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事故

「・・・で、いったい何の用ですか?」

 落ち着きを取り戻した大嗣たいしあいに訊いた。

「散歩だよ~」

「散歩?」

 当然だろと言わんばかりの笑顔を浮かべて会は言ったが大嗣にはよく分からなかった。

「そうだよ!チビの!」

「・・・で、そのチビは?」

「・・・・え?」

 大嗣が分からなかったのはこのことだ。散歩と言うワードから犬のチビの散歩だとなんとなく察しはついていたが、そのチビの姿が見えないのだ。

 そして会の反応を見る限り、チビは今行方不明だ。

「まさか・・・いなくなったのか?」

「・・・・うん」

 会と大嗣は辺りをキョロキョロ見渡してチビを探した。

 そしてずっと先にチビらしき犬が立っているのが見えた。

「お、おいあれじゃないですか?」

「え?た、確かにあれはチビだ!」

 大嗣と会はチビに向かって走り始めた。がその時。

 ブチッ!!

 車がチビを下敷きにして走り去った。

「「あああああああぁぁぁぁぁぁーーーーー」」

 会と大嗣は叫んだ。

 とんでもない瞬間を目撃してしまった。

 二人は恐る恐るその事故現場に近付こうとした。その時。

『ワン!』

 二人の真後ろで犬の鳴き声がした。

「「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー」」

「ってあれ?チビ?」

 二人とも盛大に叫んだが、すぐに会がその鳴き声の主がチビであることに気付いた。

「え・・・?じゃあさっきのは?」

 大嗣は先ほどの事故現場へ向かった。

「な、なんだ・・・ぬいぐるみか」

 さっき車に轢かれたのはチビと毛色の同じ犬のぬいぐるみだった。

 ホッとして大嗣は会の元へと戻っていった。

「きゃぁぁぁチビィィ可愛いな君は~」

 会は先ほどの事故などとっくに忘れた様子でチビを撫でまわしていた。

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