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DAY225(土)5月11日

DAY225(土)5月11日


今日は土曜日だが、トモミも私も筋肉痛で動けずに食後は二人してベッドの上でごろごろしていたが、シンリュウから明日匿名性の仮面をヨウカに読み込ませることが連絡された。


その上でやることを説明されたので、トモミと一緒にそれを聞いていた。


基本的にシンリュウがヨウカと掛け合って渡すらしいが、使い方については私が詳しいということで、匿名性の仮面を使うのに必要な育成方法などを教えてほしいということであった。


なので、今日は一日今までの育成記録などを漁り、アインスの育成にどのようなことをしたのかをまとめた資料を作ったのだった。


基本的にアインスは人体や顔の表情筋、ほかにも家にあった動物や異世界生物の骨格などを色々と読み込ませるのに使った資料がある。


その資料を読み込ませ、それを使うことで姿かたちを変化させることができる個体になるのだ。


更にいえば、アインス的個体を作るためには後付けでいいので、筋肉などを読み込ませ、外見だけでなく中身までをしっかりと叩き込むのが重要である。


それをマスクとして顔から足まで全身を変化させるのに使うのだが、その時に不思議だと思うのが、体が伸び縮みすることである。


自分の肉体を構成する分量が変わるわけではない気もするのだが、それでも体重や体つき迄完璧に変えることができるのだが、それについては過去に奪ってきた情報を読み込ませればいいだろう。


どこからか取ってきた能力らしいデータがパソコン内にあるのだが、そのデータをダウンロードすれば、身長や体重までもを変化させることができるようになるはずだ。


そのことをシンリュウに伝えれば、私の家で受け渡しをすることにしたらしい、ヨウカに説明文を送り付けたそうだ。


トモミにヨウカが来ることを伝えると、嫌そうな顔はせずに了解してくれたので、やはり日誌に書かれていることと現実が違うことが気になる。


とにかく、資料を作らねばならないので、シンリュウにもお願いして色々とまとめていたのだが、シンリュウ自身ドリームエッグは触れていないらしいので、何も役に立つことができないと話していた。


トモミの提案でシンリュウもドリームエッグを育ててみることを進言したが、やはり分野が違うということで拒否されたが、一応頭には入れておくらしい。


トモミとも話しながら色々とまとめていたが、やはり筋肉痛がつらく、生まれたての小鹿のごとく足が震えていた。


日誌からすると、トモミは私に苦痛を与えることが好きだと書かれていたように記憶しているが、そんなそぶりを一切見せないので、日誌が間違っていることまで考えるようになってきた。


私に首輪?をつけたり、手かせ?をつけたりしたり、監禁?までもをしたりするのが好きだと書かれていたが、こんなに穏やかな子がそんなことをするのだろうか。


そんなことを考える程度には手伝ってもらったのがありがたかったが、シンリュウが私にちょっかいをかけたところでは苛立ちを見せていた。


流石に口調は崩れなかったが、ちょっかいをかけたことに怒っているのか、私にキスしたことに怒っているのかはわからなかった。


シンリュウが帰る前に一言二言質問してきたが、そのときのことを記録しろと言われたので、五号で記録した。


そのときのことを書く。


「よし、記録してるみたいだね。」


シンリュウが玄関で五号を見ながら言うのに対し、私が疑問を投げかける。


「帰るときになぜ五号を起動しろと?大切な話でもあるのか。」


私が身構えると同時に、シンリュウが小さな声で語り掛けてくる。


「さくらさんの今の状態が普通だって、本当に思ってる?」


いきなりそんなことを言ってくるので、面食らうが、それでも思ったことを言うことにした。


「えっと、日誌に書かれているのが本当なのかもしれないが、現状においては、今のあれが普通だと、理解しているな。


むしろ、日誌に書かれていることの方が、明らかに誇張されていると感じているのだが、ちがうのか?」


「あの子はね、本当はもっとかおりんに甘えたがってるよ、先生の私だからわかるけれどもね。」


こっそりと教えてもらったそれは、確かに思春期の子供が聞いたら憤慨する内容なので、ある種納得した。


「なるほどな。」


「あ、きっと勘違いしてる顔してる。」


「なにをだ?」


シンリュウが理解している顔をして指摘してきたので、問いかければ、シンリュウはほぼ耳打ちするような感じに教えてくれた。


「あの子は過激な愛情表現をしてくるタイプの子だから、気を付けてね、というか、受け入れてね。」


「は?」


それだけを言うと、シンリュウは離れていった。


「五号、もう切っちゃっていいよ、言う事は言ったからね。」


「いや待て待て待て、重要なところを伝えていないだろうが。


過激な愛情表現って何のことだ?あの日誌にはセクハラとしか記載されていなかったぞ?


