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地下階段
「ここからは地下に入ります」
事務棟の一つからテイカーに教えてもらいながら、地下へと降りていく階段の部屋を案内してもらう。
「エレベーターではないんですね」
ふと下を見下ろして、階段がぐるぐる回るその隙間から見えた地下の深さに恐怖すら覚えながら俺はテイカーに聞いた。
「できるだけ電磁ノイズなどの不純物を取り除けるような構造になっています。今は実験をしていませんから階段の昇り降りもできますが、実験中はこの階段も完全に閉鎖されます」
いいながらもついてきて、と言わんばかりにさっさと階段をテイカーは降りはじめてしまった。
どうやら選択肢はないらしい。