Prologue
俺の看板作品は、本当はモンハンじゃなくってこっちの筈だったんですけどね……。でもたぶん、更新は亀で気紛れです。ですが、ほんの少しでも読んで頂けるのならとてつもなく嬉しいです。もし感想なんか頂けちゃうと、それだけ三日間は泣けます。
漆歴三千五百年……。
悲劇の形によほど近い人類の新たなる革新的チカラの根源は、ここで発見された。
地表から数百メートルも潜った、薄暗い洞窟内にある二つの影。松明で照らされたそのうちの一つは、白髪の老人のもの。そしてもう一つは、中年の、中肉中背の男のものだった。
「教授、これは……?」
中年の男が問う。教授と言われた老人の手には、赤い、小さな宝石があった。
「あぁ、間違いない、漸く手に入れたぞ……! これは間違いなく、神々が世界を創造する際に落としたチカラの欠片だ……!」
老人は狂気に程近い、凶悪な笑みを繰り出す。漸く手の届いた、たった一つの強欲を握り締めて……。
二人の足元には、色とりどりの宝石群が広がっていた。見渡す限り一面の色、色、色……。
歩けば擦り合わさりガラスの様な音を奏でる、広い洞窟の床に絨毯の様にバラまかれたこの宝石は、遥か昔、まだ漆歴以前の世界に暮らしていた者達の残した『創世の力の残りカス』だった。
「これさえあれば、我々は神に近付く事が出来る! 人類の、新たなるチカラの開眼によってな!」
「教授が、その新人類の第一人者ですよ!」
……この世界は、荒んでいた。
偏見。差別。迫害。争い。殺戮。奴隷。殺戮。争い……。
そんな醜悪な悪循環が平然とまかり通る様な、醜い世界……。
「くくく……! ははははっ……!」
そしてここには、洞窟に響き渡る老人の醜い高笑いと、人類の革新へ向けて発現する、創世のチカラがあった……。
これは、こんな薄汚れた泥だらけの世界の、ほんの末端部分を切り取った、最大の戦いを綴った物語である……。
「どうか、この美しく醜くい世界に、悠久の光を──」
「『ソラ』へ向けて……」
どうか、あなたが素敵な夢を見られますように……。