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 翌朝……と言うか、女騎士のウシャスさんと魔法使いのサティさんは「熊おじさん」の件に掛りっ切りみたいで、こっちには顔を出してないんで、子分達に呼ばせに行って……結局、サティさんと話が出来たのは、昼食後だった。

「あ……えっと……確かな話なのか、それ?」

「い……いえ、ボクは……伝えといてって頼まれただけなんで……でも、獣化能力者(ワーアニマル)退治に、何で、そんなに……」

「通称『熊おじさん』と、その身内は、獣化能力者(ワーアニマル)の中でも最上位種らしい。単なる熊並の戦闘能力じゃない……熊を素手で殺せる戦闘能力を持ってる」

 ……えっ?

「更に、超再生能力持ち。骨や内臓に達していない傷は瞬時に塞がる。加えて、ベテラン級の魔法使い数人分の魔力を生まれ付き持ってる。魔法使い系の訓練をしてなくても……魔法に対する抵抗力は極めて高い。……魔法系の訓練してたら、いわば『通常戦闘でも魔法でも最強クラスの魔法戦士』の出来上りだ」

「あ……あの……それ……田舎芝居の『俺強えええッ‼』系の主人公ですか?」

「それが現実に居て、ヤクザの親分をやってると思ってくれ……。『熊おじさん』の出来の悪い息子を逮捕しようとして……王都警固隊の選抜(エリート)部隊が十数人殺された事が有る。全員、鎧兜が締め技や打撃技を食って変形していた」

 あああ……。

「じゃ……攻撃魔法とかは……?」

「町ん中で、そこまでの化物を殺せる攻撃魔法をブッ放ってみろ。どれだけの二次被害が出ると思う?」

「呪い殺すとか……」

「やった事は有った。あたしより技量(うで)が上の魔法使いが5人がかりで呪ったけど……肝心の『熊おじさん』はピンピンしてた。あと、内3人が『呪詛返し』で死んだ」

「あの……王都に今居る後継者候補って……その……?」

「一番強いのは『江府』のモング」

 江府ってのは、この国最大の川とその最大の支流が交わる辺りに有る、この国の農産物生産とその輸送の要になる都市(まち)だ。

「『熊おじさん』とは6分4分の義兄弟で……戦闘能力は『熊おじさん』を十とするなら……九って所かな? 次が『湊府』でヤクザの女親分やってる娘のジョリーと『砦府』の色町を仕切ってる甥のドンリー。この2人は、モングに一歩劣るが……それでも父親が十としたら八ぐらいは有る」

 湊府は、草原の民が住んでる草原より更に東に有る国々との海洋交易の拠点、砦府は西の「神聖王国」との国境防衛の要衝。王都・江府・湊府・砦府の4つがこの国の中で頭抜けて人口が多い町になる。

「で、元から王都に居て『熊おじさん』の仕事を手伝ってたのが……」

 えっ? まだ、マズいの居たの?

「息子のヴォイド。こいつが一番弱いが……さっき話した選抜(エリート)部隊十数人をあっさりブッ殺した奴だ」

 サティさんは……溜息をついた。

「王都に化物が3人集ってるって話……事実かを至急調べて……本当だったら、作戦の建て直しだな……」

 そして、もう一度、溜息。

「あと、遺書も書いとくか……。短い付き合いだったな……」

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