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DAY66(月)12月4日

DAY66(月)12月4日


今日はなんとか早起きをして朝のルーティーンをこなす、トモミの事を学校に送り出した後にスマホに書いてある日時を確認し、用意をする。


今日の10時からとあるカフェで子供たちの親が何か話したいらしい、ワンダーエッグには筋トレを、ドリームエッグには国語ドリルをやらせ、五号だけを連れて家を出る。


そのカフェは地域の奥様方の社交の場となっているのかは興味がないため知らないが、到着するとそこには既に話をしている奥様方が集まっていた。


どんな話になるかと構えていたら、簡単な話、ワンダーエッグやドリームエッグに防犯機能を搭載することはできるのかということだった。


なんでも、昨今の学校では子供がスマホを持っての登校を許可しているとかなんとか。


それでスマホ依存が心配だったとかなんとかで、どうやらワンダーエッグやドリームエッグを連れている子がスマホを見ながらではあるが、ちゃんとお世話をしているとのことだったらしく、副次的に良い結果や効果が出ているらしい。


そんな中、スマホを見ずに卵を見ている子たちが、卵だけを連れて外出することが増えたことにより、通信手段がなくなってしまうことがままあったらしく、つまり、防犯機能というよりは追跡機能があると嬉しいので、そのような機能があるかどうか的な話らしい、つまりザックリと総合すれば、GPSを搭載したいとの要請だと理解した。


それに理解を示したふりをした私は、卵についている首輪にはGPSを導入することが可能であるということを伝えた。


親たちからはほかにも、私が渡した(おもちゃ)が勉強に使えるような感じにならないかと聞かれたため、少し悩む。


一番最初にイメージしたのが理科の実験でよくある生物の解剖だが、生物ではないものを解剖することは不可能……というよりそもそも問題意味がない為、勉強に使えるということに悩んだ末に出した結論は、卵に勉強を教える風にして、一緒に学ぶことを提案するしかなかった。


正直(シャドー)が勉強に使えるかと問われれば、できなくはないだろうが、私が配った卵から学業に関わるようなことを教わるということは、生まれたてほやほやで右も左もどころか、この世界自体何も知らぬ全くの赤子から高度な哲学的かつ世界の全ての倫理について教えを請うような、あまりにも不可解かつ不可能なことなので、もしなにかを教わるにしても、原始的な欲求のなにかの研究目的で無い限り、勉強という点からそのことを考えることは難しいだろう。


しかしそれは教わるという視点からのもの申し出はあるため、卵に対して教えることはできはする。


自分が何事かを学びながら、学んだことを卵に教え、それにより成績をのばす方法というものは、存在しなくはない。


だがそれも一定のIQや既存の理解があり、やる気があるならばできることなので、正直勉強が苦手なやつらに対してのそれは厳しいような気もするのだが、親たちはそう簡単に引き下がってはくれないだろう。


とりあえず(シャドー)に勉強を教えることへの例として、うちの卵たちには現在国語のドリルをやらせていたり、お金の概念を教え込んだりすることで、一人で買い物ができるようになったり自立して動くことを伝えたら、すごい勢いで食いついてきた。


ざっくりと言ってしまえば、卵を友として考えた上で一緒に勉強をする仲間が増える、一人ではないことをだしにやる気を出させた上で、どれほど学んだかを間接的に親に伝えることが出来る、ほかにも卵が勉強に興味を持ったりしたのならば、遊びに誘う感覚で勉強を促したりと、そういったことも【できなくはない】と伝えた。


伝えるとすぐ食い気味に方法を聞かれたため、自分としても憶測込みのそのことは伝えずに、この場でその設定等はすぐにはできない旨を伝え、それらを行なうために必要なものを教える。


例を示すとはいえ、自分の卵に設定されていることを他人に見せること自体気が引ける思いではあるのだが、最近はバーチャルにしか興味を持たないと言われている子供たちが、イレギュラーとはいえ現実に興味を持ってくれた上に、そこからバーチャルでは得られない体験や経験を積むことができるのも大事だろうと、自分のことを納得させる。


懐の中から五号を取り出し、その五号ができることを大まかに教えると、奥様方は熱心に聞きながらスマホでメモまで取り、なんとかものにしようとしているのが見えたが、私の話を聞いているうちについていけなくなったものがいるらしく、一部のものが目を回していた。


それらを総合して難しいことは抜き、わざわざ難しく考えずとも全てにおいて小学生の単元から教えることを提案し、(シャドー)が覚えやすいよりも本人が工夫するようなやり方などでイメージできるものを伝え、もし勉強等を子供が教えた際に動物型の状態で表情がわからず一切無反応に見えたとしても、わかっていることについては耳や動きであらわしてくれることも教え、なんだかんだイメージから導き出されるそれらを伝えたら、結構良い感じに収まってくれた。


奥様方が一体何を所望しているのかもわからない状態だった今日は、どんな話になるかもわからなかったため何も持ってきていなかったが、今回の事で新たな解析パラメータが必要なことが示唆されたため、それをスマホに記録した。


