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トワイライトシーカー  作者: otsk
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34話:記憶の改竄(2)

「さて、光に自分がやってるという意識がないのであれば、光は知らず知らずのうちにやらされてるということだ。ここから導かれるのは?」


「はい!」


「凪さん、どうぞ」


「想ちゃんが黒幕!」


 とりあえずチョップ入れておいた。追い詰められた犯人じゃあるまいし、なぜ張本人がこんな問いかけしてんのだ。


「誰か、この世界で別にボクを監視してる人がいる、って言いたいんだね、想は」


「この世界を維持するにも何かしら必要だろ。それが記憶も曖昧な光一人にやらせてるのは不自然すぎる」


「まあ、もっともボクもこの世界の仕組みなんて知ったことではないけど」


「例えば、繰り返してる時間、なくならない記憶、時間が戻ってるという認識であるならば、その時間分の記憶もリセットされなきゃ説明つかないだろ」


「けれど、想たちにはここで過ごした記憶が存在してる、と」


「まあ、お前は一週間経つとほとんど忘れるみたいだけどな」


「むぅ。ボクに至っては一週間経ったのかすらよく分からないんだよ。君たちとは違ってもっと長い時を過ごしてるかもしれないじゃないか」


「じゃあ、質問だ。俺たちが来る直前まででもいい。お前は、どこで、何をしていた?」


「……分からない。まるで想たちと出会ったのが、今日の始まりかのようだ」


「そんなこったろうと思ったよ」


「想ちゃん、それが何を意味するの?」


「俺たちがここに来たということを認識してから光はもしかしたらこの世界に配置されてる可能性があるってことだ」


「……じゃあ、それなら光ちゃんも私たちと同じ世界の人じゃないの?」


「仮の話だからな。ただ、そうすると腑に落ちないのは光が容姿がほとんど変わってないんだ」


「あ、先生が言ってやつ?」


「そう」


 仙石が以前会ったというのが本当に光であるならば、の話だが。ただ、明らかに何か知ってて隠してるという方が正しい気がするし、なぜ真実を話そうとしないのかそれもよくわからない。もしかしたら遊のやつは何か聞いてんのかな。聞いたうえで口止めされてるのかもしれない。

 仙石は、何か失敗したのかもしれないしな。俺と同じようなことをして。

 他の考えうることとしてはあいつが黒幕でだから調査をするなって言ってるのかもしれない。何が目的でそんなことをしているかも不明だ。他にも同じようなことをしていたやつはいないのだろうか。もしくはそいつはどうやって行けたのかもわからないから、そのまま忘れてしまったのか、記憶を操作してるのか。

 さらにはあくまでもそういうことがあるという情報を吹聴して、何か聞いたことある、ということから体験したことがあるというプラシーボ効果でもしてるのだろうか。

 それなら、遊がこの学校でしか噂を聞かないというのも頷ける話だ。

 そこを追及しようとも仙石は答えてくれないだろうが。誰が真実を見つけられるのでもない。


「で、想はこの学校のどこにその手がかりがあると踏んでるんだい?ある程度目星はつけてるんだろうね?」


「さあな。ここにはないかもな。……この世界には」


「それこそ、君がここに来る理由がないじゃないか」


「それは……あれだ、凪も言ってただろ。お前が心配だからだ」


「心配したところで君に何か影響があるわけでもないのに。ストレスが溜まってむしろ悪影響だよ」


「だからこそ、こうして様子を見に来てんだろ」


「覚えてなければボクを気にする必要もないのに」


「それじゃないかな?仙石先生が言ってたの」


「なんだ唐突に」


「だって、忘れろって言ってたじゃない。引き返せるところで。きっと、概念的なことかもしれないよ。この世界も覚えてる人がいるから存在してるし、光ちゃんもいる。それを忘れてしまったら……きっと、この世界も光ちゃんもいなくなっちゃうんだよ」


