんとか後ろを向いた。


 ベビーカーは無事にホームに乗っていた。中の赤ん坊も無事なようだ。くそ!あいつ、いい笑顔しやがって……。母親は泣きながら、必死にベビーカーを掴んでいた。





 最悪だ ……。身の潔白を証明する前に死ぬことになってしまった。



 視界が真っ暗になる。俺の人生、呆気ないものだったな。


 どうしてこんなことになったんだっけ?




 …………。




 そうだ。ラーメンを買いに行こうとしたのが事の始まりだった……。


 ラーメンを買いに行こうとしただけでこんなことになるとは、俺の運悪すぎだろ。


 っていうか、せめてラーメンを食べてから死にたかった……。




 そんな事を考えつつ、俺の意識は途絶えた。




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