確か、子供たちに配った首輪には拡張機能があったかどうか忘れたので、今度の集まる日までに親御さん用のGPSチャームを作ることをこの時に決定したのだが、受け渡しをする際に首輪の色が気にくわない等の苦情を受け付けることにする。


そんな風に話を続けているうちに結構な時間となり、頼んだコーヒーのおかわりまで飲み干してから、この場はお開きとなった。


ちなみに、話を出してきた親御さんはワンダーエッグを使役している子供たちの親が基本で、ドリームエッグを使役している親はサユカとヨウカの親のみだった。


その中でも勉強に対して必死だったのは小学生ではショウ、中学生ではフジキとトモシゲの親だったので多少詳しく話を聞くと、ショウはワンダーエッグにかまけすぎており勉強をしないらしく、それどころか暴れまわるのが日常茶飯事なため、家の中でおとなしく勉強に没頭してほしいとのこと。


フジキとトモシゲはユシタンとは違い、勉強をしっかりとやらないらしく、それぞれ興味のあること以外に身が入らないそうで、毎回ぎりぎりでテスト勉強をしたとしても、点数自体ボロボロなのだそうだ。


そのせいで叱ったとしても、二人は喉元過ぎれば熱さを忘れる方式で勉強をやらず、その結果得意科目以外は毎回30点未満の低空飛行を続けているらしい。


ユシタンの親自身はほかの二人の親とは違い、ユシタンの勉強自体は気にしていないが、突如どこかにふらっと出ていく際に、スマホも持たずなんの連絡もなしにふらっと出ていくのが心配らしい。


マサトシとタカマサの親も来ており、テストの点数うんたらかんたらというものはあるらしいのだが、マサトシの親は今日たまたま休みだった来られたということで、共働きをしていることからマサトシが昔でいう鍵っ子状態なので、昨今の物騒な時代と共に防犯目的に卵と一緒にいることが増えたついでに居場所を特定できるようにしておこうという魂胆らしく、タカマサの親はなぜ来たのかというと、曰くタカマサには兄がいるらしく、兄弟で一緒にいるとまれに喧嘩することがあり、弟であるタカマサの方がそのたびに負けて不貞腐れ、そのまま外への逃亡を企てたときにスマホではなく、ワンダーエッグを持っていくみたいで、スマホでは位置を把握できずにそのまま数時間立っても帰ってこないので、たびたび捜索に兄が出ていくことがあるそうだが、兄はそれに憤りを感じており、それが元で再度喧嘩が勃発することもあるそうだ。


前から喧嘩したときにはスマホも持たず一人でどこか逃走していたそうだが、ワンダーエッグを持つようになってからは卵と共にどこか逃げ出しているそうで、ならばこれ幸いとどうにかしてGPSで居場所を突き止められないだろうか、ということであった。


ドリームエッグを使役しているサユカとヨウカの親はというと、GPSにも勉強にも基本反応しており、サユカの親は特に志望校に行けるよう、積極的に勉強をさせたいらしいのだが、中学校最後の劇に自身の精魂全てと興味関心の神経がほぼ全て向いてしまっているらしく、重要であるはずの勉強がまぁまぁ疎かだとのこと、現時点で既に12月だから、いい加減受験に気を入れてほしいらしかった。


それを聞いてすぐに、学校も受験生に劇という記憶を使いそうなことをやらせたりするのは、おかしいのではないか?とは思ったのだが、学校側も何かあるのだろう、その辺りは深く考えないことにする。


ヨウカの方はまだ中一ということで、受験というものとは関係ないはずなのだが、ヨウカはサユカのことを慕っているらしく、積極的に劇の練習に付き合わせているのかつきあっているのか知らないが、とりあえず今年中に勉強への気合ややる気を入れさせるために、ドリームエッグに勉強を教えるのと同時に、自分の勉強もやらせるようにする、との親の発言であった。


そんな感じに勉強やGPSなどについて相談がなされたわけだが、卵の育ちがかなり良いハジメとヨリカの親について、二人について気にすることがないのか、それとも気にするほどのことでもないのか、この場には二人の親どちらもが居なかった。


とりあえず、私も食べた分のお金を渡して解散と相成りそうな間際、サユカの親に対して、高校受験の日はいつなのかを聞いたら、年明け直ぐにあるとのこと……。


正直サユカの学力不足を視野に入れつつ、卵に勉強を教える方法を簡単に教えてからの解散となったのだった。


親たちの要求を全て聞いたのちに家へ帰れたのは13時、案外長くは拘束されなかったなと思いつつ、卵たちが帰ってきた時点でお腹を減らしているためご飯を作り振る舞う、食べさせている間に次回の講習会の日程を確認しつつ組織からの依頼内容を再度確認、全員の食後出た食器類を全て食洗器に入れ起動させてから、組織から頼まれた解析をする。


