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プレッパーの朝は早い。というわけではない。

そもそも地球滅亡寸前のこんな状況になるまでは、俺も普通の高校生だったわけだし、高校生という肩書の裏で、本業であるプレップ(プレッパーズ業界の専門用語。世界滅亡に備え、食料の備蓄等を作成したり、ゾンビ化した人々が襲ってくる時に備え、銃撃訓練を行うこと等の「準備行為」を指す。)をこなそうとすると、どうしても時間が足りなかった。


が、こんな状況では、もちろん高校など行く必要はないわけで(というか行きたくても学校自体やっていないわけだが)高校生活に使っていた時間がまるまる浮いているわけだ。


なので、今のところの後藤家の状況としては、

プレップ・コンサプション(プレッパーズ業界の専門用語。プレップした食材、道具等を消費する行為をいう。)で使用期限が迫っているものを使いつつ、並行してできる限りのプレップをする、というような生活状況になっている。


もちろん、以前の日常でしていたプレップが100%できるわけではないので、何だかんだ言って、後藤家がこれまでに用意してきた備蓄は、僅かずつ減ってきてはいる。

プレッパーの俺としては、僅かずつとはいえ備蓄が減ってきている状況なだけでも落ち着かない心境であり、むしろ気が狂いそうなほどストレスがかかっているわけだが、まだ焦るような状況ではない、と自分自身に言い聞かせてなんとか日々を過ごしている、というところである。


農耕用の種は様々な気候・土に対応できるよう数百種類を備蓄している。将来的に状況が落ち着いた時のことなども考え、物々交換等のために観賞用の花等の種も併せて備蓄しているのはご愛敬だ。

ちなみに、農耕はプレッパーズ的にはお手軽で簡単、制作量の予想も立てやすいことから非常に人気のあるサバイブ用品である。(種の状態であれば、値段が安価なことも人気の理由である。)


しかし、今の後藤家では、本格的な農耕というのはまだ初めていない。災害が起き、大混乱が起きた直後のこの状況では早すぎるというのが一家の大黒柱である親父の意見だし、自分自身も同じ意見だ。


現在は様々な人間が、自分なりの方法で生き延びようとしている。

それまで防災バッグくらいは用意していても、せいぜい3日~1週間くらいを避難所等で生活することを前提にした準備しかしていなかった連中が、誰も助けてくれない状況で生き抜くことを想定はしていなかっただろう。

プレッパーズからしたら、唾棄すべき連中でもある、「何の備えもしてこなかった奴ら」が今になって慌てて動き始めている。

大災害が起きてから、初期~中期にかけての混乱期において、「持っている」ことを自ら公表することこそ馬鹿な行為はない。

最低限の能力、分別、力すらない奴らが淘汰されてからがプレッパーズの本領発揮なのだ。

農耕等のアクションを起こすのは、それからだ。ゲスー


主人公は両親によってプレッパーズの英才教育を受けているため、ナチュラルに頭がおかしい設定です

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