33 釣られた魚たち
備前に戻った俺はまず検地をする事にした。
既に石高は前世の知識で覚えてるがちゃんとしたらいいだろう。
三成に命じて彼を奉行とし9カ国で大規模な検地を行った。
結果として160万石程度だった。
「160万石あれば5万人は動員できるな。このまま天下を取るか?」
俺が笑いながら言う。
「まずは織田を潰す必要がありますな。気は進みませぬが。」
全登の言うことも最もだが親父のいない織田家に用はない。
「戦国の世にて左様な甘いことは言っていられませぬ。それに殿は天下を取ると私に約束されたのですぞ。」
三成が言う。
うん、約束したよね。
「とりあえず背後が不安ですな。明智と池田をどうにかしてこちらの味方にすべきでしょう。」
吉継が提案する。
確かに4カ国60万石となると不安……。
んー不安かな?
「いやそれより村上水軍を使って牽制した方が良いのでは?」
「小西殿の提案が良さそうだ。」
行長の提案に宗茂が賛同する。
「じゃあ村上水軍には行長から伝えておいてくれ。で、向こうが仕掛けてくるのを待つかこちらから動くかだが。」
「向こうが仕掛けてくるのを待つべきですな。」
満場一致だ。
「決定じゃな、じゃあ防衛作戦を考えよう。まず罠をかけるのは確定としてどうかけるかじゃ。」
「姫路まで誘き寄せて但馬道から別働隊を回して挟撃すれば良いでしょう。」
吉継が提案する。
「となると津田信澄の調略は必須ですな。信雄と信孝を始末したあとで近江と越前当たりを餌にする必要がありそうです。」
うーん、三成の言うことはご尤もだ。
気は進まないが安土会議では味方してくれたし期待するか。
「あとは四国対策に塩飽はこちらの味方にする必要がありますな。」
「小西殿の申される通り。塩飽の調略は親次にお任せくだされ。」
「おう、では姫路に篭城するものを決めよう。」
そう言うと全員黙り込んだ。
マジでやめろや。
「じゃあ宗茂に任せる。」
「えっ?私ですか……。」
まあ500の兵で5万の島津軍押さえつけたし問題ないでしょ。
「奇襲部隊は達安と長船に一万五千を預ける。本隊は俺たちと花房の軍勢の二万。これでどうだ?」
数は微妙だけどどうせ敵はバカしか居ないし大丈夫だろ。
で、みんな納得したので合戦の準備が始まった。
「申し上げます、宇喜多が戦の準備をしております!」
信雄の家臣が報告する。
「やはり始めたか、宇喜多!諸将に動員をかけよ!何としても宇喜多を討つぞ!」
信雄が動員をかけた。
そして一週間後、摂津大坂城に集まった織田軍は4万だった。
「なんか少なくないか?」
信雄が聞く。
「佐々と森は徳川対策で動けず柴田は権六がもう虫の息で三千しか出せず尾張と美濃の兵も動かせず津田信澄は何故か五千しか出さず中核は兄上の伊勢衆1万と我らの四国勢二万です。」
信孝が言う。
しかも四国勢も微妙にやる気が無さそうだ。
「うーむ、まあ五郎左も久太郎もおるから大丈夫じゃ!行くぞ!」
ということで織田家の宇喜多征伐軍が動き出した。




