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そしてピンチ

 

 魔島に追放されてから3日目の朝だ。

 この島にはレベル70を超える凶悪な魔物がゴロゴロそこら中にいる。

 俺をここに追放した張本人であるロゼルス王が言ってた通り、レベル1なんかでほっぽり出されたらまず生きてはいけないだろう。


 まだ島は多分3分の1にも満たない程度しか探索出来てないと思うんだが、少し森に入ったら人骨がそこら辺に落ちてる。

 もしかしたら、俺みたいにアビリティにイチャモンつけられて追放された人なのかなって。

 で、相手の情報を調べる魔法? で調べたら〝ロゼルスの名もなき戦士〟って書いてたんだ。


 単にロゼルス国出身の旅戦士かもしれないけど、俺と同じ召喚で呼び出されてここに捨てられた人間の可能性は十分にある。


 雰囲気的にあの王様、追放し慣れてたと言うか。

 俺には神喰のアビリティがあったから助かったけど……勝手に救世主召喚だかなんだか呼び出して求めてるアビリティじゃなかったら処刑だったり追放だったり、あの国はやばいぞ。

 

 きっと国民には伏せてるんだろうな。



「クソゲス野郎ぉぉぉ〜!!!」



 ん〜すっきり♪ さてと、あれから探索しながら何度も魔物と戦って、かなぁぁり強くなったのだ♪

 

 ステータス確認っ☆




ーーーーーーーーーーーー

ステータス

ーーーーーーーーーーーー

天霧 全

Lv97

Hp6827

Bp0

St100

攻撃力100

防御力100

神気力100

精神力100

行動力100

ーーーアビリティーーーー

神喰

ーーーアクティブーーーー

喰らう

召喚

ーーーパッシブーーーーー

⚫︎ヴァルガントの基本行動のSt消費無し。

⚫︎ヴァルガントの攻撃力が3倍になる。防御力半減。

⚫︎ヴァルガントの防御力が3倍になる。制限時間が5秒になる。

⚫︎ヴァルガントの制限時間が10秒プラスされる。

⚫︎ヴァルガントの攻撃が命中する度、Stが3回復する。

⚫︎ヴァルガントを召喚中、Stの回復速度が5%UPする。

⚫︎ヴァルガントが回避に成功するとStが10回復する。

⚫︎召喚コストが半分になる。

⚫︎ヴァルガントがノーダメージで帰還すると召喚時に消費したStが戻って来る。

ーーーーーーーーーーーー




 お分かりいただけただろうか。

 凶悪な魔物のおかげでレベルは97、そしてHpはグングン成長して7000に届く勢いなんだが……各パラメータ、攻撃力、防御力、神気力、精神力、行動力は100でカンスト。レベル45で既に100に到達してたんだよな。


 それから97までレベルを上げて来たけど一切増えないんだよ。これって俺自身強いのか?


 だが、レベルアップ時に貰えるスキルポイントを召喚系のパッシブスキルに全振りしたら相変わらず強過ぎるんだわ。


 だから言う程困ってないんだなーこれが♪



 スキルツリーを眺めるのも楽しいしー♪



 まっ、死にはしなくなったが別の意味で死にそうなんだよな。


 とにかく空腹過ぎる……。



「はら……へったぁ。そういや、この世界に来てまだなんにも食べてなかった」



 魔物って美味いのかな? 食べて毒があったら治す方法知らないし治療魔法とかも、アイテムもないし……こりゃ本格的にやばい。

 腹は減っては戦は出来んぞ。


 この辺は探索したしもっと奥に進んでみようか。

 俺が最初にいた地点の浜辺からは、直ぐに森が広がってて今はその森の中を真っ直ぐ進んでる。


 その道中で何度も魔物に遭遇したんだけど、ビビっちゃって俺を見つけても襲ってこなくなっちゃった。

 こっちから敢えて戦う理由もないし、今はとにかく腹ごしらえを優先にしないとマジで餓死するよ。



「もう……あれか。魔物食べちゃうか」



 空腹に勝てなくなって来た。いや、魔物を食べるのは本当に最後の手段だ。

 ぐうぐう腹が鳴ってるけど、まだ歩けてるから大丈夫!



