第10話〜十階層へ
余分なところはカットで。
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一歩踏み出す。
すると左右の壁から穂先が鋭く尖った槍が3本ずつ突き出されてきた。
同時に前後の床からも斜めに、こちらに向かって槍が突き出されてくる。
「ふっ!」
左右の槍を一歩下がることでかわし、しゃがみながらナイフを振るう。
前方の槍は頭部を掠めるように通過し、背後の槍は両断された。
槍は暫くすると自動で壁や床へと戻っていく。
そして…
ーーーギャギャギャ!
歩き始めてすぐに前方の曲がり角から子供ほどの身長で、緑色の皮膚をした醜い小鬼が現れた。
シュッ!
それを手に持ったままのナイフを投擲することで仕留める。
小鬼は頭部からナイフの柄を生やしたままピクピクと痙攣していたが、少しするとピクリとも動かなくなる。
そしてその死体は溶けて床に吸い込まれていった。
後に残ったのは小指の爪ほどの大きさの小さな小石。
それを拾って先に進む。
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最初の部屋で目覚めて、今日でおそらく30日目。
部屋に刻まれた【正】の字を合計すれば80回以上ここでリセットされている。
それだけ繰り返して、それだけの情報があって、ようやく¨10階への階段¨へとたどり着いた。
何度も繰り返しているせいか、身体能力が上がっているのが分かる。
背後からの攻撃や、離れた角に潜むモンスターの気配も何となくだが読めるようになった。
1月程度しか使っていないはずのナイフが、自分の手足の延長のようによく馴染む。
記憶はないが、明らかに人としての能力を超えつつあるのではなかろうか。
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¨レベルアップ¨。
そんな単語が頭に浮かぶ。
今いるここがゲームの世界ではないかという仮説を、結構前から仮説を立てていたみたいだが、あながちそれも間違いではないのかもしれない。
これがゲームだとして、次は前情報も何もない10階層。
もし本当にゲームならば区切りとしてボス部屋があるはずだ。
実際、逆ピラミッド状に上がるごとに広がっていく傾向のこの迷宮で、五階層では広々とした大部屋に五体の徘徊者と同数の小鬼がいた。
そしてそれらの背後に立つ上位種と思しきモンスター。
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ボス部屋ではこれまでの階層とは異なり、一歩でも踏み込めば見えない壁のようなものができて外に出られなくなる。
つまり脱出不可の強制戦闘部屋。
何度も死を覚悟して戦い続け、ボスモンスターを倒すと不可視の壁はなくなり、同時に対面の壁にあった階段も上れるようになった。
そして大部屋の中心にいつの間にか現れた木製の宝箱…。
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10階層への階段の前で、つかの間の追憶を終える。
ここまでに得た情報はすでに全て最初の部屋に書き込んできた。
ここに至るまでに消耗らしい消耗もない。
選択肢は1つしかない。
さて、
1、10階層への階段を上る。
行くか。
さて、どうなるんですかね…。




