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10次元
「今回のこの現象については、すでにご承知とは思いますが、他宇宙による本宇宙への浸潤現象ということができます」
佐藤が説明をしながらも、現状判明している内容からのコンピュータシミュレーションを提示した。
理解がしやすいように球体同士が接触し、それが徐々に融合していく様子を見せている。
「今回のシミュレーションでは3次元での様子をご覧いただきましたが、現実はおおよそ10次元時空で論述できるため、それようの多様体が発見されることでしょう」
実際に超弦理論では10次元時空をモデルとしている。
となれば、これらの衝突に際しては、現場で見ているのであれば理解をはるかに超えた現象が発生しているはずである。
宇宙物理学者らだけでなく、理論物理学者らもこのことは分かっていた。
ただいけないのを残念にしているだけだ。