第22話〜管理者とは
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ベルからの説明は1時間近くに及んだ。
いや、事あるごとに質問を繰り返した俺のせいなんだが。
まず前提として管理者について。
管理者とは文字通り、その世界の存在を管理する者たちの総称である。
いわゆる人間たちが崇める神という存在。
しかし神と言ってもその役割はそれぞれ大きく異なる。
全世界を創造した始祖神を会長とした大会社が世界を管理しているイメージだと言えば分かりやすいだろうか。
時間や空間などの概念を司る管理者がいて、その下に何某を司る管理者がいて、さらにその下には……と。
管理者にも階位があるらしい。
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まぁそんなこと説明されても「はぁ、そうなんですか?」という感じだが。
それで、俺をベイオルフの元へと送ったのが別世界の魂の管理者なのだそうだ。
魂の管理者の役目はその世界の魂の質に問題が起こったり、欠損してしまったりで輪廻転生の流れにそのまま戻すわけにはいかない魂が生じた場合、それらを時間をかけて浄化したり癒すことなのだとか。
しかしどうしても魂にも個体差があり、また同じ世界で延々と転生を繰り返していると魂の磨耗が早まったり、イレギュラーが生じやすくなる。
だから定期的に異なる世界の管理者たちが魂のトレードを行うらしい。
もちろんその場合、魂の浄化が行われ、純粋無垢な状態で別の世界へと送られる。
余談だが、他にもよほどその世界で徳を積んだり、功績を挙げたり、世界そのものに貢献した魂などは転生の管理者の采配でより優れた世界や本人の望む世界へと渡ることも可能らしい。
そしてさらに余談だが、一時期転生システムのエラーで、とある条件を満たすと最高評価で異世界転生が出来るバグが起こったことがあるらしい。
その場合、異世界での優遇措置として強力な能力や恩恵、生まれなどが約束されていたらしい。
言葉は濁していたが、トラックが関係していたとか。
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しかしながら今回は事情が異なるらしい。
そもそもベイオルフは魂の管理者というわけではないそうだ。
新たに創造された一つの世界そのものの管理を任されているのだとか。
驚いたことに、あの適当そうな男は結構偉い立場だったらしい。
新たに創造された世界、そこは所謂魔法と剣を始めとしたファンタジーそのものの世界。
ファンタジー系統の世界は異世界からの転生希望の倍率が高く、管理者にとっても楽しい職場(?)らしい。
その中でも特に『冒険こそ日常!日常こそ冒険!』がコンセプトで、世界に迷宮が乱立した世界をベイオルフ監督のもと創り上げられた。
管理者たちにとっても注目度の高い世界らしく、様々な要素の詰め込まれた一大テーマパークのような扱いらしい。
世界は安定期に入り、一つの世界として完成した。
評価は上々、後は他の世界の魂を受け入れ、それが馴染むことができるかをテストするだけ。
そのため他の世界から少しずつ魂を転生させることになった。
世界に影響を与えられないよう入念に浄化された魂。
肝いりの企画なだけあって、慎重に魂の選抜は行われた。
しかしそこで待ったをかけた管理者がいた。
それが何を隠そうベイオルフ本人(本柱?)である。




