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第69話〜異変

…………。


あれからまたヒナは何を言っても返してくれなくなった。


ジッと動かず、何を考えているのかも分からない。


隠形状態になったのか、気配がより捉え辛くなってしまった。


まぁ俺の眼なら見る事はできるんだけど。


しかし妹、か。


…………。


「…………遅過ぎる」


唐突にヒナが立ち上がった。


俺は俺でヒナには見えていないステータス画面を消して立ち上がる。


確かに遅過ぎる。


「もう1時間はとっくに経過してる」


「ダンジョン探索で時間を忘れている可能性は?」


試しに聞いてみる。


「ダンジョンの中でも時間の流れは分かる」


それはそうだ。


ダンジョン探索は冒険者の仕事。


C級冒険者パーティーが時間を忘れて探索を続けるなんてことはない。


ましてや今回は様子見だ。


何かあったと考えるのが普通だろう。


クールになれ。


頭を働かせろ。


情報を精査し、無駄な選択肢をなくせ。


「罠の可能性は?」


「ラナンがいれば……魔法的な罠には引っかからない。考えられるなら物理的な罠」


ラナンさんなら。


職業の精霊術師からして、精霊を使役するとか、精霊魔法なんてものでも使えるのかな。


それで魔法的な罠なら発見できる、と。


「強力なモンスターがいる可能性は?」


「出来立てのダンジョンには低級のモンスターしかいない。ダンジョン内のアンデットは共食いすることはほとんどない。仮に共食いしてもまだそこまで強いアンデットには進化していないはず。リーダーとミーシャがいれば問題なく倒せるはず」


…………。


「……それで、俺たちはこれから¨どうしますか¨」


俺からの問いかけ。


それを無視し、ヒナは歩き出した。


ダンジョンの入り口に向けて。


あえて問いかける。


「何処に行くんですか?」


「ダンジョンに入る」


「1人じゃ危ないですよ」


「物理的な罠なら解除できる」


「応援を呼ぶべきでは?」


「時間が惜しい」


「俺もついて行きます」


「足手まとい」


「分かりました」


俺が素直にそう言うと、ヒナは足を止めてこちらを見た。


けれどすぐに入り口の方を向き、ダンジョンへと踏み出した。


「もし他の冒険者たちが来たら事情を説明して。入り口の周囲には魔獣除けの結界を張ってあるから、モンスターや獣は近づかない」


そう言い残して、ヒナはダンジョンの中へと消えて行った。


…………。


1、皆んなが出てくるまで待つ。


2、このまま立ち去る。


3、応援を呼びにいく。


4、ダンジョンに入る。


…………。


約10分後。


俺はダンジョンの入り口に足を踏み入れた。


このまま立ち去ってもいいし、応援を呼びに行くという選択肢もあった。


依然として嫌な予感もあった。


けれど……。


¨呼ばれている¨。


この感覚は言葉にできない。


けれど、ダンジョンが俺を呼んでいる。


俺は入り口を潜り抜け、ダンジョンへと立ち入った。

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