DAY6(木)10月5日
DAY6(木)10月5日
今日は事務作業と卵の飼育をして過ごした。卵の動物型には三種類の形態があるとされているが、私が使役しているものはほとんどが成長期だ。姿は様々だが、一様に何らかの姿を形作っている、研究の結果、卵には幼体、成長期、成体があり、そのほかに暴走があるのが、回収してきた資料からうかがえる。
ほかにも形態があるのかもしれないが、成長度合いでそれらを使い分けて使役していくのが、それぞれ卵所有者がもつ個々の力量になりそうというのが、私の見解だ。
なお、幼体、成長期、成体はそれぞれどのような形態かというと。
幼体は、基本的に見た目が柔らかく、ぽよぽよとしていたり、固めの丸いスライムみたいなものだったり、なんらかの動物の頭部、みたいな見た目のものに、毛が生えていたり、いなかったりするもの。
あるいは不定型と呼ばれる、自身の姿を自在に変えられるが、毛は生えておらず、やはり基本形態が丸い。
といった簡単なもので、そこに簡単な目や口、それに加えて触覚と呼ばれる、様々な形の突起物が出ているといったものがあるのが基本だが、それら器官がすべて無い個体も当然存在し、そういった個体はその都度それらを表出することがよくある。
ほかにも様々な形で産まれるのが幼体の姿ではあるが、今現在も全ての形態を把握しているとは言い切れないのが、所有者の考えを反映して育つ卵の性質だろう。
簡単に言えば、一頭身の何かに、色々と備わっている。みたいな風に思えばいいだろう。
成長期は、形が所有者の思い通りの形が作られやすくなり、だんだんと幻想生物や理想の動物などに姿を変えることができるようになる。
その上、成長期にならねば道具に形を変えることができないので、幼体の時点で飼育を投げ出すことも考慮されるべき因子である。
幼体の時点での変化は卵形態、動物形態の二つだが、成長期になることで卵、動物、無機物の三種類に形態変化が可能となる。
その上、この時点までに覚え込ませるものでどうなるかが決まるが、関係ないことなので、それは書かなくても良いだろう。
簡単に言えば、好きな動物やクリーチャーの形をとり、数週間の内にその形で、姿が基本的に固まる、と考えると良いだろう。
ちなみに、完全に姿が固まった後に変えることは難しく、大きさは一応変えられるが、基本の形は変えられないのが特徴だ。
成体についての情報は依然少なく、研究コミュニティの中でも、いまだに確認が取れていないものも沢山ありすぎて、詳しい研究が今もなお遅々として進んでいないが、少なくとも自分が飼育している、成体とされる存在に成長した6体は、人型になったり手伝いをしたり、頭に直接イメージを送り込む形で話すこともできる、忠実なしもべが出来上がることを確認している。
反社から回収した資料内にあるデータ上から推測されるに、人型の形になれることが基準とされているが、ほかにも成体として認定される個体は全くといって良いほどデータベースに上がっていないので、正直これが成体なのかを図るための指針がないのだ。
ただし、自分と同じ姿になるには身長が足りないという問題もある上に、下手に同じ個体を作ると後々面倒なことになる可能性があるということで、組織から止められている。
それ以外の型はいまだ確認できていないか、情報不足で研究がなされていない。多分子供が扱ったほうが情緒や本能が強いため、ほかの形態になりやすいと思われる、と、されている。
今回のことで、どのような個体が観測されるかを期待しつつ、今日は寝ることにしよう。