「……だとして……だとしたら、なんでわざわざそんな噂がずっと流れ続けてんだ。むしろ、忘れさせないようにしてるようにしか思えないだろ」


「じゃあ、こう考えよう。仙石先生はずっと覚えてるんだよ。でも、自分はもう行くことができない。だから、行ける私たちの世代に噂を流して光ちゃんの存在を維持させてるとか」


「できた話だが、もっと根本的なことを知るべきだな」


「根本的?」


「どうやってこの世界ができたのか、だ。そもそもこの世界があったからこそ、仙石だって来ることができたんだ。まあ、本当に来ていたらという話でもあるが」


「昔話に竜宮城があるのと同じことじゃない?」


「そういうのは大体中国の逸話みたいなのが元だから……」


「でも、想の言う通り誰かのためにこの世界が存在するというのは正しいと思うよ。でも、きっとそれはボクのためじゃない。もっと、他の誰かのためだとボクは思う」


「”誰か”ねぇ……」


 その誰かが誰だと分かってれば、そいつに問いただせばいいのだろうが、それがここにいる俺たちの誰かなのか、または俺たちの世界の誰かなのか。きっと、狭い界隈の奴らなんだとは思うけども、断定もできまい。


「手当たり次第探してみるか。まずは屋上からだな」


「え~下からの方が楽じゃない?」


「お前もちったあ労力を使え。俺におんぶに抱っこでどうすんだ」


「おんぶして~」


「光ぐらいならともかく、お前じゃデカイわ。自分で歩け」


「なら、ボクはおんぶしてくれるんだね?」


「言葉の綾なんだが……なんだ、揃いも揃って」


「出来る限り労力を使いたくないのは誰しも一緒だよ」


「わかったよ。ほら」


「変なところ触らないように」


 こいつに触られて困るような発達した部位があるのだろうか。むしろ見た目で言えば心配するぐらい細っこいし。小さいし。


「さて、屋上に行くか」


「鍵は?」


「得てしてこういうのは勝手に開いてるものだ。なぜなら、鍵をかける奴がいないし、鍵をかける必要性がないからな」


「何か見つかるといいね」


「そうだな」


 そこからは屋上へつながる階段を上りきるまで大して会話をしなかった。あまりやったことないのだが、人一人背負って階段を上るって意外に重労働であまり喋る気も起きなかったというか。適当に話しかけられては適当な相槌を打っていた。


「はあはあ。ついたぞ……いい加減降りろ」


「体力ないね、想」


「やたらデカイこの学校に言え。なんだ?5階建って、敷地あるんだから横に広げろ」


「すでに作られてるものを捻じ曲げようとしない」


「しかし、俺たちは前どこで移動したんだったか」


「柵のかどっこあたりじゃない?」


「大体あの周辺か」


「落ちてみるかい?」


「安易に人を殺そうするな」


「この世界において死ぬという概念がないかもしれないじゃないか」


「お前、前に人は簡単に殺せるって言ってたよな」


「それは一般常識での話だよ。まあ、ボクも痛い思いをしてまで実験はしたくないからやったことはないけど」


「俺を人柱にしないでください」


「想ちゃん、ここで何を調べるの?」


「ここでは、単に俺たちの世界と違和感がないかってぐらいのことだ」


「まあ、年数が経ってるという考えであるならば、君たちの世界のここはタイルが剥がれてたり、老朽化が見られたりするぐらいだろうね」


「光は、俺たちが移動できるきっかけって分かるのか?」


「何度も言うように探し物だよ。まあ、君たちが本当にそれを探してるのであれば、大して時間はかからず見つかるのかもしれないけどね」


「じゃあ、大して探そうと思ってないってことか」


「ここはいいかい?じゃあ、次へ行こう」


「次ったって、別にアテがあるわけじゃないが」


「ここが、何年前の世界か。想はここが自分たちがいる世界より少しまえの世界だと予測した。その節を立証するぐらいなら訳無いと思うよ」


「どうするんだ?」


「学校なんだから校長室なり資料室なりに学校の歴史があるだろう。最後にまとめられてるものの次の年が今のこの世界の年だよ」


「じゃあ、お前知ってんじゃねえのか」


「別にボクはここに出入りしてるわけじゃないし、そんなことを知ってもどうしようもないから知らないよ。もしかしたら、前に誰かがやって、それを忘れてしまった可能性はあるけどね」


 こいつ、俺が言ったこと根に持ってやがるな?

