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DAY74その1(火)12月12日

DAY74(火)12月12日


今日はワンダーエッグの武術大会があるということで、ドリームエッグにお留守番を命じてから家を出て、待ち合わせ場所に到着した後に、全員居るかの点呼を取ってから電車に乗り込み他県まで来た。


交通機関の指定が電車とバスと書かれていたため、それで行くことにしたが、ワンダーエッグ持ち中学生は集団丸ごと無断で休んだらしい全員来た上に、今日はトモミも一緒に連れてきている。


小学生連中は心理的成長に危険性があるということ、そして親からNGを出されたということで、普通に学校に行っている。


そんな一団をひきつれて電車でやってきたとある地方都市、そこからタクシーで1時間、ようやく見えてきたその場所は大きなビルであった。


中学生連中全員が感嘆の声をあげているが、ここは集団に属している私には見覚えがある場所だった。


なにせ、このビルは様々な研究をしている集団が持つ研究の総本山、と言えればいいが、実際はこのビルを所有している人自体が集まりに属しており、その人がこのビルを集まりの研究のために中身全てを作りこんで、様々な催し物などに使っているのだ。


ビルは巨大で、集まりやそれに属する中の人がある程度借りているのだろうが、今回は武術大会、言ってしまえばワンダーエッグの研究発表会だ、この中にはワンダーエッグ持ちが多数いるのだろう。


ワンダーエッグは水晶のクジラの前組織から奪ってきてからあまり時が立っていない、どれほど成長しているのか、どのような能力があるのか、強化や弱体化はどうなっているのか、それらの研究結果が色々と見られるだろう。


受付を入り口で行い、人数分の入館証を受け取って中に入る、そうして私は自分が出場する場所に行き、中学生連中は観覧席へと別れていった。


私は戦闘のための選手控室で、ほかの人がワンダーエッグを色々と確認している横で係の人に何体まで出場OKなのかを聞いた。


すると手持ち全てを出していいということで、自分が連れてきたもの全てを確認する。


連れてこられるワンダーエッグを全部持ってきたのでカバンがごちゃごちゃしている、今回防具などは闘技場で賄うことになっており、他の研究対象を連れてきてはいけないらしい。


結果、ドリームエッグは今回一つも持ってきていない、トモミは出場以前の問題ということで、普通に観覧席に行くこととなった。


ほかの中学生連中も、幼体の使役者ということで、闘技場での戦闘対象外になっている。


というか、そう組織にも集まりにも頼んである、まだ幼体である卵を使っての戦闘は無理があるという、私からの少しの思いだ。


全てのワンダーエッグの状態確認をしていたら、時間になったらしい、音楽が変わり、闘技場へと出ていくことを促される。


そうして闘技場に出ていくと、そこはコロッセオでした。


遮るものがあるタイプの闘技場で、この中で戦うらしい、遠距離狙撃のためのフィールドのように見えるが、どうやら色々な戦いができるフィールドらしい、近くから見たイメージは隠れながら相手の事を打ち取るタイプのようだ。


フィールドにある一段高くなっている場所に審判はおり、そこには階段で上がるらしい。


全部で20人はいるだろうか、出場者が壇上に上がり、真ん中にある抽選箱に手を突っ込んでいく、どうやらこの中にある紙に書かれている数字とマークで対戦表に名前が書かれていくみたいだ。


殺伐とするかと思った対戦表だが、ある意味ではみんな顔見知りだ、私も正直知っている顔が多数いる。


なんとなく、同窓会に来たかのようなテンションになった。


私の番になり、引いたカードはCの2番、トーナメント票の(くく)りはEまであり、そこに2、2で分かれている、そのCの2ということは、時間としては本当に中間に出ることとなるだろうことがわかった。


しばらくほかのものが引き終わるのを待ち、トーナメント票が発表された結果私の対戦相手は、会う機会が全くなかったから会えなかっただけの、友人だった。


名前はシンリュウなほ、最後にあったのは反社から卵を奪ってきて、それを誰が世話をするかの初っ端の会議だったか。


シンリュウはもともと世話好きなとこ、他者へ何かしらを指導することが得意なとこ、可愛らしいと思う対象が多岐にわたる上に複数あったという、それらの特性が存在していたため自らワンダーエッグの世話に志願したのだ。


私は反社の建物から持ってきたものの中に、謎の特異な力を持っているものがあると一番最初に気付いた人だったせいで、志願するまでもなくお前が研究しろと押し付けられたのだがな。


