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第46話〜人を信じるということ

…………。


ボールスたちとは大通りで別れることになった。


孤児院は奥まった所にあるらしく、馬車だと大きく迂回しないといけないらしい。


なのでこちらからそう言ったのだ。


ただでさえ遠回りどころか無駄な回り道と余計な出費をかけている。


余計な手間はかけさせたくなかった。


それに孤児院にも行くつもりはなかった。


見た目は子供とはいえ、中身は15歳だ。


片手でも出来る仕事を探して、いずれはダンジョンにいくつもりだ。


次こそは万全の準備をして。


「そうかい?じゃあ、あたしが…」


「オレが孤児院まで連れていってきますよ!あねさんたちは出立の準備をしていてくだせぇ」


ジュリアを遮ってベンが声をあげた。


「そうかい?じゃあ最後までしっかり送り届けるんだよ」


「……達者でな」


「おいベン!孤児院に着いたらこいつを一緒に渡せ」


ボールスからベンに手紙と皮袋が渡される。


なんでも孤児院に預けられるにも紹介状とお金が必要らしい。


彼らには本当に世話になりっぱなしだ。


できればこの場で別れることができればよかったが、彼らからしてみればここまで来て子供をほっぽることなどできないのだろう。


残念ながら孤児院からはすぐに抜け出すつもりなので、このお金は無駄になってしまう。


だが、いずれ再会した際にはちゃんと恩返しがしたいな。


…………。


「喉かわかねぇか?ほれ、しばらく贅沢なんてできないだろうし、これ飲みな」


馬車を見送り、表通りを外れてしばらくすると人気が疎らになってきた。


大きな街とはいえ中心はまだまだ奥、門からまっすぐ続く大通りを外れてしまえば人通りは一気になくなった。


ベンはいつの間にか買っていた、果実を絞ったジュースの入った瓶をこちらに渡してくる。


軽そうな言動ばかりだったが、あのパーティーのメンバーなだけあってお人好しなのだろう。


ずっと荷台に乗っていたとはいえ疲れないわけでもない。


多少喉も渇いていた。


「ありがとうございます。……これなんて果物なんです?変わった味ですね」


「…………。」


「……?べんさ、ん……あ、れ?」


急に貧血を起こしたみたいな目眩がした。


すぐに手足に力が入らなくなり、自分の意思とは別に身体がその場に崩れ落ちる。


強烈な眠気が頭を支配し、意識が段々と沈んでいく。


「……、…………?」


声が聞こえた気がした。


しかしそれを最後に僕の意識は深い眠りへと誘われてしまった。


…………。


僕はダンジョンで死の恐怖を知った。


けれど、人間の悪意に関しては無知だったことをこれから知ることになる。

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