 見た目は小学生程度、精神年齢はちょっと大人よりかと思ってたが、中身も十分子供よりである。そんなところ指摘して噛みつかれたくないから言わないけども。

 しかし、何もなかったとはいえ、光はあまり屋上にいたくないようだった気もするが気にしすぎなんだろうか。本当はあそこに何かあって、見た目上何もないで済ませようとしたんじゃないだろうか。

 考えすぎか。今言ってたじゃないか。ここに出入りしてるわけじゃないから詳しいことは知らないって。


「あんまり校長室にある気はしねえな。資料室に先に行ってみるか」


「どこにあるの?」


「俺も忘れた」


「本当にこの学校の生徒なのかい」


「人間な?必要ではないところでは行かないから、例え2年通ったところで一切行ったことのないところはいくらでも存在する」


「そんなこと豪語してる間に探した方がよほど有意義だよ」


「凪も既に行ってしまったんだが」


「君達は本当に自由だね⁉︎」


「あいつをお守りしてる俺の大変さがわかるだろう?」


「悠長に行ってる場合かい!ああいうタイプはすぐに迷子になるだろう!ましてや連絡手段があるのかい⁉︎」


「ないわけじゃないが使えるとは言ってない」


「このポンコツ!」


 まさか小学生にポンコツ言われるとは夢にも思わなかったな。あいつをポンコツ呼ばわりするのは勝手だが俺をポンコツ扱いするのはよろしくない。


「まあ、あいつ人間レーダーだから俺が歩いてるところに勝手に現れる」


「凪は本当に人間なのかい」


「最近疑わしいよな」


 退院してからというものの人間からだんだん逸脱してやしないだろうか。元気だからいいけど、また無理して体調崩したら面倒である。


「しかしまあ、あいつも場所知らんだろうに……」


「凪は知ってるから先に行ったんじゃないのかい?」


「いや、あいつ二年間入院してたから学年こそ俺と一緒だけど、通い始めたのはここ最近だからな。かつ、俺とほとんど行動一緒にしてんだから資料室の場所なんて知るはずもないと思うんだが」


 そもそもの話、以前来た時いくらか内装が違ったようだから資料室の場所も違うかもしれない。違ったからといって元々の場所を覚えてるわけじゃないので、ただ探すのが面倒というだけなんだが。


「想ちゃん、光ちゃんあったよ」


「早いな」


「私の嗅覚も伊達じゃないわけだよ」


「よしゃしゃしゃ」


「って、頭とあごを一緒に撫でないでよ!私は犬ですか!」


「半分犬みたいなもんだろ。よーし、いい子いい子」


 アゴはやめて頭だけなでておいた。アゴを止めるだけで気持ちよさそうに抗議しなくなるのだからこいつはちょろいんだと思う。


「さて、行くとしよう」


「躊躇なく開けてくな」


「何が出るわけでもあるまいよ。手がかりは早く見つかった方がいいだろう?そこのバカップル」


「そいつはとても心外だ」


「何か出るわけではないことがかい?」


「バカップル扱いだよ」


 こいつは素なのか?本当はボケボケタイプなのか?


