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馬場新

 ・・・あ、あらたさんだ。

 大嗣たいしは新の姿を確認して後ろからそっと近づいた。

「ちわっす!」

「うおっ!?なんだ?」

 大嗣が思っていた通りの反応を新はしてくれた。

「・・・何だ、たいちゃんかびっくりした」

「・・・・・・」

「どうした?」

「・・・・(ブワッ)」

 大嗣の目からは涙が溢れてきた。

「ええええぇぇぇ~!!?何で泣くんだ!?」

「いや・・・すみません。やっと、やぁっと思い通りの反応が見れて」

「なるほど・・・奴らか」

 大嗣の言葉や様子からどんなことがあったのかを新は推測して言った。

「分かるんすか?」

「あぁ・・・女のカンだろ?」

「・・・流石っす」

 あっぱれの一言に尽きる。悟はそう感じた。

「新さんはどういう経緯で彼女たちと付き合うようになったんですか?」

 この彼女と言うのはもちろんあいそら鶴美つるみのことだ。

「ああ、俺と会と空は小学校からの付き合いなんだよ」

「え!?そうなんですか?」

「ああ、まぁその付き合いが今も続いてるって感じだ。俺も部活とか入ろうと思ってなかったからな」

「なるほど、だからあんな叩き合ってるんですね」

「合ってねえよ!一方的に俺がやられてるんだよ」

 そうツッコむ新の表情はとても楽しそうだった。

「楽しそうですね」

「そうだな・・・俺は楽しんでるよ」

「?・・・他の人は?」

「知らないよ。あいつらが何を考えて生活してるかなんて」

「昔馴染みでも分からないんですか?」

「あいつらは特に分からないな」

 困ったように頭を掻きながら新は言った。

「確かに毎日唐突ですからね」

 苦笑いを浮かべ大嗣は新の言葉を肯定した。

「お前はいないのか?こういう昔馴染み」

「まぁいないこともないですけど・・・」

 大嗣はある幼馴染を頭に思い浮かべて言った。

「なんか、歯切れが悪いな」

「いや、あいつは俺よりも全然上と言うか・・・学校も違くなっちゃいましたし」

 今さら新と会・空のような関係になるのは難しいと大嗣は思った。

「はは、そんなこと言ってもしかしたらあっちはお前のこと待ってるかもしれないぞ」

 笑みを浮かべながら冷やかすように新は言った。

「アドバイスありがとうございます」

 苦笑いを浮かべて大嗣は言った。

 新とはなかなかいい話が出来た気がする。

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