第二話 胸もテンションも大きい方がいい
今日は授業も終わり、部活に参加していない武音と乙杯は、家が近いという理由で今日も一緒に帰る。
「そういえばさァ」
と、乙杯が言う。
「ん?どうしたよ」
「もうそろそロ、じゃン。おっぱいチャンピオン決定戦。」
「・・・! そ、そうだったな!」
「やっぱり忘れてると思ったヨ。さすが頭におっぱいしかないおっぱい武音クンだネ。」
「うるっせーな!じゃお前の頭の中におっぱいはないのかよ!」
「もちろんあるに決まってるじゃないカ!おっぱいヘルプミー!」
「………あ」
気づけば他の高校の生徒から変な目で見られている。それは当然。だってこんなにテンション高いんだから。
「おい…ちょっとテンション高すぎんだよメガネ。変な目で見られるのこれで何回目だよ。ってかおっぱいヘルプミーってなんだよ」
「すまんついついテンションガ… これじゃイケメンが、台無し、だなッ!」
「あーこいつ殴りてぇ。メガネ壊してぇ。レンズ割っていい?」
「この間割られたばかりじゃないカ!また割られんのかヨ!勘弁してくれヨ!」
「あーうるせぇうるせぇ。そういえばなんの話してたっけ」
「だから… おっぱいチャンピオン決定戦だヨ。」
「あ…!そうだったか」
「もちろん今年はチャンピオン、狙うよネ?」
「当然に決まってるだろ。チャンピオンはこの俺だ。なぜならおっぱいを世界一愛しているのはこの俺だから」
「はいまた出ました悪い勘違イー!俺が世界一愛してるかラ!おっぱいエブリデイ!」
「あーはいはい。いい加減飽きた。それよりさ、やっぱ今年もあいつ… 強いかなぁ。」
「噂によれば相当、体鍛えてるらしいヨ。去年みたいに負けちゃうかモ。三年の通称[パイパイ星人]ニネ。」
「ってかあいつの本名何なんだ… しかも今年は一年もいるしな… ま、やれることをやるしかない!チャンピオンはこの俺だ!」
「バーカ俺だっつーノ!おっぱいチクビィイイイイ!」
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おっぱいチャンピオン決定戦とは、おっぱい学園の中で一番おっぱいを愛しているのは誰か、ということを決める年に一度の戦いである。
決める方法は、全校生徒にスイッチ付きのベルトを配い、ベルトのスイッチを押されたら負け、というシンプルなルールである。
つまり、おっぱいの愛など関係ないのである。しかし校長は「愛は行動に移すものだ!どんなに弱い人でも愛があれば勝てる!」と発言している。
戦いかたは人それぞれだが、法に触れるものは反則ではないが事実上タブーとなっている。
もちろん武器を使うのは反則。またベルトを外したら反則となる。
ちなみに武音見多男は前回、いいところまで行ったのだが、本名は知らない3年の「パイパイ星人」に敗れて敗北。
今回はリベンジとなる。
おっぱいチャンピオンは二週間後、果たして誰がチャンピオンになるのだろうか――!