「しかし、お前と会ったことがあるとするとどこで会ってるんだろうな。全く記憶にないけど」


「奇遇だね。こっちもそんな記憶は一切ない」


「まるで俺と出会ったことがないということが嬉しそうな発言は控えてくれ」


「別に君だって本来はボクに会いたかったわけでとあるまいし」


「まあ……確かに」


「……想。君は本来モテないタイプだろう」


「自慢じゃないが友達は少ない。こいつは幼馴染だから一緒にいるけど」


「……自覚があってこの態度なのか、自覚なしなのか疑わしいけど……ボクが気にすることじゃないか」


「別に好いたの惚れたのはそいつに危害が及ばないのであれば自由だけどな」


「まるで現在進行形で危害が及んでいるかのような物言いだね」


「ほぼ四六時中監視されてるようなもんだぞ。こいつじゃなかったらストーカーとして通報してるところだ」


「今からでも遅くないんじゃないかい?」


「何が」


「想が自首するの」


「架空の想定で自首されたら向こうもお手上げするわ」


「まあ、ボクを襲おうものなら本物の犯罪者にするから」


「俺は比較的健全かつ安全な男子高校生なんだがな」


「安全な男子高校生なんて妄言もいい発言はよしなよ」


「なんなの?お前は俺のこと嫌いなの?」


「嫌いではないけど、あくまで一般的な話をしてるんだよ」


「偏りが見える」


「仕方ないね、想ちゃん朴念仁らしいから」


「どこで聞いた」


「神楽くんから」


 また余計なことを。別に喋ろうが問題はないが。

 これ以上喋ってても何も進展しなさそうだから、進展しそうなことから手をつけて行くことにしよう。


「しかし、そんな資料がここにあるかね」


「まあ、そもそも本自体があるのかも謎だ」


「なんで?」


「そもそも構造の分かってないものがここにはないっていうのが説だ。本という概念があっても、内容が分からなければ置く意味がないだろ」


「逆に考えれば、内容が分かってれば置いてあるってことだよね」


「まあ、そういうことだな」


「それがあるなら、もっと人が絞り込めない?」


「まずはそれを見つけなきゃな」


「というわけで想。これよみがしに置いてある棚の上の段ボールを取ってくれたまえ」


「そういうのって見つけたやつが取るのが同義だと思うんだけどなぁ」


「その無駄に高い背をちょっとは有効活用したらどうだい?」


「バスケ部連中に混じればそんなに目立たないけどな」


「背が高いことで有名なその部の中に混じって目立たないって十分に高いんだけど。普通は背が低くて目立つんだから」


 言ったことはなかったが、俺は180cm弱ある。弱というのは180には届いてないからそう言ってるのである。まあ、それでも全体平均から見ればそれは高い方だし、入学当初は一応バスケやバレーに勧誘されたもんだ。病院に行かないといけなかったら断ったが。いや、運痴だからじゃないです。人並みに動けます。だからこそ、宝の持ち腐れだなんだ言われたような気もするけどさ。