組織からの依頼通りまず初めに中程度の解析をかけたところ、今回の暴走自体はストレスの度合いというものが通常の暴走時よりも低く出ているが、この個体にとっては暴走に至るまでの度合いだったようで、その『平均値よりもパラメータが10以上低い値のはずなのに、なぜ暴走したのかがわからない』ということで、なぜこちらに解析が回ってきたのかが見てとれるようなデータ構成だった。


なのでお次にやらなくていいと言われている深程度のパラメータ解析をかけるとともに、私が追加した感情のパラメータを当てはめてみたら、今度は深程度の解析なので複雑なパラメータであることは基本なのだが、その中でも私のパラメータが顕著に意味を現した、基本的に簡単な喜怒哀楽と共になつき度を今回適用設定で解析しているのだが、嬉しい、好きだ、好ましいなどを意味するパラメータや詳しい数値というものが著しく低く、逆に悲しい、辛い、腹が立つ、みたいなパラメータが馬鹿みたいに高い、その上なつき度が通常時から考えられる中でもかなり低く、私のところの卵とは違うパラメータを現していた。


結論として、色々な意味でバグってるパラメータが出たのだ。


そのデータはのちの蓄積として使えるだろうと保存しておくことにして、組織から提出を要求されているのは中程度の解析で良いとされているため、その後は浅から中程度の基本となるストレス値や破損状態、その他組織にやれと言われた解析部分のみをピックアップして解析を進めていく。


全てをほどほどに進めてから、今日の話の中に出てきた知識学習度合いを調べるためのパラメータを作り、数値がうまく当てはめられるよう紙におおよそのイメージしているプログラムについて外形を描きこんでから、『99%なうろーでぃんぐ』が終わった解析を最後まで終えた後に、新たなプログラムの基本を組んでおく。


テンプレート化された基本プログラムを記述し終えてから、昨日考えていた卵の欲についての研究解析をするために、私が使役している全ての(シャドー)休眠()状態に戻し、解析機にセットしたところでトモミが帰ってくる時間となったために作業を中断、一階へと降り料理を始める。


解析機に卵をセットした際に、食事などのパラメータを満腹にするため卵状態で栄養となる液体を数量分入れたので、全ての卵はしばらくすれば空腹から脱することだろう。


料理中にトモミが帰ってきて、一階に動物たちが見当たらないと思ったらしい、私に居場所を問いかけてきたから、全ての卵を解析用のポッドの中に入れ、ついでに栄養も補給させていることを伝える。


ほかにもいろいろと聞いてきたから答えると、淋しそうな顔をして自分のドリームエッグを取り出し変身させ、自分の顔のところに持っていき癒され始めた。


そんなトモミの卵も今回の解析がうまくいったならば、その子も貸してくれないかとお願いすると、渋々ながら了承してくれたのがありがたい。


夕飯を作り終えて一緒に食べる際に、トモミはアリスに手ずからご飯を食べさせていた、普段は気にもしていなかったが、トモミはアリスの事を随分と大切にしているんだなと見ているだけでわかる、わざわざ小皿に自分のご飯を移して食べさせているのだ。


このとき五号を解析機の中に入れており連れていなかったため、音声記録がなく文章化ができないから、話をざっくりと記録すると、どうやらトモミはアリスにこっそりと給食を食べさせることがあるらしい。


どうやって食べさせているのかを聞くと、みんなが見ていない隙に手のひらにサラダやご飯を少量おいて、それを動けるようにしたアリスに食べさせているのだとか。


正直それに不安を感じないこともないが、確かに家に置いておかれるよりも持っていてほしいというものはある、だがそれはそれとしてわざわざ持って行ってご飯を食べさせなくてもいいだろう。


というかばれていないのだろうか、きっと他者にばれていると思うぞと言ったら、今のところは大丈夫だとのこと。


トモミの大胆なところが心配ではあるのだが、そのことは気にしないでおこう、学校はスマホを持って行ってもいいというお達しがある為、こっそりと食事中に見ている人がいるとかなんとか、自分はドリームエッグだが基本は同じようなものだろうと、クラスの連中の素行の悪さがにじみ出ている発言であった。


色々とツッコミどころがあるから、明日は少しアリスの事を調べるという口実で置いていかせるため、トモミには成長度合いを見ることを前提として解析することを約束したところ、トモミには置いていくことについて了解を得ることができたので、明日にでも卵を受け取ることにする。


ご飯も済み、それぞれ別に風呂にも入ってから解析機の状況を見てみる、全ての卵が空腹状態から脱したことが確認できたみたいだ。


卵について解析データ抽出を試しに軽くした後に寝ることとする、必要ないかもしれないが、データを抽出した卵をメンテナンスしようと、解析ポッドの中から専用の保温機に移動させる前に。、保温機をメンテナンスモードに切り替える、抽出できたデータ解析はパソコンにやらせたまま卵のメンテナンスを同時に行いつつ寝ることにする。


今までの経験上、明日にはツヤツヤ元気な卵が見られるだろうな。

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