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11 本能寺が変?

いやタイトルと矛盾してるやないかい!

っていうのは自分でも思いました。

小田原を攻めるべく出陣した滝川軍は北関東の佐竹や宇都宮、結城などを率いて武蔵北部を瞬く間に制圧し東山道より小田原に入った甲信越の軍勢は徳川家康率いる東海の軍勢と共に小田原を包囲した。


そして京、本能寺にて信長は明日の出陣に備えるべく宿泊していた。


「上様、わざわざ上様が出向かなくても北条などは……。」


蘭丸が聞く。


「ワシが出向き北条を撫切りにしてこそ意味がある。ワシに逆ろうた事を後悔させるのじゃ。」


「左様でございますか……。九州には行かなくても?」


「九州には十兵衛と如三がおる。それに信家もよ。奴は若いが才能がある。我が子にしたいくらいじゃ。」


「備前殿をそこまで評価されるのは何か理由でもあるのですか?」


「あやつはワシの若い頃によう似ておる。それ故に見ていて面白いのじゃ。」


「上様!一大事にございます!」


信長の部屋に小姓の一人が飛び込んできた。


「なんじゃ、申してみよ。」


「寺が敵の軍勢に囲まれておりまする!家紋は沢瀉紋、羽柴筑前守殿の軍勢でございます!」


「何!?」


蘭丸は信長の目の色が変わったのがわかった。


「あのゴミ同然のあやつを拾ってやったのはどこの誰だと思っておる……。蘭!槍と弓を持ってまいれ!あの不忠者を討ち取ってくれるわ!」


「ははっ!」


既に織田勢と羽柴勢の交戦は始まっていた。

秀吉軍は寺に火矢を撃ちじわじわと攻撃していた。


「叔父貴、俺たちにも攻撃の許可を!」


そう言って秀吉の元に頼み込みに来たのは子飼いで親戚の福島正則と加藤清正だ。


「わかった。信長が首を持って参れ!」


「おう!」


2人はそう言うと槍を持ってかけて行った。


「羽柴家家臣、加藤虎之助清正!日ノ本を荒らす魔王信長、俺が狩ってくれるわァ!」


そう言うと清正は自慢の方鎌槍を振り回した。


「ギャァァァァァァ!」


兵士たちの悲鳴が夜の京に響く。


「ココカラサキニハイカセヌゾ!」


そう言って清正の前に黒人が立ちはだかった。


「何だこの黒いのは!さては信長が飼っておる猿だな!」


清正は早速斬りかかった。


「ムン!」


だが黒人は清正の槍を片手で掴んだ。


「なに!?」


「ワレハウエサマガカシン。弥助ナリ!ハンギャクシャドモメカクゴセヨ!」


そう言うと弥助は清正の腹に蹴りを入れた。


「グッぁッ!」


清正が血を吐きながら倒れる。


「ファック!」


そう言って弥助は腹を抑えて苦しむ清正の首を掴んだ。


「や……やめろ!離せ黒猿!」


「ノー。」


そう言うと弥助は清正の首をへし折った。


「何……虎之助!ええーい!次は俺が相手だ!」


清正が殺されたのを見た正則が斬りかかった。


「脇が甘いぞ!」


そう言って蘭丸が正則の横腹に槍を突き刺した。


「色白小僧がァァァァッ!」


そう言うと正則も崩れ落ちた。


「フハハハハハハハ!弱いわ!弱すぎるぞ猿!」


信長は笑いながら矢に火をつけて羽柴兵を射抜いていく。

その火が広がって羽柴勢は全く動けなかった。


「皆の者!信忠が来るまで耐えよ!よいな!」


信長は家臣を鼓舞した。

秀吉を二条城の信忠が背後から攻めれば勝てる。

そう信長は思っていた。


だが現実は甘くない。

二条城は既に羽柴勢の手に落ちつつあった。


「新五郎(斎藤利治)……もう少し戦えると思ったのだがな。」


信忠は血だらけになりながら重臣の利治に言った。


「流石は秀吉と言ったところです……。先に逝きますぞ。」


そう言って利治は崩れ落ちた。


「新介!新介はおるか!?」


「はっ!これに。」


信忠に呼ばれ毛利新介がやって来た。

まだまだ戦えそうだ。


「ワシはもう無理じゃ。何としても敵の大将の蜂須賀小六を討ち取れ。さすればサルに取って少なからず打撃はあるだろう……。残りの手勢を率いて敵の本陣を目指すのじゃ……よ……い……。」


