獄氷龍コキュートス·グリード
あの騒動から一ヶ月がたとうとしたある日…
その日の朝からハクビが暮らす屋敷ではちょっと
騒がしかった
何故かと言うと…
「ハクビ様ぁ!」
一人の男の大鬼がハクビの暮らす屋敷を訪れた
その男は身長は大体165cmぐらいで
体格がいい短髪のイケメンだった
「あら!ヤクモじゃあないの!朝ぱらから
何のよう?」
サクヤが屋敷を訪れたヤクモに聞くと
「あぁ!サクヤか!ちょうどいい
ハクビ様に届け物があるんだ!」
ヤクモがそう言うと
「なら私が渡そうかぁ!」
サクヤがそう言うと
「いや!直接渡したいだから入っていいか?」
ヤクモがそう聞くと
「わかったわ!ちょっと待ってね!」
サクヤがそう言うとヤクモを屋敷の一室に案内した
一方ハクビは…まだ寝ていた
しかもその格好は少し寝間着の帯がほどけて
裸に感じになっていた
そこにサクヤがきてハクビを見るなり
抱きついて
「あぁ!本当に可愛いなぁ!」
そう言う
ハクビは抱きつかれた衝撃で無理矢理起こされた…
そしてその状態で行こうとして止められ
「ハクビ様!そんな状態で行く何て不謹慎です!
せめて着替えてください!」
サクヤが怒った表情を浮かべてそう言う
(えぇ!もう少し寝たいのに!)
ハクビはそう思っていた…
そして淡い水色の着物に着替えたハクビが
あくび混じりにヤクモが待つ部屋の戸を
開ける
そしてハクビはヤクモの前に座り
ヤクモはハクビに座礼をして
「お会いできて光栄ですハクビ様!」
ヤクモがそう座礼をしながら言う
「でっ!渡したい物って何?」
ハクビは真っ先に本題に入る
「あっはい!実は長老から頼まれてハクビ様のために
武器を作ったので献上したく馳せ参上したしだいです」
ヤクモはそう言って横に置いていた大きな風呂敷を広げる
そこには二本の刀があった
(あれこれ日本刀だよな?日本風の建築といい何なの
この世界?)
ハクビは少し戸惑いながらそう思ったそして
「こちらがハクビ様のために作った「白焔ノ夜月」
と「白焔ノ彼岸」でございます」
ヤクモは自身が作った刀を自慢気に紹介した…
ヤクモはこの村で一番の刀鍜治で刀のことになると
周りが見えなくなり没頭し続けるらしい…
そしてハクビはヤクモが作った刀を手に取り
刀身を出してみた
「白焔の夜月」は刃の部分まで黒いが
光沢はまるで水面に映る夜月のような
淡い黄色がかっていて
「白焔の彼岸」は先ほどの「白焔の夜月」と
同じく刃の部分まで黒いが
光沢は先ほどは違い黄泉の入り口に咲く
彼岸花のような紅色がかっていた…
そして
「ありがたくちょうだいするよ!」
「ありがたき幸せです!」
ヤクモはそう言って
「これにて失礼!」
ヤクモはそう言ってこの場から立ち去る
そしてハクビは
「少し寝るから何かあったら起こして!」
ハクビはそう言って座っていた座布団を枕代わりにして
眠った…
それから大体一時間位たっているだろう時
「ハクビ…!ハクビ様起きてください!」
サクヤがハクビを横に揺らし起こす
「うーん!何かあった!」
ハクビはそっと起き上がると
着ていた着物がはだけて
右肩の素肌がチラッと見えた
そしてサクヤは(これはこれでありかも)
そう思った
そして
「おはようございますハクビ様!」
ハクビが着物を戻しながら振り向くと
そこにはサゲンタがいたそして
「おはようサゲンタ!」
ハクビはそう挨拶してサクヤが
何故いるのか説明してくれた…
ヤクモが屋敷を出てから大体三十分後
サゲンタが来たみたいで
それからずっと起きるのを待っていたらしい…
「これがハクビ様に献上した刀ですかぁ!
あっ!」
サゲンタはハクビに献上された刀を見て興奮するが
ふと何かを思い出す
「ご報告が遅れ申し訳ありません!
