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 ボクと世話役の魔法使いさんが「リドワンの門」から王宮を出ると……。

 数少ない通行人達は、ボク達の方を見て「えっ?」と言う表情(かお)になった。

 どうやら、本当に、この門から出るのは死人か助かりそうにない病人・怪我人だけで、ピンピンしてる人間だけしか出て来ないってのは、人間が生きたまま天国に行けるぐらいの異常事態らしい。

 とりあえず、ボクは、あの晩に隣国の王子様をブチのめした女の子の特徴を通行人に話して、どこに居るか知らないかを訊いていき……ところが、何故か、ボクの話を(はた)で聞いてた魔法使いさんが首を傾げ……。

 どうやら、この界隈では有名人らしく……いや、ホントに、この辺りを仕切ってるヤクザかも知れない……ほんの数人目で「さっき、あそこの酒場に入って行った」って情報を入手。

 その酒場に入ってみると……あの晩の3人の女の子達が酒盛りを始めようと……ん?

 何故か、その1人がボク達の方を見ると、急に店の奥に逃げ出し……。

「えっ?」

 残ったのは、あの日の昼に「リドワンの門」に案内してくれた()と、隣国の王子様をブチのめした()

「ラ……ラートリーに……ヴァルナ……なのか?」

「姉貴?」

「お姉ちゃん? 何で?」

「さっき、奥に逃げたのは……」

「あいつにも色々と都合が有る。詮索はするな」

「いや……あいつ? でも……あの……」

「それより、何で、姉貴が……その素敵なお嬢さんと一緒なんだ? まさか、また恋人と喧嘩別れして……新しい恋人が……?」

「え……えっと、違うと思います」

「それは好都合……お嬢さん、もしよろしければ、一緒にお食事など……」

「待て。それより、何で、この王都に居る?」

「その事情は、そっちが知ってるだろ」

「あの後、王都見物と洒落込んでる内に……気付いたら、この界隈を仕切ってるヤクザ達をブチのめして、後釜に、あたし達が座ったんだよ」

 魔法使いさんは……ゲンナリした表情。

「えっと……まさか……こいつらが……王子に対する牽制役?」

「え……ええ……。えっと、マズい人達だったんですか?」

「わ……私の妹達だ……。髪を束ねてる方がラートリー。もう片方がヴァルナ」

「あ……あの……何が有ったんですか?」

「色々とな」

「話せば長くなる」

「どこにでも良く有る……厄介な家庭の問題」

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