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フランシスコ博士
ずいぶん地下深くまで降りてきた。
途中までは金属も使われていたものの、だいたい建物でいうところの5階分降りたところあたりからは全部が木星となっていた。
階段の足場、手すり、それに壁や周りに見えるものすべてが一切金属が使われていないように見える。
そしてついに木製のドアにたどり着いた。
「ここです」
ドアにはこれまた木でできた取っ手があり、それを引っ張るとようやく装置がある実験室へと入ることができた。
一言でいえばとてつもなく広い体育館と、その真ん中にあるとてつもなくでかい装置ということだ。
コンソールもあちこちに散らばっていて、この周囲では唯一の文明的な香りが漂うものになっている。
「フランシスコ博士。フランシスコ・ペール・ロペス博士」
その中で白衣を着て、左胸に着けている名札が金色縁になっている一人の男性にテイカーは声をかけた。




