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19 やらかした

Twitter作りました @p99010153

動かすか分かりませんが是非フォローしてください

播磨に入った宇喜多軍は龍野城の蜂須賀軍を駆逐し姫路城に差し迫っていた。


「なんか怪しいな……。」


その声が自然と出るくらいに羽柴の守りは薄かった。

マジでどこからか奇襲とか仕掛けてきそうだ。


「八郎様!快進撃ですな!」


バカでかい声で言ってきたのは富川達安。

以前話した富川の息子で史実では最終的に宇喜多を裏切ってる。


「ああ、でも怪しいよな。」


「そうですな。何も仕掛けてこないのも不思議です。」


「殿、大変です!」


全登が入ってきた。

おいおいなんだよ。


「先鋒の花房殿より報告。姫路城の大手門が開いております!」


つまり空城って事か?


「つまり敵はおらぬと?」


達安が聞く。


「おそらくはそうかと。しかしながら不自然なので殿に確認したいとのこと。」


あれ?この感じ昔聞いたことがあるぞ。

確か空城計だっけ?


「それは罠っぽいな。素通りした方がよかろう。」


「いや、ここは攻め込もうぞ。」


そう言って秀勝様がやってきた。

アホかこいつは。


「敵の本拠を前にして素通りなど武士として面目が立たぬ。」


「いやー、しかしですねぇ。罠がある可能性も。」


「ワシは羽柴家に10年以上いたが羽柴家にそこまでの器量のものはおらぬ。攻め込もうぞ。」


ああ、こいつは何を言ってもダメだ。


「致し方ありませぬ。花房に攻め込むように命じよ。」


俺は渋々全登に言った。

クソっ!こんなことなら秀勝は城に置いてくればよかった。


そして城に突入した花房隊を待っていたのは大量の鉄砲だった。


「申し上げます!花房殿が奇襲を受けております!丹波様もそれにを救援するために城内に突入されました!」


全登からそれを聞いた俺は采棒をへし折った。


「馬鹿野郎め!なぜこうも易々と罠に引っかかるのだ!」


俺はさらに続ける。


「直ぐに秀勝を連れ戻してこい!もし戻らんなら捨て置け!」


「よろしいのですか?」


全登も行長も俺が秀勝にキレてるのに驚いてる。

まあ仲良くしてたもんなー。


「構わん!どうせ三年のうちに死ぬなら今ほっておいても構わん!」


「三年のうち?」


2人ともキョトンとしてる。

あっ……史実のことを言ってしまった。


「あのような命知らずでは早死するという事じゃ!早う行って参れ!」


で、行長が使者として向かったのだが秀勝はそれを突っぱねた。

アイツが行ったせいで花房は退路を断たれ、撤退できず討死しアイツ自身も羽柴の捕虜になった。


一通り合戦が終わったあと羽柴方の使者がやってきた。


「お初にお目にかかりまする。大谷紀之介吉継にございます。」

「藤堂与右衛門高虎にございます。」


なるほど。このふたりが城にいたのか。

尊敬してる武将に会えて普段なら興奮してるはずだか俺はイライラしていた。


秀勝のせいで親父(直家の方)の譜代の花房正幸は死に二千近い兵を失い秀勝の兵のほとんどは捕虜になった。


「城代、黒田職隆より言付けを預かっております。捕虜を返す故、宇喜多軍は播磨より撤退して頂きたい。」


吉継が言う。


「お断り致す。」


俺はキッパリ答えた。

みんな驚愕だろこれは。


「もはや秀勝には付き合いきれん。その方らで好きにするが良い。」


「トカゲの尻尾切りか。」


高虎が小馬鹿にしながら言う。

こいつ全体的に戦国〇双の高虎に似てるな。


「なんだと?丹波様のせいでこちらは譜代の正幸を失ったんだぞ!」


岡がキレた。

花房と親友だったもんな。


「あんたらも貧乏くじを引いたってことだ。その花房とやらの家臣共が捕虜になってる。ここはこちらは秀勝を、あんたらは捕虜の返却と龍野を手に入れるということで良いな?」


こいつ礼儀悪すぎだろ……。

でも二千近くが捕虜になったんだ。

見捨てたらそれこそ末代までの恥だ。


「残念ですがそうするしか無いな。しかしこれで終わりと思うなよ。」


俺が渋々承知すると、吉継は丁寧に頭を下げると高虎を連れて出て行った。


宇喜多陣を出たふたりは姫路城の廊下を歩いていた。


「まさか秀勝を手放すとはな……。信家は何を考えているんだ?」


「信家殿にも信家殿なりの考えがあるのだろう。ともかく信長の子を人質に取れたのは大きいぞ。黒田殿に早速報告しよう。」


吉継と高虎の報告を受けた黒田職隆もこれを了承し宇喜多軍は龍野城まで撤退した。

吉継が花房正幸の遺体と捕虜を引き渡してくれたので正幸の葬式をした信家は龍野城に正幸の嫡男の正成を入れた。


播磨戦線が停滞している頃、信濃川中島には柴田軍と北条軍が睨み合っていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] ようやく大谷(本来なら刑部少輔の)吉継が登場したぁ! 秀吉が 「百万の軍勢を率いさせてみたい」 と言った官僚。
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