しかも、押し付けられた理由も雑で、たまたま親登録をしてしまい、その卵を世話することになった挙句、なんか知らんが孵ったからなのだ。


私が卵を使えるようにした方法を色々と検証したり、卵を変化させたのちに反社から奪ってきた、暗号を解いた結果読めるようになったざっくりとした使用説明書に書かれている事を、ひとつふたつと実践したら、なんか知らんがすごくいい感じになった。


というのがワンダーエッグと私の始まりだったりする。


出場までの待ち時間に少しだけシンリュウと話した、私とは同じ時期か、それよりあとに世話を始めたらしいのだけれども、今までの間に敵対組織に襲われたり、何かと戦闘に巻き込まれることもあったりして、色々と大変なことがあったらしかった。


私の周囲でも不穏なことは起こっているというと、お互いなるべく気を付けて過ごそうということに同意と相成った。


他にも色々と近況報告をしていたが、時間になったらしい、番号が呼ばれる、それと共にシンリュウとは別れた。


お互いに闘技場の端と端に分かれていき、私が初期立ち位置に立つと相手の姿は全く見えない、緊張しながら合図を待つと、相手も立ったらしい、二人の名前を呼んだ後にカウントダウンが始まる。


カウントダウン中に手持ちの全てのシャドーを展開し、戦いに備える、動物型のシャドーと人間型のシャドーを組ませて、私は指示をするための五号と、武器のために二号を変化させて近くに置く。


そうして、カウントダウンが終わる直前に五号に指示を出し人間型のシャドーに通信をつなぐ、そして、全員がつながったのを確認した直後、戦闘は始まった。


索敵のためにリオンと猫のワンダー三号、テラと狼のワンダー一号で組ませ走らせる、私の近くにはカゲリと水龍の四号がいる、腕には火を扱える二号、イメージとしては腕に火炎放射器をつけている状態だ。


カゲリと四号が近くにいるのは、相手を見つけたと同時にカゲリと飛び道具になる四号を向かわせて応戦させるためだ。


先に相手を見つけたのはリオンと三号だ、三号は索敵などの探索に重宝する個体であるため、戦闘能力は少々低い、そのため、見つかった場合にリオンが三号を自由に変化させて攻撃に転じられるように、五号から指示を出して三号の命令形態を変化させる。


相手も本丸でない何かを出してきたらしいから、その場はリオンと三号に任せる。


次にテラと一号が何かを見つけたらしい、五号に通信が入り様子を聞くと、どうやら相手のワンダーエッグは見た限り2個、別に今リオンと三号が応戦しているのが1個ということを聞く限り、おそらくではあるが、本丸にはまだ別の個体がおり、本丸を固めているのかもしれないということを示唆している。


あのシンリュウがそんな数の卵しか攻撃に回さないとは思えなかったのだ、今確認出来ている卵の数が明らかに少なく感じる。


それを通信から読み取り、カゲリと四号を連れて初期位置から動く、そうしなければ挟み撃ちとかで質量を持ったそれに襲われる可能性があるからだ。


初期位置から動き、相手の事を探しながらほかの二組が確認した地形の様子含め、戦闘の様子をちょくちょく確認する。


どうやらリオンと三号は、結構苦戦しているらしく、あまり喧嘩慣れしていない私の部隊はやはりというか、弱いらしい。


そして、テラと一号は善戦しているとの情報が入った。


テラも一号も両方が戦闘に向いている個体だ、ただ致命傷は一号しか与えることができない、テラが得意なのは足止めでしかないのだ。


テラ自体が空を飛びながらの熱線を使った攻撃が主で、後は尖った姿になっての体当たりになる、一方で一号は色々な武器になれる個体だが、正直噛みついた方が強い。


その二人が相手の2個のワンダーエッグとの戦闘になってよかったと胸をなでおろした。


一応、この戦いにも制限時間と勝利条件があり、勝利条件は使役者が持つシャドーを全て戦闘不能にするか、使役者本人がこれ以上は無理だと判断した、或いは相手使役者への止めの一撃を放ち、それが有効打になったら勝ちだ。


制限時間が過ぎた状態で、より無事……つまり自分が持っている卵が相手よりも無事な状態であったり、はた目から見たとしても勝ちが確定していたり、審判が善戦をしたと、思われた方のあげられた旗の方でも勝ちではあるのだ。