そう言うと信忠は力尽きた。


「皆の者!聞いたな!我らが狙うは蜂須賀小六が首ただ一つ!他には目もくれぬな!」


新介はそう言うと100人ほどの戦えるものを集め陣形を組んだ。


「皆の者!我に続け!」


毛利勢はただ蜂須賀小六の本陣を目指して突撃した。


「どけどけどけぃ!我は織田家黒母衣衆、毛利新介なり!死にたいものはかかってこい!」


毛利勢に立ちはだかろうとした兵士達は一瞬のうちに肉片となりもはや止められるものはいなかった。


「すまぬ藤吉郎……。お前の天下を見ておきたかったぜ!」


小六はそう言いながら毛利勢に飲み込まれた。


「毛利新介!蜂須賀小六が首、討ち取ったなりぃ!」


その声が響いたのはすぐ後だった。


「殿!二条城攻撃部隊の足並みが乱れておりまする!援軍を送るべきかと。」


明らかに攻撃が緩んでるのを察知した官兵衛はすぐに秀吉に進言した。


「ダメじゃ!タダでさえこちらが手間取っておるのに二条城にこれ以上兵を送るなど!」


「信長を討ち取る事もですが現当主信忠を討つ方が先でございます。信忠さえ討てば敵の士気は下がるでしょう。」


官兵衛が説得している所に三成が入ってきた。


「申し上げます。織田信忠を討ち取りました。されど小六様がお討死。」


「何?小六が討死だと!?」


秀吉が焦っているのは官兵衛にはすぐ分かった。


「殿、一先ずお休みくだされ。これより指揮は私が取りまする。佐吉、殿をお連れしろ。」


「ははっ!」


三成が秀吉を連れていった後、官兵衛は采配を握った。


「尾藤隊と戸田隊は一旦兵を引け。宮田隊は信長が逃げられぬように脇道などを全て固めよ。それから前野隊と宮部隊は信長の首が燃えぬように消火せよ!」


官兵衛の指揮は迅速且つ的確だった。

諸将は官兵衛の指示通り動いた。


「火を消したか……。ワシの首を是が非でも取るつもりじゃな。なら最期まで相手をしてやろう!」


信長はそう言うと槍を片手に戦い始めた。


「加藤隊と亀井隊は全軍をもってして信長を討ち取れ。中村隊は鉄砲で信長を狙え。」


パパッパンッッッッッッッッッ!


羽柴鉄砲隊の鉄砲が火を吹いた。


「グッ!」


1発の弾丸が弥助の腹を射抜いた。


「弥助!」


蘭丸が駆け寄る。


「ランマルドノ……。ウエサマヲマカセタゾ……。」


そう言うと弥助は静かに目を閉じた。


「おのれ!許さぬ!」


蘭丸は弥助の槍を鉄砲隊の指揮官の中村一氏に投げつけた。


「ぐっ!」


見事に槍は一氏の喉元を貫き鉄砲の攻撃が緩んだ。


「今ぞ!皆の者!蘭に続け!」


信長がそう言うが蘭丸に続こうとするものは10人ほどしかいなかった。


「ここまで減っておったか……。」


その時、信長は敗北を確信した。


「おい!サルと話がしたい!連れてこい!」


信長は槍を捨て羽柴兵に呼びかけた。


「上様!何を!」


「是非に及ばすじゃ、蘭。武器を捨てよ。」


信長にそう言われたので蘭丸達も武器を捨てた。


「信長……。貴様の手では平和な世は作れぬ。」


大量の護衛に囲まれながらやって来た秀吉が冷徹に言う。


「ふん。ではお主では作れると申すか?笑止千万!はっはっはっ!」


「笑っておれるのも今のうちぞ。すぐにあの世に送ってやるからな。」


秀吉が刀に手をかける。


「ワシを斬ってもお主は誰ぞに斬られるぞ。十兵衛か権六か、それとも信忠か?」


「安心せよ。信忠は既にこの通りじゃ。」


秀吉はそう言って信忠の首を家臣より受け取ると信長に投げた。


「くっ……。ワシの子に手をかけたらどうなるか分かっておろうな……。」


「信雄も信孝も秀勝も皆すぐに同じようになるわ。」


「ふん!そのような事がお主1人でできるわけがなかろう。」


「ワシ1人ではないとしたら?」


その時信長の脳裏に信じ難い仮説が出てきた。


「まさかお前……。」


「どうやら分かったようじゃな。ではあの世で答え合わせといこうか。」


そう言うと秀吉は刀を抜き信長の首を切り落とした。


「うえさ……ぐっ!」


信長に駆け寄ろうとした蘭丸達は皆槍で刺された。


「首は洛中に晒せ。すぐに公方様に使者を送れ。」


秀吉は信長の首から目を背けて言った。


戦国の風雲児、信長は50年の生涯を終えた。

この変を後世の人は本能寺の変と呼ぶ。

これから長い長い戦いが続く事を信家が知るはずもなかった。

信家さん知る由もないこと多すぎじゃね?

あと加藤清正のセリフは物議を醸し出しそうですがあくまで『フィクション』なのでご理解ください。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんでヤングくんが信長コンツェルトの二次創作でもないのにいるんや、史実なんですか、、
[一言] 桐紋は政権担当者の紋なのでこの時期は信長か信忠で秀吉は千成瓢箪か沢瀉紋じゃないかな
[一言] 秀吉は小六や清正、正則等子飼いを失いましたね。 特に小六の死は片腕を捥がれたも同然ですね。
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