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DAY13(木)10月12日

DAY13(木)10月12日


今日は、朝に昨日確認しなかった連絡を見てみたら、連絡を取りたく思っていた例の女子中学生達から連絡が入っていた、どうやらヨリカとヨウカの卵が孵ったらしい。


個別に会えないかという連絡を入れてから、今日の報告書を書き、終えてから家の中で、組織のインターネット会議に参加し、外へ出た。


不定期的だが、連絡は入れている。まだ詳しい内容はできていないのにこまめに報告をしなければいけないのは、正直面倒だとは思うが、研究を進めるためだと、仕方ないことだと割り切る。


今日も今日とて中学の付近に出ると、不審者として通報されかねないため、今日も今日で大きな公園のほうへ行く。


その公園で、散歩がてら卵の情操教育をしていたら、朝に返信を返した女子中学生のほうから私のことを見つけてくれたらしく、近づいてきてくれた。


その時の記録が残っているから書いておく。


「あ、ハラさん!」


私のことを見つけたからか、大声をあげながら手を振ってくる女子中学生、返すようにこちらから片手をあげれば、相手は手を下ろしたあと、少し駆け足で近づいてきた。


「あぁ、久しぶりだね。どうだい?その後は。」


名前をしっかりと憶えていなかったのでそのように言うと、相手は笑いながら話しかけてきた。


「やだなぁ~、ハラさんからワンダーエッグをもらって、昨日孵化したから連絡入れたんじゃないですか!」


「それは覚えているよ。」


ワンダーエッグを渡した女性はヨリカだけだったので、この少女はヨリカだということがわかった。


学校の制服のままで学生鞄を背負っている姿から、どうやら帰りの道中に公園に寄ったみたいだ。


「それで?どんな子になったか、写真でいいから見せてもらえないかな?」


要件を単刀直入に言うと、ニコニコしながらポケットから取り出したそれは、水色でプルプルとしていて、ほぼ透明でスライムのような、つるつるとした見た目で、ほかの個体と同じように、丸いことには丸いが、ずいぶんと柔らかそうな体に黒い点が二つ、間隔を開けて表面に存在している。その距離からそれが目だということがわかる。


なんか、そんなやつだった。


「ほう、なかなかかわいいじゃないか。」


そんなことを言いつつも、実際脳内ではこれは不定型というものだということを特定しており、不定型は珍しいから良いサンプルが取れそうだ。なんて不躾な事を思っていると、ヨリカがどや顔でこちらに話しかけて来た。


「でしょ!私としてもいい感じだと思う!」


自分のペットを自慢する人よろしく、瞳孔が開いている感じがするヨリカに対し、一つ疑問が浮かんだ。


「というか、ポケットに入れてバレなかったのか?」


私が問うのもおかしいが、学校帰りなのに卵をポケットに入れていたのかという、そんな疑問が浮かんでしまい、自慢げなその姿に向かって思わず問うと、ヨリカは何か含みがあるような顔でニヤッと笑う。


「この子、すっごくやぁらかいんだー。だからそこまで疑われなかったんす。」


「そ、そうか……。」


自信満々なその様子に、何をどうしたのかかなり気になってしまい、後学のためにも聞いてみるか。と思った直後に、相手が答えを教えてくれた。


「まぁ確かに、分裂はしやせんが、ポケットの中とか、筆箱の中とかみたいなね?そいった隙間に入ることができるみたいでね?どこにでも連れていけぅみたいっす!」


エッヘンと言いそうなぐらいに胸をそらした相手に、心の底から本気で思ったことを問いかける。


「それはよかった。それで?なんで孵って一日目でそれがわかったのだろうか?教えてくれないかなぁ。」


私からの疑問に対し、『何か不思議なことでもあるのだろうか』という顔をしてくるヨリカ。


「なぜって……動くときに体を変形させながら動くから、スライムっぽいなぁって思って。

試しに筆箱の中に入れてみぁら入ったんすよ。」


あっけらかんと答えて来るヨリカに向かって、何か言いたかったが、言葉にならなかったそれを封じ込めて頷く。


「なるほど、確かにそれは持ち運べるな。」


顎に手を当てながらふむふむと聞いた後に、鞄から発信機を取り出す。


「せっかくだし、生まれた証にこの首輪をつけるといい。自分がこのワンダーエッグの所有者だということを示すための証になるからね。」


そういいながら取り出した首輪を、色や柄を選ばせるために複数見せると、ヨリカは微妙な顔をする。


「私の子に首輪つけなダメ?なんか、窮屈そう……。」


「首輪は嫌なのか?」


相手からの不服に対し、思わずそう尋ねると、ヨリカは素直に頷いた。


「だって、グニグニ動くのを見るのが面白いし、自由に形を変えることが難しくなりそうだし……」


今回のようなことを想定していなかったため、不定型に対しての発信機は用意していなかったため、困ったことになってしまった。


「うーん、そうだなぁ……それじゃ。

また後日ここに来てくれ、その時にヨリカが希望する証を持って来よう。

どういったのがいい?」


自分の中の課題として一旦考えるために、何とかする前提でヨリカに問うてみると、悩むようにうなりながら考え、数分間くらいじっくりと考えはじめ、しばらく色々と目や手の動作でわたわたした後に答えを出したらしく、全ての動作を止めこちらをまっすぐ見てくる。


「シールみたいなのがいいかな、ボディシールみたいな!」


指定されたものはボディシールか。確かに首輪についている発信器は小さいので、作れなくはないな。


「ボディシール、とはいってもどういったものがいい?形は色々あるけど。」


発信器がついていると気が付かれなければ、極論形などどうだっていい。そう思いつつ相手のつけたい形を問う。


「うーん、そうだなぁ……ッスー……すぐに思いつかんから、書いてきていい?」


相手がそう言ったので、私は頷いた。


「あぁ、好きな形に書いてきていいぞ。」


「やったぁ!」


その後、今日から数えて3日後にまたここに来るという約束を取り付けてから、今日のところは別れた。


ヨウカのことを探すために商店街にまで行こうかとも思ったが、日が暮れているため、既にきっと家に帰っているであろうことは、私でも容易に考えられたので、帰宅することにした。


卵たちにご飯を作ってからデスクに向かうと、ヨウカから連絡が入っているのが確認でき、明日なら会えるとのことであった。


すでに渡してある発信機の記録を確認してみると、今日はアカリとユシタンの卵が孵ったらしい。


卵が孵った組からの連絡はまだ来ていない、それを確認してから報告書を書き、送り付けてから寝ることにした、これから大変になりそうだ。

追記

ヨリカの口調を少し手直ししました。

ヨリカは不思議な子というのを考えながら今は書いているので、初期の時と口調が違って、それが後から設定違いとなったのが理由です。

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