他にも、研究の成果が出ていると判断された方でも勝ち認定されることがあるらしい。


まぁ、言ってしまえば制限時間いっぱいまで逃げ切れたとしても、相手を仕留めたとしても、どちらでも、いい試合をすれば勝ちなのだ。


無事ならば、逃げた方が勝ちという見方もある、ただ、その場合は報酬は出るかどうか怪しくはあるが。


おまけに私が出場しているのは戦闘の分野だ、隠れる方ではない。


それを念頭に置いての行動は、結局は戦うことに割かれるだけなのだ。


そんなこんなで中盤戦、30分の戦いの10分を使って相手の事を探し当てた、というか、見つかった。


相手もどうやらこちらを探していたらしい、相手から攻撃が来たからそれに応戦する。


その時の会話が五号に入っていた。


「よし!かおりんはっけんでん!」


自分から見て右側の通路を覗いたときにバッタリと出くわしたため、とっさに攻撃を弾く。


「うーわ、独り言呟きながら襲ってくるあんたは嫌いだな、私。」


適当な感じに襲ってきたから、カゲリと四号で応戦する。


「かおりんはどうしてそんなにシャドーを使役できてんの?」


不思議そうな顔をしながら襲ってきたシンリュウの態度に対して眉間にしわが寄る。


「いや、リュウちゃんはどうして殺意マシマシで襲って来てんの?」


私が嫌そうな顔をしたシンリュウのシャドーはユニコーンで、シンリュウはその背中の上に乗っている。


「いやさ~、最近ちょっとお金使いすぎちゃってさぁ、だから、これの優勝賞金をちょっと目当てに、ね?」


とぼけたように頭の後ろに手をやったシンリュウにため息が出る。


「いや、これの優勝賞金は研究に充てろって言われているよね?……ん?ということは?」


一瞬思考を巡らせて私はシンリュウの性格を思い出す、確か、研究費を無駄にする人じゃなかった、つまり、お金を使いすぎたというのは?


「そ、シャドーの研究資金を使いすぎちゃってね、その結果殺傷能力だけは馬鹿みたいに上がったよ!」


そう言いながら乗っていたユニコーンで突っ込んでくる、それに轢かれないように私たちは避ける。


「だからって!馬で轢くことなくない!?おまけにその角!なに!?それ!」


Uターンして走ってくるユニコーンをなんとか避けながら、四号を飛翔体の無機物型に変えて応戦する、カゲリはおとり役だ、腕に身に着けた二号が火を噴くが、それも全く気にしないシンリュウがこっちに突っ込んでくる。


「この角、かったいよ~?まぁ、死なないように、ほどほどの硬さだから安心して?」


走り回りながらそんなふざけたことを言うシンリュウに恐怖を覚える。


「お前の安心(ほど)!信頼できないものはない!昔からだな!知ってた!」


シンリュウの良いところでもあるが、この場合は悪い点、何事も適当に、それでいて一番効果の高いことをしてくる、それが今回に至っては殺意になっているのだ。


その場で大声をあげて四号に指示を出し、シンリュウに攻撃を当てようとする、しかし、シンリュウはそれをユニコーンの上で軽々と避ける。


「あとで!どんな!やつに、ハァ……ハァ……!おそわ……れたのか!……きき……だしてやる!」


あまりにも全力で襲ってくるため、息が上がる、そんな中、五号に通信が入り、どうやらテラと一号のペアのケリが付いたらしく、こちらへと向かっているらしい。


しかし、避けることに全力な私は、正直、息切れで死にそうだ、日頃の運動不足が祟っている、イメージとしては、避けなければ死ぬドッヂボールのボールを避けている動きと同じだ。


「さ、かおりん、さっさと負けを認めて休んだほうがいいんじゃない?」


こちらを見据えるシンリュウのことを見て、正直諦めたくなる、が、中学生連中を観覧席に連れてきたのだ、もう少し粘りたくなる。


「うち、の、やつ、らから、れんらく、はいった。


りゅうちゃんの、シャドーは、にた、い、やったってさ。」


ゼェゼェと肩で息をしながら言うと、残り5分の合図が鳴った。


「まじか!さっさと本丸やらないと負けになるじゃん!」


シンリュウが全力ダッシュのユニコーンをぶつけて来るのをなんとか避けるが、体力がほぼ限界だ。


「ちょっと!友達に勝ちを譲ろうとか、そういったことはないわけ?」


「はァ……、はぁ……、も、ね……」


もう私の負けでいいわ、そうは思うが、流石にこれを喰らったらまじで殺されるから、避けなければいけないということに精いっぱいで、しゃべれなくなっているだけの私がいる。