確かに多少は過激なことをしていたケースも見受けられるが、それとこれとに関係性が大いにあるってことか?」


驚きを隠せずにいたら、シンリュウが人差し指を私の口に当てながら言ってきた。


「きっと、受け入れられないかもしれないけれども、受け入れなきゃ今後のかおりんが大変だからね、頑張ってね。」


その言葉に驚きつつ、その人差し指が離れていくのを見ていたら、そこに先ほどまでいなかったトモミが加わってきた。


「お言葉ですが、そのような発言は控えてもらうことを進言させていただきますが?


トウサカ先生はそのような邪推をハラさんに教え込む、そのようなご趣味でも持ち合わせているのでしょうか。」


妙に堅苦しい口調のトモミだが、それにリュウちゃんが笑顔で返すので、その意味について考えるのだが、そのような気性の荒い少女なのだろうか。


「お~お~怖いねぇ~、かおりんの養い子は、馬に蹴られる前に退散しますかねぇ~。」


「馬に蹴られるのは恋人同士の話ではないのか?」


シンリュウが荷物を持ち上げながらそんなことを言うので、私が問いかけるが、それにトモミがどんな顔をしているのかはわからなかった。


「それじゃ、また明日ね、かおりん、さくらさんも。」


言いながら扉を開けるから、私も片手をあげて軽く振ってやる。


「あぁ、また明日。」


その時のシンリュウの顔が意味深だったから、トモミの方を見たのだが、トモミは私にいつもの人畜無害な顔を向けてきていた。


「なぁトモミ、おまえはそんなに過激なことをしてくる奴なのか?」


つい本人に問いかけてしまったが、それに普通動揺するようなしぐさをするだろうと思っていたのだ、嘘を吐くときに人は案外動揺を隠しきれないことが多いと思っているところが私にはある。


「いえ?なぜそのような噂が流れたのか、私としても驚きなんですよね。


やっぱり、居候をしている形なので、邪推している方が多いのだと、勝手に推測をしていますが……。


どこをどう間違えたのか、それが疑問なんですよねぇ。」


本当に悩んでいると思われるしぐさをするので、その目をのぞき込むが、そらされることがないままにこちらを見つめてくる。


「監禁とか、そういったせくはら?に当たることとか、無駄に性交渉を迫ってきたりとか、そういったのもなかったのか?」


試すように相手の目の中を覗き込むが、その中には嘘偽りがない綺麗な色を宿している。


「はい、そうなんですよね。


そういったことをやらなかったのにもかかわらず、そのような噂が流れたのは、ひとえに百合廚が多かったことが原因かと。」


「よく百合廚なんて言葉、知っていたな。」


「クラスの男子に居るので、その者たちの話を聞いて知りました。


それと、今の保健体育や道徳の授業などでも、同性愛のことを知ることがあったので、その時にも確認することができましたね。」


どことなく不穏な感じはするものの、トモミの目はひどく清らかだ、よどみのないその目に私は信じることにした。


「ま、そりゃそうか。


中学生がそんな成人向け指定のことをしようっていうのは、流石に難しいか。」


腕組していた腕を解き、納得したように腰に手を当ててため息交じりにそんなことを言えば、トモミは途端に顔色を真っ赤にさせる。


「えぇ?!恥ずかしくてできるわけがないですよ!何言っているんですか!」


真面目な顔で至極まっとうなことを言うトモミに、きっと日誌に書いてあったことは嘘、とは言わないが、大きく誇張されているのだと理解することにした。


すると脳裏に瞬間的に何か聞こえた気もしたが、それが何なのかまでは、理解することができなかった。


その後は筋肉痛を治すために休んでいたのだが、シャドー達が私に戯れてきたのを色々とかまってやったり、食事を作るのはちゃんとやったりもした、流石に大人なので、子供の世話はやらねばという気持ちで頑張ったことである。


今日もトモミにはおいしいと言われたし、トモミもロフトベッドに上がるのがつらいと言ってきていたので、面倒だし一緒に寝ることを許してやった。


思春期の女子が一緒に寝るのを許容することについて思うところはあるのだが、確かに女性同士ならば積もる話もあるものかと思い直し、今日は色々と話をすることにした。


休んでいるあいだにも仕事はこなしたし、今日もゆっくりと寝られそうだ。

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