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面白いのはこれから/The Half of It

「うげげげ……あんた……何者なの……?」

「あの……ボク、心が広いから、謝ってくれれば許してあげるんだけど……なのに、キミ、何で謝ってくれないの? 謝ったら死ぬ病気なの?」

 ボクは、そう言いながら、床に倒れてる王女付きの侍女のリーダー格の頭を踏み付けた。

「だ……だから、あの……靴を隠すってのは、ここの新人教育みたいな……ああ、やめて……」

 ボクは、わざと、このボケナスの頭を踏み付けてた足を高く上げ……でも、ボケナスは、次に何が起きるか予想は出来たようだ。

 こいつも馬鹿じゃない。

 なのに、ボクを怒らせるような馬鹿な真似をした。

 世の中ってのは不思議だ。

 1人1人は丸っ切りの馬鹿じゃない奴らが……集団になると、馬鹿な真似をする。

「だから、キミ達は、ウチのお嬢様に本物の王女様のフリさせて、ボクに王女付きの侍女のフリさせればいいんでしょ、それも半月ぐらいの間だけ。なのに、何で新人イビリなんてやってる暇が有るの?」

「ああ……あ……」

 ボクは周囲に倒れてる「本物の王女様」付きの侍女達を見回す。

 もちろん、ボクにブチのめされたんだけど……ボクは頭がいいから、ちゃんと顔に痣や傷が出来ないようにブチのめしてあげた。

「はい、じゃあ、まずは、王女様って、どんな人か説明して」

「そ……それが……」

「もう……早く言ってよ」

「知らない」

「へっ?」

「ここに居る王女様付きの侍女は……王女様が、どんな人か知らないの」

「ご……ごめん、言ってる意味が判んない。多分、ボクかキミのどっちかが、自分で思ってるより遥かに馬鹿なせいだと思うけどさ……」

「だ……だから……王女様は、子供の頃に酷い喘息になって、治療の為に田舎の離宮で育ってて……ずっと王宮に帰って来てないの……」

「ちょ……ちょっと待って……ボクが聞いた話は、ウチのお嬢様が病弱な王女様の身代わりになって、隣の国の王子様とのお見合いに出ろ、って事だった筈だけど……」

「そうよ。そうだけど……」

「まさか、何か、この話、とんでもない裏の事情が有るの? 王女様は、実は、もう病気で死んでるとか?」

「そ……それが……私達も何も聞かされてないの」

 いや……だから……何がどうなって……?

 判るのは、ただ1つ。政治家や王族ってのが、事態をややこしくするだけの自分では名案だと思ってる阿呆な陰謀を巡らすのが大好きな欠陥人間どもだ、って事だ。

 さて、たよりないけど、心は優しい……言っちゃ悪いけど、田舎の貧乏貴族のお嬢様の更に侍女のボクが、何で、この王宮で王女付きの侍女のフリをする羽目になったかと言うと……話は少し前に遡る。

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