ついでに、ほかのシャドーがやってくれば何とかなるかもしれないという淡い期待が私の事を鼓舞して来る。


「……はぁ、ずっと動物型だと評価下がるし、無機物型で応戦してあげるわ、感謝してね?」


そう言いながらユニコーンから降りたシンリュウは、ユニコーンを変身させた、その姿は。


「なに、それ。」


扱いが難しそうな鎖鎌だった。


「忍者の里で習ってきた!どう?これ、おもしろくない?」


「たしかに、おもしろいわ。」


息を整えて相対したシンリュウの武器を見る、それは正に鎖鎌で、こちらに巻き付けてから攻撃したり、鎌でそのまま攻撃したりするやつだ、こちらには飛び道具と拘束具がある……、いや、だからなんだよ、拘束具はこの際使えないだろ、なんだよ、鎖鎌って、おまけにあれ、鎖部分意志あるじゃん、絶対かいくぐるの大変じゃん、鎖の部分が伸びたりしてるみたいだし、もうやだ。


そんなこんなで、私VSリュウちゃんの戦いは、泥沼になった。


私もカゲリの事を鞭にして、お互いがお互いの事を拘束しようとする、その中で四号が先の丸い矢で飛び回りながら打撃を与えようとするが、それを(ことごと)く阻止される。


そんな中、ようやっと駆けつけたテラと一号が戦闘に加わる、四対一のこの構図、相手の方が不利なはずなのに、相手は笑っている、そんな中、五号に通信が入った。


どうやら最後の一組、リオンと三号は戦闘不能となり、こちらにシンリュウのワンダーエッグがやってくるらしい。


というのが聞こえたと思ったら、一号が吹っ飛ばされた、その視線の先にいたのは、火を吐くドラゴンだった。


おまけに、かなりでかい。


「おま!おま!おま!」


動揺で言葉にならないのを、シンリュウは笑いながらこちらを見て来る。


「おましか言えなくなってんの、ウケんね!」


言いながらリュウちゃんはこちらに攻撃を仕掛けて来る、結論、人間型よりも、戦闘特化の個体の方が強い。


これは負けたかな、と思ったと同時に終了のブザーが鳴り、勝敗が出ることとなった。


結果としては、審議となった。


どうやら、私のワンダーエッグが相手の事を倒した数と、最後に私のことを襲っていたシンリュウの攻撃力のどちらが戦闘力として上か、それを審議となっていた。


最終的には、倒した数で決まったらしく、私の勝ちとなった、解せぬ、まぁ、わかるけどね。


「あぁー!負けたー!」


シンリュウが悔しそうにシャドーにしなだれかかる、しなだれかかられているワンダーエッグは色鮮やかなダチョウみたいな、足が発達している鳥の姿をしていた。


「わたし、棄権したいんだけど……。」


そうつぶやくと、目をかっぴらいたシンリュウがこちらをグルンッと見てきて、その眼だけでも脅してきた。


「今後勝たなきゃひねりつぶす、棄権したらぶっ殺す。」


すごい目をこちらに向けて来るから、ぐったりした思いでそれに答える。


「わー、いつも通りのリュウちゃんだー、こわーい。」


死んだ顔をした私の頬をつつきながら、シンリュウがふくれっ面をする。


「だから、負けてもいいけど最後まであきらめないでね。」


「はい、善処します……。」


うんざりしながら言うと、リュウちゃんが顎を鷲づかんでくる。


「善処じゃなくって、本気で行って。」


その目力に負けて、比較的まじめな顔でうなずく。


「はい、わかりました。」


「よろしい!いけ!かおりん!」


審判席に指をさしながら言うリュウちゃんの言葉に答えるようにポーズをとる。


「へい!よー!」


そんな茶番の後、観覧席から私のことを見ているであろう中学生の事を探すと、すぐに見つかり、シンリュウの連れがいないのならば私の連れの元へ行くように頼む、そんなリュウちゃんはどうやら、特に誰かと来たとかではなかったらしく、私の連れの元へと足を進めるのを見送った。


今回イベントということで長くなったため、分けさせていただきます、戦闘シーンの解像度が低いのは作者が戦闘物とは無縁だったせいで書けないせいです。

戦闘が苦手でごめんなさい、駄文ですが、更に戦闘は続きます。

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