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朝食が終ると、女騎士に連れられえて王様と王妃様と御目通り。
と言っても、玉座の間じゃなくて、王様御夫婦の私室だったけど……。
無言……。
無言……。
無言……。
このまま、何も言わないまま、昼食の時間になるんじゃないかってぐらいの長い無言……。
「て……手違いが有ったようだな……」
ようやく、王様の口が開く。
「申し訳ありません」
「幸か不幸か……髪と目の色は、私と同じです……。私に似たという事にして下さい」
銀髪に琥珀色の目の王妃様は、そう言った。
「は……はい、その予定です」
「と……ところで、今更だが……」
王様の声は、疲れが溜りきってるような感じだった。
「やはり、無理が無いか? この計画?」
「隣国の王子との見合いは、明日です。今から計画を変えるには遅過ぎます」
「やはり、急病か何かと言う事にして……」
「ですが……」
「見るに耐えん田舎芝居が始まる事になりそうだな……。もう全てが遅いが……」