フローネ
「極氷龍コキュートス·グリード」と出会った
二日後…
ハクビ達はロクベイとオサエの呉服屋にいて
前にハクビとサクヤが案内された部屋で
コキュートスの着物を選んでいた
「あのなぁ!俺に着物は絶対似合わないって!」
コキュートスは少し着物を着るのを
嫌がり抵抗しながらそう言う
「いいじゃないコキュートス!絶対似合うって!」
ハクビがそう言うと
「そうですよ!ハクビ様の言うとおりですよ!
コキュートス様」
サクヤがそう言うと
「あのさぁ!お前達二人ともさぁ!言いづらいだろ!
だからさぁ二人ともこれから「キューコ」って呼んで
良いよ!」
コキュートスが着付けをされながらそう言う
「わかった!」
二人は同時にそう言う
「はい!出来ました!」
オサエがコキュートスの着付けが終わり
自慢気に言う
コキュートスが着た着物は
色は淡い水色に紫陽花があしらわれた着物だった
「どう!?」
コキュートスが照れながらそう聞くと
「似合ってるよ!」
ハクビがグッジョブサインをしてそう言うと
「そう!なら良いよ!」
コキュートスが苦笑いをしてそう言う…
そしてロクベエとオサエの呉服屋を後にする
「ねぇ!キューコ!」
「何だハクビ?」
キューコがそう聞く
「前に「俺と友になったのは二匹しかいない」って
言ってたけど私の前にどんなやつと友達だったの」
ハクビがコキュートスの前に止まる
「あぁ!その事かぁ!…」
コキュートスがそう言うと
後ろからサゲンタが来た
「ハクビ様!あっ!これはコキュートス様
こんにちは!」
サゲンタがそう挨拶すると
「サゲンタ何の用?」
ハクビがそう聞くと
「はい!実は用があるのはハクビ様ではなく
コキュートス様なのです!」
サゲンタがそう言うとコキュートスに近づき
「お聞きしたいことがございますので
よろしければ今晩私の家まで
おこしいただきたいのですがよろしいでしょうか?」
サゲンタがコキュートスにそう聞く
「いいけど!今じゃぁ駄目なのか?」
コキュートスがそう答える
「はい!」
サゲンタは力強く返事をする…
そして用件が終わるとサゲンタは去っていったそして
「ねぇ!さっきの話だけど…」
ハクビがそう言うと
「あぁすまない忘れてた!」
コキュートスが苦笑いしてそう言う
「何の話しだっけ!」
「もう!私の前にいた友達のこと」
ハクビが頬を膨らませてそう言うと
「あぁ!その話しか!はぁ!」
コキュートスはそう言うと一回ため息を吐く
「どうしたの?」
ハクビが心配そうに聞く
「いやぁなに!違うんだ!はぁ!俺はこの話しをするのは
嫌なんだ!」
コキュートスはそう嫌がりながらも話してくれた…
大体百年前コキュートスには一匹の友がいた
コキュートスはとある理由で狙われることが多々ありその時たまたま攻撃が
羽に当たって森に不時着した時があって
その時ある魔物に出会った
そしてその魔物はコキュートスを癒した
それからコキュートスはその魔物と仲良く
なった
そしてコキュートスと出会って数ヶ月後
その魔物は子供が産まれた
そんなある日…
コキュートスが大量の食べ物を持って
その魔物の住みかにいくとその魔物がいなくて
奥まで行って衝撃を受けた
その魔物が産んだ3匹の子供の死体がそこにあった
そしてコキュートスは友である魔物を探した
するとある国の首都で大暴れをしていた
コキュートスはそれを空からただ見ていること
しかできなかった
そしてその魔物がひとしきり暴れて弱って
倒れた時
その魔物が心臓をひとつきされ殺されてしまった
それをただ見ていることしかできなかった
コキュートスは
一度その魔物が住みかに戻り
その魔物の子供の死体に触れる
そして自身の「固有能力」で記憶を見た
それはあまりにも酷かった
無抵抗の子供を無惨にも殺した
しかもそれが大鬼だった
そして
もう一度その魔物が暴れた国の首都に急ぎ飛んで行く
そして着いた頃にはその国の首都で
見せしめにその魔物の毛皮を剥ぎ取ろうとしていた
コキュートスはそれに激昂してそれに乱入して
「貴様ら!よくも俺の親友を殺したな!しかも
何の罪もない子供にまで手を出しやがって
もう許さねぇ!」
コキュートスが激昂してそう言うと続けて
「3日後またここにこの国に来るまでに
貴様らの国の王族を磔にして俺の前に差し出しな!