実はハクビ様にもしもの時のための刀を作って
もらったわけです」
サゲンタがそう説明するとハクビは頷いて納得した…
サゲンタが説明を終えた数十秒後…
「大変だ大変だ!」
そう言いながらハクビの屋敷に入る一人の男の大鬼が
いた
「どうしたんだ!そんなに慌てサキチ?」
サゲンタが屋敷に入って来た男の大鬼サキチ
に聞くと
「サゲンタ聞いてくれ…あっ!ハクビ様もいたのですかぁ
気づかなくて申し訳ない!そのな事より聞いてくれ」
サキチが慌てた様子でそう言うと
「まぁまぁ!聞くから落ち着け!」
サゲンタがサキチを落ち着かせる…
「落ち着いたか?」
「あぁすまない!」
サキチはようやく落ち着いたようで
「でっ!何があったんだ」
サゲンタが本題に入る
「おぉ!それがよぉ!いつもの「アクティア湖」で
漁をしよう思ったんだよ!でよ!着いたら着いたで
驚いたよ!何と冬でもねぇのに氷が張ってたんだよ
でよ!よぉく見たらよそこにドラゴンがいたんだよ」
サキチがそう言うとサゲンタが驚愕して言葉を失う
「アクティア湖」とは…
大鬼の隠れ村から南西にある湖で豊富な漁場として
有名でこの湖の魚は一級品と言われるほど…
「それは本当かぁ!」
サゲンタが慌てそう聞く
「あぁ!本当だ!この目ではっきりと見たからな!」
サキチがそう言うとサゲンタは深く考え始め
「よし!確認しに行く!」
サゲンタがそう言うと
「なら私も行くよ!」
ハクビがそう言うと
「ハクビ様危険ですから村にいてください!」
サゲンタそう言ってハクビがついて来るのを
阻止しようとする
「えぇ!いいじゃない!」
ハクビは頬を膨らませ目をうるうるさせて言う
それはまるでだだっ子のようだ
それに
「分かりました!」
サゲンタは折れてそう言う
「よかったですねぇ!ハクビ様」
サクヤがハクビにそう言う
だがこの時ハクビの心の中では
(やったぁ!これでドラゴンをこの目で見ることが
できる!どんなのかぁ楽しみだなぁ!)
ハクビの心の中ではオカルト雑誌の編集者としての血が
騒いで仕方なかった…
そしてハクビ達は「アクティア湖」に向かった
道中何もなかったが何となく寒いと感じていた
そして「アクティア湖」についてサゲンタは驚いた
「まさかあれは…」
サゲンタは目の前に広がる光景よりも
サキチが見たドラゴンに注目していた
サキチが言うとおり湖は凍っていただが表面てきで
だが中までは凍ってなかったがそれも時間の問題だろう
そしてハクビはサゲンタがずっと見ている方を見て見る
するとそこには一匹の傷ついたドラゴンがいた
そのドラゴンは転生する前の世界の中世ヨーロッパの
伝承に出てくるドラゴンの絵みたいな見た目に
体を覆う鱗は透き通った水色に鋭い爪と牙があり
翼は氷のようなものでできていた
そして
「誰…だお前達は…まさか私の寝込みを襲った国のやつかぁ!」
そのドラゴンが怒りをあらわにしてそう言う
そして戦闘態勢に入ろうとする
「ハクビ様!危険です!私の後ろに…」
サクヤも戦闘態勢に入りハクビがいる方を見るが
ハクビはおらず辺りを見回すとそのドラゴンの方に
向かって歩くハクビを見つける
「ハクビ様!」
三人が同時にそう叫んだ…
ハクビは
(これがドラゴンかぁ!やっぱ本物は違うなぁ!
でも傷ついてる…そうだ!)
