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「あ〜、クソ……慣れない事やったせいで……体があっちこっち痛え……」
「だから、明日からも、これが続くんだよ、当分は」
1日の仕事が終り、お風呂タイム。
「あ〜、でも、毎日、風呂に入れんのだけは、いいな、王宮」
「あれ? 結構、筋肉付いてんだね」
「そっちは、結構、胸がデカいな」
「邪魔なだけ。基本的に侍女は肉体労働者なんで」
「で、肉体労働者なのに、何で、あんな動きにくい服なんだよ?」
「ラートリーは王宮では草原の民の服を着てたけど」
「おい、早く言え。あっちの方が体動かす仕事には向いてる」
「どこに有んの、それ?」
「そりゃ……王宮の外の……あっ……」
「何故か、ボクたちは、王宮から出られない」
「明日からも、あの服か……」
「ところで、隠し扉の、あの魔法、何なの?」
「判んねえ。あたしが、王宮から出られないように、あたしにだけ反応する魔法をかけてるらしいけど……でも、何でお前にまで反応したんだ?」
「訊いてんのはボクの方だよ」