 別に背が高いからってスポーツやらなきゃいけないなんて道理もないわけで。なら、もう5センチぐらい背が低ければそこまで目を引くこともなかったのかもしれない。

 どっちの方が良かったのかって、そりゃ高いに越したことはないからきっと今のままでいいんだろうけど。

 さすがに、俺の背をもってしても棚の上から荷物を下すのは体制的に辛いものがあったので、椅子を踏み台がわりに光が指定した段ボール箱を下ろした。


「これで入ってるのが一冊の本だったら笑うよな」


「さすがに揃えてるだろう。わざわざ一冊のために段ボール箱に入れてるのも考えにくいし」


 簡単に蓋を閉じてるだけでガムテープも何も貼ってないとかいう雑にもほどがある梱包だった。

 それを開いて、十数冊あるぐらいだろうか。中身は学校の歴史について書かれたものではなく卒業アルバムのようだ。

 しかし、高校入学時に説明とかあったような気もするが、ここが建ってから何年経つかとか全く記憶にない。

 しかし、十数冊であれば、学校としては比較的新しい方なのではないだろうか。卒業アルバムは一年に一冊作られるだろうし。

 今が設立して何年かよく分からないから先にここにある1番新しいものを見る必要があるけども。


「凪、俺たちの学校と比べてここはどうだ?新しく感じるか?」


「え?うーん、どうだろ。なんか新しいっていうよりはなんか少し古いって感じがする」


「これが過去に来ているという話なのか?」


「とりあえず、想が持ってるそれが1番新しいもののようだけど、君たちの世界とは何年ぐらいズレがあるんだい?」


「あ〜っと?ざっと、7年って言ったところかな」


「ということはだよ。仮にボクが小学六年生ぐらいの11,12歳だとしよう。君たちの世界に行けば、18,19歳ということになる。そういう計算上で言えばボクの方が歳上だ」


「この時点でたとえ10歳程度の俺たちがいたとしても、この世界に俺という人間はここにしかいないし、その俺は17歳で、現時点での光は小学生ぐらいでしかない。だから、お前をお姉さん扱いすることはない」


「女の子はレディ扱いされたいものなんだよ」


「そこのガキっぽいのが同い年ということに俺は頭を抱えることになるんだが、それについてはどう思う?」


 次々に卒業アルバムを取り出してはなんか懐かしんでる凪を指してそう言った。


「……まあ、人それぞれってことじゃないかな。しかし、凪は一体何を探してるんだい?目的は果たしただろう?」


「えっとね、確か想ちゃんのお父さんも同じ高校の出身って話をしててね、卒業アルバムなんだから写真ないかなって」


「お前、1番古い方から読んでたろ。親父は確か44,5ぐらいだったと思うから少なくとも25冊はそこにないといないだろ」


「……?それだと想ちゃんの推理外れることになるよ?」


「なんだって?」


「わざわざ卒業アルバム用意してるならそれこそ1番最初の卒業アルバムから用意するのが普通なんじゃない?」


「これよみがしに置いてるんだからそう考える方が自然か……」


「もしくは現在進行形でそれをやってる可能性もなくはないね」


「俺たちの行動に合わせてものを設置してるってことか?」


「そういうこと」


「じゃあ、俺の親父じゃなくてそんなことが出来て、俺たちが調査をやってることを知ってる人物は……」


「仙石先生?」


 まあ、あの怪しげな態度と言動見てればすぐにたどり着く話だ。でも、それはあくまで体験者としての注意喚起かと思っていた。


「問い詰める必要がありそうだな。しかし、証拠物件はたぶん持って帰れないよな」


「光ちゃんは写真撮れるんじゃないの?」


「だからお前は遊のやつからどれだけ情報霞とってんだ」


「どうせ一緒に捜査してるんなら情報共有しておいたほうがいいだろ、って」


「要らぬ世話というか、余計なお節介というか」


「想ちゃん期待してないな⁉︎」


「……それが証拠となるなら、いいよ。この前は逃げてしまったからね、ちゃんと撮りたまえよ」


「いいのか?嫌なら無理することはないぞ。別のところだって、証拠にできそうなところを探せばいいんだし」


「なんとなくね、そうしたほうがいい気がしたんだ。これ以上何か言うのであればこの話はなかったことにする」


「いやいや、せっかくだし撮らせてもらうぜ。そうだ、凪も一緒に入れよ」


「いいの?」


「その方が確証得やすいだろ」


 適当に窓際の方に並べて夕日をバックに撮った。

 しかしながら、ここの資料室が俺たちの世界で夕日が射すような位置にあった稼働かは定かじゃない。

 そういえば、夕日はさすがに1時間も経てば移動すると思うのだが、時間が戻ったら瞬時に始まった位置に戻るんだろうか。

 もっとも、概念的なものだから俺たちが見てる間には変わらないものなのだろう。

 二人を写真に撮った後、さらに、校内のいくつかを写真に残し、あとは実証をするために光に頼み、俺たちは元の世界へと戻るのだった。


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