ハクビは心の中でそう思い行動に移り
無数の緑色の狐火がハクビの周囲を浮遊する
(この一ヶ月でようやく狐火をだすのにも
慣れてきたからなぁ!これなら…)
ハクビがそう心の中で思うと
無数の緑色の狐火がそのドラゴンの傷に
向けて飛んで行く
するとドラゴンの傷がみるみるうちに
消えていく
「これでよし!」
ハクビがそう言うと
「何故助けた?」
ドラゴンはそう聞くと
「別に理由何てないよ!ただおもしろそうだから
助けたそれにもしかしたら友達になれるかもしれない
そう思って助けたただそれだけのこと!」
ハクビがそう言うとドラゴンは笑い
「フハハ!おもしろい!この俺と友になろうとした
やつ何てお前含めて二匹しかいない…
良いぜ今日から俺とお前は友だ!」
そうドラゴンは言い右の前足をハクビに出し
「えぇ!」
ハクビもそれに答えるかたちで右手を出して
握手する
「ハクビ様!」
三人が同時にハクビの元へ駆け寄る
「あぁ!三人とも!」
ハクビはそう手を振りながらそう言う
すると三人はハクビの前に立ち
ハクビの盾になろうとした
「貴様!ハクビ様に何をした」
そう言ってサゲンタ達は
ドラゴンに襲いかかろうとする
「ちょっと待って!」
ハクビはそう言って三人を止める
そしてハクビはことの経緯を一から説明した
三人はそれを聞いて納得して
「まさかハクビ様が「原初の龍の娘」と友人になるとは
さすがハクビ様!」
サゲンタがそう言って感心すると
「えっ!「原初の龍の娘」?」
ハクビとサクヤは何のことかわからないでいた
「ほぉ!よく知ってるなぁ!そう俺は…いやこれは
お前達大鬼が暮らす村で話そう」
ドラゴンはサゲンタ達を指さしてそう言う…
そしてハクビ達はドラゴンの背に乗り
大鬼の村の広い屋敷そうハクビとサクヤが暮らす
屋敷の広い庭に着陸したそして
「ねぇ!大きすぎるから小さくなれない!?」
ハクビが大声でそう言うと
「わかった!」
ドラゴンはそう言うと
ドラゴンの全身を分厚い氷に覆われるたそして
ドラゴンを覆った分厚い氷が徐々にひび割れる
そして割れると中から一人の少女が全裸の状態で
出てきてサゲンタとサキチは急いで後ろを向く
その少女は身長が大体160cmぐらいで
胸は大体サクヤと同じかちょっと大きいぐらいあり
髪は透き通るような水色で
目も透き通るような水色をしていて
龍の尻尾と羽がな無く一見すると
人と間違えるぐらいだった
そしてサクヤが急いで有り余りの布を被せるそして
「改めて!俺は「原初の龍」の娘獄氷龍コキュートス·グリード
以後よろしく!」
そのドラゴンコキュートス·グリードがそう
自己紹介をする…
一方とある国の一角にあるギルド支部
のギルドマスターの部屋では…
「入れ!」
ギルドマスターがそう言う扉が開く
すると一人の女性が入って来た
その女性は身長が大体170cmぐらいで
胸は普通の大きさで
髪は鮮やかな赤色で
騎士風の鎧を着て
腰に剣を携えた女性が入って来た
「何のようだ!?フローネ!」
ギルドマスターが入って来た女性フローネに
そう聞く
「単刀直入に聞く!あの人達が死んだのが魔物に奇襲にあったって
あれ嘘だろ!?」
フローネはギルドマスターの首に剣を近づけて
そう聞く
ギルドマスターはいたって冷静に
「真実を知ってどうするきだ?」
ギルドマスターがそう聞くと
「私の質問に答えろ!」
フローネは激昂してそう言う
「はぁ…わかった!教えてやるよ!確かに魔物に奇襲
されて死んだっていうのは嘘だ!だがこれ以上は
教えない!」
ギルドマスターがそう言うとギルドマスターは
机の引出しを一つこっそり開けそこにあった
短剣を手に取りフローネに向けようとする
だがその短剣をフローネに向ける前に
首をはねられ首と胴が二つに別れたそして
「残念です!あなたのことを尊敬していたのに!」
そう言うとフローネは懐から一枚の紙を取り出して
二つに切りギルドマスターの部屋に投げる
すると大きい爆発が起きて
慌てた様子でギルド職員が見に来る
その横をフローネが平然と通る…
そしてハクビ達はこれがやがて大きな波乱を
招くのをまだ知らない…