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第47話〜踏みにじられた信頼

…………。

…………。


「……✳︎✳︎、✳︎い、ガキ!」


お腹に生じた痛みに、深い眠りについていた僕の意識は覚醒した。


ドンッ!


「ッ……!」


再び衝撃が走る。


今度は背中だ。


それほど強くはないが、顔をしかめる程度には、痛い。


「『さっさと立ち上がって付いて来い』」


目が覚めたことが分かったのだろう。


男はそう言って背中を向けるのが見えた。


頭が重い。


思考が鈍い。


状況が理解できない。


蹴られたお腹が痛い。


混乱が収まらないが、自分の意思とは別に身体が勝手に動いた。


ボクの意思も身体の痛みも無視して。


立ち上がり、男の後を付いていこうとする。


「……ッ!………!」


疑問を言葉にしようとして、声が出せない事に気付く。


この状況は何だ?


何が起こっている?


「『この檻に入って大人しくしていろ』」


薄暗い通路をしばらく進み、薄汚い部屋に入った所でそう命令された。


身体が勝手に男の言う事を聞いて動き出す。


まるで大型の猛獣でも入れておくような、鉄格子で組まれた3メートル四方、高さ2メートルほどの檻の中に自分から入る。


後ろで扉が閉まり、鍵を掛けられる音がした。


見れば男は部屋から出ていこうとしている。


「……!」


声をかけようにも、喉の奥から声は出てこなかった。


…………。


頭を落ち着かせ、状況を整理する。


ここは入ってきた入り口以外に出入り口のない小部屋。


窓はなく、灯りもない。


通路から届く光が辛うじて部屋を薄く照らしている。


部屋は獣臭にも似た異臭が染み着き、得体の知れないシミや汚れが放置されている。


檻の中は比較的汚れていないが、剥き出しの鉄板の床に体温が奪われ、低い室温と合まってすぐに身体が震え始めた。


部屋と檻、それ以外には何もなく、食料や水のようなものも何もない。


…………。


今の僕の格好は意識を失う前のものとは違った。


ボロボロの麻で出来た貫頭衣、それ以外には何も持っていないし身に付けてもいない。


まるで穴の空いた麻袋を被っているようだ。


着ていた服も荷物も起きた時にはどこにもなかった。


パンツすら履いてない。


「…………。」


先ほど何も持っていないし身に付けてもいないと言ったが、服以外に唯一身に付けているものがあった。


身に付けているというか、嵌めているというか。


金属でできた分厚い首輪。


それが僕の首に嵌められていた。


冷たく重く、触れると体温を奪われるような感じがする。


不思議と継ぎ目はなく、つるりとした表面には一箇所だけ何やら模様が彫り込まれているようだった。


…………。


現状から考えられる事は一つ。


僕は奴隷になっていた。

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