DAY224(金)5月10日
DAY224(金)5月10日
やはりというか、昨日よりも今日の方がひどい筋肉痛となり、死ぬかと思った。
ひとまず、やるべきことである各シャドーへの訓練を施し、それから研究作業へと入った。
いつも通りの研究に加えて、トモミがDTMで作った音声についてシャドーによって検査をかけてみたが、どうやら通常の音源では可笑しな挙動を見せないらしい、全てのシャドーが音楽を楽しんでいるのが見てとれた。
今後もその手の研究をトモミにはやってもらうつもりだが、今日は匿名性の仮面についての情報が入ったので、記載しておく。
その前に、今まで治療中であった私の卵が回復したため、その者たちの容態を見つつ、匿名性の仮面についての情報の解析結果について書いておく。
まず、治療中であったシン、アインス、そしてイルルだが、そのどれもが問題なく回復はしたらしいが、私に対しての好感度が下がっているのが見てとれたので、それのケアをまずは施すことにした。
簡単に言えばご機嫌取りをしつつ、シンにアインス、そしてイルルが好きなものを買い与え、一緒に遊ぶという仕事である。
それぞれ自身が痛かった事をしっかりと伝えてきたので、そのものたちに謝り、ご飯を食べさせ、しっかりと甘やかし、その上で治ったことを確認するためにそれぞれがやりたい遊びを一緒にやって、私が筋肉痛だというのも気にせずにはしゃぎまわるそいつらのことをしっかりとケアしてやった。
そのついでにリオンのこともケアしてやり、それらで皆、好感度を高めることに成功した。
現在日誌を読んでいる限りでは、リオンとの仲が悪くなったのは、こういったケアがなかったせいだと確認できるので、そのようにしたわけだが、リオンは不貞腐れたような顔をしてこちらを見ていたのが印象に残った。
まるで、『自分はこれだけ放っておかれたのに、なんでこいつらばっか可愛がられてるんですか。不公平です、それに今更自分をかわいがるとか、頭おかしいんですか?』とでも言いたげな顔をしていたので、椅子に座ったまましっかり目に甘やかしてやった。
その上でアインスに読み込ませた匿名性の仮面についての研究を始めたわけだが、どうやら使役している者たちは私のことを認識できるようだ。
日誌は現在節分の時まで読み進めているが、未だに匿名性の仮面についての記述はない、そしてトモミの使役しているドリームエッグに性的な拷問機能が追加されたのを読み取ったが、それを私に使われたとも読める記述があったため、それについても精査をせねばならないが、今は関係なかったな。
とりあえず、匿名性の仮面をつけていたとしても、卵自身は使役者自身のことを認識しているようで、シャドー達は使役者である主人のことを認識するのに別の何かを使っている可能性があるということが示唆された。
元々ワンダーエッグ及びドリームエッグにはお互い使役されている者同士と通信できる力があるので、その方法で認識しているともとれる反応の仕方をしていたが、正直詳しいところはわからない。
情報としてまとめられているところとしては、匿名性の仮面は基本的に機械には作用するようで、私が匿名性の仮面を使って機械を操作した分にはちゃんと記録されたが、それでも記録自体はおかしくなるらしく、データ上のバグはあるようであった。
上手く言うとすれば、匿名性の仮面を使ってデータを作ってもちゃんとしたデータは残るが、匿名性の仮面をつけているもの自身の映像を取るほうのデータはおかしくなり、写真や動画の映像が狂う。
そしてトモミにもお願いして確認したことだが、仮面をつけた状態で他者に記録を頼むと、仮面をつけているもののデータを取ることは困難であることが示唆された。
しかし、トモミ自身が特殊なのかもしれないが、トモミは私が私だということを認識できている可能性があり、その条件とすると、特定の作用をするシャドーを頭にかぶることで、私の認識ができるようになるというものだ。
それは、私が使役しているシャドー、特にフィーアのような頭部に装着するタイプのシャドーを付けた際に変化が現れた。
私が使役しているものを頭部に付けた際に、私のことを認識可能となり、それに加えて記載することにも一貫性が生まれた。
その代わりトモミ自身のシャドーを身に着けた際には確認できなくなったので、これはどちらなのかは精査する必要がある。
とりあえず、ほかの者にもお願いしてデータを取らねばならないことは確認できた。
その他の研究は後日行なうことにするが、通常業務自体は案外滞りなくできていると思う。
全体の成長率を数値で割り出し、それを加算させて表示させ、どのような成長をしているのかを見る、その上でどのような行動をしているのかまでを確認するだけなのだが、総勢約20名ほどいるものたちの確認は結構大変である。
おまけにそれに加えて9名のデータを見ろと言われているのは大変なのだが、シンリュウはそれ以外に学校の生徒に研究を施すという仕事もしているので私も頑張らねば。
確認したところで言えば、以前に新しく卵を渡した者たちも順調に育っているらしく、現在五カ月目らしいが、来月には成長しそうなことが成長率から確認できた。
不良とマーカーがなされている者たちの卵が変な成長を見せているので書かれているものを見てみると、複数人で育てているとあるが、色々とプログラムを漁った結果見つけたパラメータを見てみると、ドリームエッグの方が人に囲まれていた方が幸せだと感じるらしく、ワンダーエッグは一人の主人に仕えるのが好きなのだろうか、あまり幸せの数値が伸び悩んでいた。
チィチャンやナナッチは基本的に複数人で一緒に居るのだろう、とれているデータもおかしく、暴走とかではないが、情報が色々と錯綜しているのが見てとれる、特に変化についてのストレスがなぜか高く、どのようなものを読み込ませているのかはわからないが、汎用性の高い個体にはなっているようだ。
どのような種類になるのかについては道具となっており、近接遠距離の攻撃型では全くない存在、道具による作用が強い個体となるようだ。
マツダテは比較的一人で育てているのだろうか、それとも複数人で育てているのだろうか、通常と同じ成長を見せている、が、一定の基準において奇妙な変化をしているようにも見てとれるのが気になるところだ。
コマニュウはなんだか、複数の数値が良い成長を見せているので、きっとちゃんと育成されているのだろう、シラカミはどことなく水を与えているのがわかる数値をしていた。
空腹度が比較的高くなっているので、今度注意することにする。
不良たちと記載されているところ以外に一人、トウカという名前があるが、彼女の成長はなかなかに面白いことになっているようだ。
ほかの者たちと同様の成長をしているはずなのだが、近接武器でも遠距離武器でも道具でもない、ましてや回復でもない奇妙な変化をしているようだ。
その名も「???」一体何を現わしているのかが全く分からないが、それでも彼女がどのようなものを育成しているのか、ちゃんと注視しなければならないことはわかる。
成長期になった者たちの卵は基本的に能力が固定となったのだろう、そのなかでも一名、そろそろ変化するのが確定している者がいる、それがハジメだ。
ハジメと書かれたマーカーには依然幼体とあるのだが、そろそろ成長期になる兆しが表れ始めているのだ。
そのことについて連絡をしようとしたが、明日でもいいかと考え直し、その後は普通に家事をこなしたりした。
特筆することはないが、あえていうならばトモミが日誌に書いてある人とは違うように読み取れるところである。
一体私は何をしたのだろうか。