じゃなきこの国…いやこの土地全てを獄氷で包む」
コキュートスがそう言ってその魔物の死体を
そっと抱き抱え飛び去る
そしてその魔物が住みかに戻り
そしてそっと親友だった魔物の亡骸を
その魔物の子供の死体の近くに置く
するとコキュートスは今までの楽しい思い出を
思い返していた
しつこかったが可愛いかった親友の子供達
じゃれて噛みついてきた子供達
そして見ず知らずの自分を助けてくれた親友…
出会ってから笑いが絶えずそして
幸せだったあの頃にはもう戻ってこない
そして大切な親友とその子供達はもう戻ってこない
それに涙が止まらずにいた
そして二日間昼夜問わず泣き続けた
辺りが凍りついてるのも気づかないで泣き続けた
そして三日後…
親友だった魔物を殺した国に行くと
生きたまま磔にされた王族が複数並び
それに群衆が群がるそしてその中から一人の男が出て来て
「この通り王族を磔にしましたですので
この土地全てを獄氷に包むのをどうかお考え直しください」
男がひれ伏しながらそう言うと群衆も後に続いて
ひれ伏す
コキュートスは磔にされた王族をひとしきり
見回して
「うむ!土地全てを獄氷に包むのは止めにする」
コキュートスがそう言うと磔にされた
王族達が徐々に凍るそして群衆は安堵するだが
「ただしこの国は例外だ!この国だけ獄氷で包む」
コキュートスがそう言うと安堵していた
群衆が狂乱した
そしてコキュートスは宣言通り
その国だけを獄氷に包んだ
そしてその国は滅亡した…
「まぁそんなことがあったんだ!」
コキュートスがそう言うだがその表情は
どこか悲しげで悲哀に満ちていた
「へぇ!でも何でその話しをしたくなかったの?」
ハクビがそう聞くと
「それは…」
コキュートスがその理由を言いかけたその時
ズドンという大きい音が村の入り口の門から
して三人は急いでその音の聞こえた方に向かう…
「おいおいまたかよ!」
一人の男の大鬼が頭を抱えてそう言う
「せっかく修繕したばっかなのに!」
男の大鬼はそう言うと家から飛び出し
急いで門の方に向かった
そして門の近くまで来ると修繕したばっかの門が
何者かの手によって見るも無残な状態になっていた
すると男の大鬼は辺りを見回して犯人捜しを
始めた
すると一人の人間が悠然と歩いているのを見て
(あいつだなぁ!)
男の大鬼がそう思うい声をかけようとする
だがその声は届くことはない
何故なら凍らされたからだ
その犯人はフローネだった
そしてハクビ達が門の近くまで来たのを察知したフローネ
「見つけた!」
そう言うと剣を振ると
地面から先端が尖った氷柱が無数に出てくる
それを紙一重でかわすハクビ達
「おい殺意むき出しじゃあねぇか!お前何かしたのか?」
コキュートスがそう言うが
ハクビは何のことかわからずただ首を横に振るだけだった
「ちっ!仕方ねぇ!ここは俺に任して!」
コキュートスがそう言うとフローネの方に向かう
するとフローネはコキュートスに先ほどと同じ攻撃を仕掛けた
そしてコキュートスは避ける素振りも見せず
フローネの攻撃を受けるすると
コキュートスは氷に包まれる
「次はあなたの番よ!」
フローネはそう言うとハクビに剣を向ける
だがその時
「何だよ!この生ぬるい氷は!」
コキュートスがそう言うとコキュートスを覆う氷がみるみる
うちに砕けていくそれを見たフローネは驚きを隠せないでいた
ハクビは氷が砕けた音に驚きしりもちをつく
「ありえない!氷牙竜の力だぞ!普通の人間が…」
フローネはそう言いかけたその時何かを察っして恐怖する
そこには人間にはない鱗のある尻尾が見えた
そしてフローネはハクビを見て人質にしようとハクビに
向かおうとするがコキュートスがフローネの一瞬の隙を
ついてフローネの間合いに入ると首をつかみ体を持ち上げる
そして
「ふん!俺の友を殺そうとするとは良い度胸じゃあねぇか!
それがお前の間違いだったんだよ!」
コキュートスがそう言うとフローネは段々と氷に包まれる
そして全身が氷に包まれるとその氷を殴って砕いた
「大丈夫か?」
コキュートスがそう言ってハクビに手を出すハクビは
その手を握り起き上がり
「うん!大丈夫…」