<第一刻:応急処置>
幻影の九尾「八雲梗」は不知火異変の首謀者「不知火焔」と行動をすることになった。
焔が他の八雲家の住人と馴染めるが梗の死角で闇の影が行動を始めていた。
「イデデデデデデ。ちょ、藍様まってくださryイダダダダダダ。」
「ほら、このぐらい我慢しろ!。男の狐(子)だろ!?。」
「こ、このぐらいって、溶けて神経がむきだしなったところに直で消毒液って・・・。」
「文句を言うな!。」
そういって藍様は俺の腕の傷口にまた消毒液を塗る。
「イダァぁアアぁぁァアアぁ!!!?。」
・・・なぜ、こんなことになったかを順をおって話すとしよう。
あの後俺は焔に本格的な治療をし怪我を治した(思ったより再生能力が強い奴だった。)
この後、陽が高く昇る時間帯を見計らって焔を八雲家に紹介することにした。
(しっかりマヨヒガの橙にも召集をかけた。)
「ただいまもどりました。」
俺が玄関の扉を開けると藍様が迎えてくれた。
「あ、おかえり。異変の解決はうまくいったのかい?。」
「ええ、バッチリでした!。異変の首謀者を懲らしめてやったのでもう不審火は起こさないでしょう。」
「そうかい、なにはともあれおつかれさま・・・って、ん?。誰だいその子は?。」
そういって藍様は俺の後ろでモゾモゾうごめいていた<それ>に目線を落とした。
「あ、こいつですか。こいつは不知火焔です。不審火異変の首謀者に両親を殺された子供の妖怪です。行くあてもなさそうだったんでしばらく私が面倒を見るつもりです。ほら、焔あいさつしろ。」
そう言うと焔は俺のズボンを掴みながら顔だけをヒョコッっとだしてあいさつをした。
「不知火・・・焔です。」
とてもぎこちないあいさつだがまあ、上出来だろ、誰かに自己紹介するなんて初めてだろうしな。
「私は八雲藍だ、よろしく。焔か、いい名前だな。」
「そうですよね~いい名前ですよね!?。」
「なんでお前がそんなに誇らしげになるんだ?。」
「あっ、あ~、いや、何でもないです・・・ハハハハハハ。」
なんて乾いた笑いだ絶対誤魔化せてないぜ・・・。
「ところで、梗。この子の住むところは決まってるのかい?。」
「それならマヨヒガがいいかなと、滅多な事では敵に襲われませんし寺子屋にも通わせるつもりなのでその際、マヨヒガにいれば橙と同じで送り迎えが楽ですから。」
「なるほど、まあいいんじゃないか。丁度今日は橙も来てるし橙にも紹介しておこう。」
「そうですね。お~い橙~。」
俺が橙を呼ぶと客間のほうから橙がこちらのいる玄関に出てきた。
「なんですか?梗さま?。」
「ああ、今日からこいつがお前といっしょにマヨヒガで暮らすことになった名前は不知火焔。仲良くしてやれよ。」
「よろしく・・・。」
焔は藍様のときよりは声を張っているとはいえ、まだまだか細い声でそう言った。
「私橙!。よろしくね焔ちゃん!。」
「・・・うん。」
橙の明るい言葉を受け焔の表情はわずかながら緩んだ様子だった。
「なら、早速庭でふたりで遊んでるといい。」
藍様が焔と橙に指示を出し橙が焔を引っ張る形でふたりは外に駆けていった。
「あっ、梗~!。」
「なんだよ、俺はいらねえだろ、ふたりで遊んでろ。橙、焔の事よろしくな~。」
「は~い!。」
橙は元気な返事をして庭のほうに焔を引っ張って行った。それを俺は腕を軽く振って見送った。
「さあ、梗。お前も疲れたろ。中に入って休め・・・ってなんだ!?その腕は!?。」
藍様は俺の腕を見て驚いた。あ、そういや焔にやられたんだった。
「あ~これは異変の首謀者にやられた傷ですよ。大丈夫これぐらいどうってことは・・・ってちょ!。」
「大丈夫なものか!。すぐに手当てしないと。」
そういって俺は藍様に家の中へと引きずられていった・・・。
・・・そして今に至る。
「だからさっきから大丈夫っていってるじゃないですか・・・ってイダダダダダ。」
「大丈夫なじゃない!。傷口からばい菌でも入ったらどうするんだ!。」
「餓鬼ですか俺は!?。」
「私の式のうちはお前はいつまでも私にとって子供だ!。」
「うぅ・・・。」
言葉が返せない・・・。<八雲>の名を名乗っているとはいえ俺は藍様の式。紫様の式ではない。
無論それは俺がまだ未熟なわけだあって今こうして<八雲>を名乗れてるのが不思議なもんだ。