「うん……大丈夫」



 それから何時間経ったんだろうか。空腹のせいなのか眠くなって来た……。

 瞼が勝手に降りてくる。いくら強くなっても無防備のままこんな森のど真ん中で眠ったら完全に死ぬぞ。



 「ダメだ……せめて魔物がいなそうな所を……見つ……」



 ……え?

 あれ? 何処? まばたき一つで一瞬で景色が変わった。

 俺は眠ってたのか?

 

 ついさっきまで確かに森の中にいたのに今は洞窟みたいな……空洞の中、藁のようなものが敷き詰められたものの中にいる。


 起き上がって周りを確かめようとした時、大きな地響きが洞窟全体に響き渡った。



 ドスーン! ドスーン! ドスーン!


 壁に松明が綺麗に並べられてるおかげで、目線の先の奥から聞こえて来るのが素早く把握出来た。どんどん近づいて来るこの音の正体が魔物の足音だったら、相当大きな魔物だぞ。


 もちろん、まだ遭遇してない魔物だろうな。

 2日前の俺なら間違いなく怖気付いて……。


 ん? 松明が綺麗に並べられてる?


 と言う事は……



「この島に人がいるぅ!?」


 

 それとも知能の高い魔物がやったのか? いや、余計な事は考えないようにしよう! 俺みたいに生き残った人かもしれない!

 とりあえずここから出るぞー! ようやく飯にありつける!!



 ドスーン! ドスーン!!



 で、でかぁぁ!? 

 赤い肌に肩まで伸びたモジャモジャの緑の髪が見えた。2階建ての家を飛び抜けそうなぐらいの巨人がまた巨大な棍棒持ってゆっくりと、だけど確実に俺を捉えてこっちに向かって来てる。



「その前に、あいつを何とかしないと!」



 ピコ。



 よし捉えたっ!




ーーーーーーーーーーーー

クリティカルオーガ

ーーーーーーーーーーーー

Lv91

Hp35900

Mp90

St100

攻撃力720

防御力653

魔力311

精神力443

行動力288

ーーースキルーーーーーー

絶対クリティカル

ハイパーチャージ

ーーーーーーーーーーーー




 俺自身のレベルが上がった事で調べられる情報のレベルも向上したんだよな。調べられる項目がレベル1の時より多くなってるだけじゃなく、どんなスキルを持っているのかも把握出来るようになったんだ。

 【絶対クリティカル】とか……やばそうなのを持ってらっしゃる。



「ウガァウガァウガァ!!」



{クリティカルオーガ←【ハイパーチャージ】}

 ∟{クリティカル倍率200%→650%}



 だが!



「当たらなければ意味がないのさ!」



 さあ! 【狼炎】くん! おゆきなさい!



 〝St0〟



 はにゃ?

 スタミナがゼロ。何故にZERO?



「ウォォォォォォォォン!!!!」



 ドガァァァァァァァァン!!!



 {天霧 全←【絶対クリティカル】4680ダメージ}

  ∟{Hp6827→2147}



 痛っっっでぇ!?


 巨体の割に攻撃スピードが早かった。悲鳴を上げる事も出来なかったぞ……。



「……あ……ぐ……」



 地面に倒れた体に力を入れようとしても、まともにクリティカルを食らったからなのか、中々起き上がれない。



「そ……それ、に……しても、よ……よん……せ、せん」



 さっきのログ……4680ダメージって。

 クリティカルは防御力無視2倍ダメージのはずだが……。



「…………あ……」



 ログ見落としてたわ……うがうが叫んでた時にスキル使ってたのか……2階建ておじさんめ。



「メシ! ニゲルナ! ウガァウガァウガァ!!」」



{クリティカルオーガ←【ハイパーチャージ】}

 ∟{クリティカル倍率200%→650%}



 しゃ、喋れるのかよ。



「……う……んぐ……! うぅぐぐぐ……やばい……うぅぐぅ……!」



 またくるぞ……

 そしてStが未だに0のままの意味が分からん。

 このままだと神喰のスキルが何も使えない……。


 次は完全に……死ぬ。



「メジィィ!! グワゼロォォォォ!!!」



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