身体能力や単純な妖力の総量で勝ってるとは言え妖獣としての格は藍様の方がはるかに上だ。
はあ~。はやく藍様を守れるぐらい強くなりたい・・・。
「・・・?。チョン。」
「イダああ!?。ちょ、まだ塗るんですか!?。」
「いや、なんかボーッっとしてたから・・・。つい。」
そう言って藍様は片目を閉じウインクをした後上目遣いで俺の顔を覗き込み「テヘペロ☆」みたいな顔で俺を見てきた。
「・・・本気で痛いんでやめてくだい(真顔)。」
「なんだ梗はつれないな~。」
「そんなこと言ってないでいつ治療は終わるんですか?。」
「ん?それならこれを腕に巻けば終わりだが。」
そういって藍様は俺の腕に包帯を巻き始めた。
「・・・?。なんでこっち側に体を寄せてるんですか?。」
「ん~?。いいじゃない。」
「?。」
そう言いながら藍様は俺の胸に頬を近づけてきた。
「・・・梗の香りがする・・・。」
「へ?。」
「いい香り・・・。」
そう言うと藍様は俺の体に手をあて体を俺に預けてきた。
「・・・・・・。」
「梗・・・。」
「何のつもりですか紫様。」
「あら、いつから気付いてたの?。」
「確信をもったのは「ん~?。いいじゃない。」からですが。治療道具をもって帰ってきたときから様子がおかしいとは思ってましたよ?。治療も雑でしたし・・・。」
「何よ雑って!?治療してもらっただけありがたく思ってもらわないと。」
「そうですね、治療していただき有り難うございました。」
「よろしい。」
そういって紫様は胸を張ってドヤ顔をかます。本当にこの方は何を考えていらっしゃるのかわからない。
俺は治療を終えた後、自室で橙と焔の帰りを待っていたのだが・・・。
「・・・zzz。」
さすがに疲れがまわってきたのか寝てしまった。
そして2,3時間が経過した。
「・・・・・・寝すぎた(ボソッ。」
陽は傾いてきていた。焔達が帰ってきてるだろうと思い腰を上げようとした時に左手に違和感を感じた。
「ん?。」
ふとそちらに目をやると・・・。
「スゥ~~スゥ~~~。」
小さな寝息と立てながら俺の左手を小さな両手で掴みながら焔がスヤスヤと眠っていた。
「随分とうれしそうな寝顔で寝てやがる・・・どうやら橙とは仲良くなれたようだな。」
「梗の手・・・あったかい・・・。」
「ふっ、ありがとよ・・・。」
寝言を言っている焔に小さな声で応える。
どうやら、俺は焔に親心に似た物を持ったようだ。
こいつの過去に俺に似たものがあるから?。いや、違うな・・・。
こいつから感じる何かに魅かれたんだろう・・・。
「な~にしてるんだ?。」
「うわっ!ビックリしたっ!。藍・・・様ですよね・・・?。」
「何を言ってるんだ?。どこからどう見ても私だろう。夕飯の準備が出来たぞ。」
「夕飯は今日は要りません。」
「は?。」
「こいつをマヨヒガに連れてった後にそちらで済ませます。」
「ふ~ん。そうか、それにしてもよほどその子が気に入ったみたいだな。ひょっとしてお前・・・。」
「・・・ゑ?。」
「ロリータk『なんでそうなるんですか!?。もう私行きますんで!。』はいはい。」
そういって俺は寝ている焔をおぶるとマヨヒガへと向かった。
月の小さな一片が僅かな光で夜の世界を照らしていた・・・。
「へ~ひとつだけなら【あらゆるものをすり抜ける程度の能力】ね~。」
「な・・・なにをするきだ・・・あぐっ・・・。」
傷だらけで地に倒れる男の首を彼女は掴んだ。
「このまま死んじゃうのはもったいないわ。せっかくだからその能力わたしが盗ってあげる(もらってあげる)♪。」
そう言い彼女が男の胸に手を当てると男の体から気のようなものが彼女に流れ込んでいく・・・。
「ち・・・力が抜けていく・・・。」
「【あらゆるものをすり抜ける程度の能力】ゲット~♪。」
「お・・・お前は一体・・・何者なんだ・・。」
「ただの怪盗よ?。さて、要らなくなったゴミは処分しないとね☆。」
そういうと彼女は掴んでいた男の首をへし折った。
第弐章開始・・・といっても八雲家は平和なご様子でした^^;。
なんやかんやあってなんとか3000文字突破(もっと状況をイメージしやすく書けよ)。
更新ペースが不安定ですが。気長に待っていて下さい。
ps.出演させたい東方キャラのリクエストは引き続き行っていますので希望があればコメントに書き込んで下さい。